Archive for 21 February 2006

21 February

#6.日本海に降る雪

冬場になると日本海側の各地は雪に覆われます。今年は異常な降りで悠長なことは言っていられないのですが、この便りを聞くと、「日本海の飛び石美人」という言葉を思い出します。秋田美人、越後美人、金沢美人、そして京美人と、確かに日本海側の府県には、飛び石で美人の名が浮かんできます。これは飛び石の間に美人がいないという訳ではなく、日本海側は飛び石でいるほど他の地域と比べて美人が集中しているということなのです。
「色の白いは七難隠す」というように、日本の美人というのは白いもち肌の持ち主を指したようです。これは、日本人が素地を大切にするという美意識に根ざしているように思えます。日本の家の柱や梁は白木で、削りだしたままの美しさを味わいます。刺身、素足、香りはむしろ無臭を好むなど、素地の心地よさを良しとします。次に、日本人の顔を見ると、今でこそ凹凸も多くなりましたが、伝統的には平面的で、素地の影響が強く出る造作になっていました。こんなところから、日本での美人は「きめ細かい白く透き通った肌」で決まるようになったと思われます。
そのもち肌と言われる、きめの細かい白い肌には2つの大敵があります。乾燥と紫外線です。冬場の関東は空っ風に代表されるように乾いた日が続きますが、日本海側は雪雲に覆われ、乾燥と紫外線からしっかりと守られます。年間の日照時間でも、東京の1847時間に対して、新潟は1651時間、秋田はさらに少なく1597時間で、紫外線対策は良好と思われます。また、年間湿度も東京の63%に対し、新潟、秋田とも73%となって、乾燥にもより配慮された環境であることがわかります。そういえば、深窓の佳人は日に当らず、じめついた部屋に篭っていますね。

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