Archive for March 2006

27 March

#29.筋書きと感動

土曜日、WBCの余韻を受けて日本のプロ野球が開幕した。早速、テレビ中継があって、西武インボイススタジアムでは荒川静香の始球式が放映された。相手のオリックスもさすがに千両役者清原がバッターボックスに入った。ここでデッドボールにでもなって清原がどんな反応するか楽しみだったが、ボールは清原の背中を抜け清原もきれいなスイングを実直に行い、波風は立たなかった。ところが日曜日、野球を見たかったのだが、なんとテレビ中継はなかった。パ・リーグだからなのだろうか。WBCの決勝戦のスタメンは、外野のイチロー、田村、青木を除いてあとの7人全員パ・リーグの選手だったのに、そのパ・リーグの中継がないのだ。テレビのチャンネルをあちこち回してみると、野球はやっていたが高校野球となんと巨人のオープン戦だった。このような状況をコミッショナーはどう思っているのだろう。期待する方が無理かもしれない。なにしろ近鉄のゴタゴタから始まった一連の騒動では、ピンチになると辞めると言ったり、納まってくると任期があると言ったりした輩だ、何も思わないだろう。WBCの優勝記念写真には王監督のとなりでチャッカリ納まって、実に嬉しそうだったけれども。WBC後の巷では、これで野球も盛り上がるという野球を見捨てない意見が相次いだが、肝心のコミッショナーがこんなのでは、野球は選手もファンも可哀想で仕方がない。
そこで日曜日は、競馬とサッカーと相撲を見た。相撲がおもしろいことに筋書き通りのことが起きてしまった。白鵬・魁皇、朝青龍・栃東という取組みだったが、白鵬と朝青龍が勝つのが順当という見方だったと思う。順当なことが起きると、魁皇の大関陥落、栃東の横綱昇進の権利消滅ということになってしまう。特に、魁皇が大関陥落となると復帰は極めて難しいため、日本人大関の減少をなんとか阻止したい気持ちもわかる。また、栃東も横綱昇進の権利を確保しておいた方が、来場所も話題になりそうだ。白鵬の大関昇進にはこれ以上の星はいらないし、朝青龍も白鵬との再戦を臨んでいたことから、朝青龍と白鵬が共に本割で負ければ全てが叶うことになる。事実、それが起きた。しかも、起きるのではないかと思っていたら起きたので、思わず微笑んでしまった。
WBCの2次リーグで韓国に負けたが、メキシコがアメリカに勝って準決勝進出のお鉢が回ってきたときは、ただビックリした。そして、その勢いで優勝したわけだが、これが筋書きのないことだから感動できるのだ。同じ内容の劇画やドラマをつくったところで、あのような感動をすることはまずありえない。

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22 March

#26.今度は実力

3月21日は、数少ない我が家の年中行事のひとつ、春の墓参でした。陽気も良く、絶好のお墓参り日和でした。当家の菩提寺は千葉県の柏にあります。普通は先祖代々からのお付き合いや祖霊が眠るお墓があるのでしょうが、手前どもは少し違います。このお寺には私の代からの付き合いで、しかもお墓には誰もまだ入っていません。ですからイマイチ迫力不足で、気合の入った墓参にはなりません。家内とふたりだけで出掛けて、手早くお墓参りの作業を済ませると逃げるように退散してきます。
本日もその類に洩れなかったのですが、加えてWBCの決勝戦があります。つくづく昨日墓参りに行ってしまえば良かったと悔やんでの出発です。途中、どこかにテレビでもないかとキョロキョロしどうしでしたが、ツキがなくテレビには出会えず、唯一タクシーのラジオで松坂が先頭打者ホームランを浴びている瞬間を聞いてしまいました。これは運の悪い予兆かと思いましたが、どうやら杞憂で済みました。

帰ってみたら、10−6と快勝のスコアです。でも、試合経過は6−1から6−5に追い上げられ、しかも先攻という状況を考えると、どうも快勝とは言いにくかったのではないかと思います。テレビからも負けるかと思ったという声も聞かれました。その中で勝ったのですから、今度はツキではなく実力でしょう。その実力の中味ですが、この決勝戦では今までにない攻撃力が光っていました。その要因は、タイムリーが出たことも素晴らしいですが、それに勝るのが確実に四球を選ぶ、犠打を決める、犠牲フライを確実に上げるという地道な技でしょうし、そして何よりも最大の戦力は抜群の走力だったと思います。的確な判断力に基づいたスタート、美しく力強い中間疾走、スピードの落ちないスライディングは参加したどのチームより優れていたことでしょう。投手力と守備力は、1次リーグ、2次リーグを通じ十分実力を発揮していましたが、準決勝、決勝では日本的な攻撃力というものを世界にアピールできたと考えています。もしオーナーだったら、1番川崎、2番西岡、3番イチローというオーダーのチームを作ってみたいですね。

誰も入っていないお墓はイマイチ迫力不足。


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