Archive for March 2006

16 March

#23.イチゴの季節

イチゴを食べて思った。イチゴって、いつがの季節なのだろうか。2月ごろだろうか。昔は、4月から5月にかけてが旬というか、そこでしか食べられなかったと思う。今の子供たちに冬の果物はと聞いたら、間違いなくイチゴと答えるだろう。同じようなものにきうりとトマトがある。これも夏のものだった。今は一年中食べられるが、ひと昔前までは、秋になってしまうと申し訳程度のきうりしかなくなってしまい、夏が懐かしく感じられたものだった。ビールだってそうだった。今では冬でも「最初はビールから」となるが、ビールは夏の飲み物で冬にビールなんて考えられなかったのだ。ビールの宣伝でさえ5月ごろからやっと新聞に載ったものだった。
でも、恐らく一番ビックリされるのが、カレーだと思う。何と、カレーは夏の料理だったのだ。小学生だったころの雑誌のQ&Aに、「夏になるとなぜカレーを食べるのですか」という質問があった。今なら意味不明の質問だろう。でも当時は誰しもが納得のいく質問だったから、なおさら不思議だ。因みに答えは「夏になると食欲がなくなるので、辛いもので食欲を増すようにします」とのことだった。
こうしてみると、夏の食べ物や飲み物が、夏以外にも広がったように思える。アイスクリームや氷の入った飲み物など、例はたくさんある。理由は、暖房や家屋構造のよって、冬の環境を平常化したものと考えるのが妥当だろう。では、逆に冬の食べ物の広がりはどうだろう。例えば、鍋焼きうどんを夏に食べる、これはどうみてもあまり広がらないように思える。

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13 March

#20.抽斗の中から

抽斗の中を探っていたら、妙なものが2つ出てきた。内用薬と書かれた薬の袋と免許証の束だ。これを探すために抽斗を開けた訳ではないのだが、お恥かしいことに肝心の探し物が何だったか忘れてしまった。老化現象と言ってしまえばそれまでだが、安全に関わることが起きないようにしておきたい。
内用薬の袋からはアルジオンという薬が出てきた。ご存知の方も多いと思われるが、抗アレルギー剤、つまり花粉症の薬だ。10年ほど前、誰かが窓を開けたときクシャミをした。「花粉症ですか」と言われて、そうかと思っていたら本当に花粉症になってしまったのだ。それまで花粉症は意識したこともなかったのだが、その後花粉症は年々ひどくなり、医者に相談を重ねた。4年前からアルジオンを年明けから1か月飲むと、その後はなんとか乗り切れることがわかり、対処法は獲得できた。だが、ここまで来れば完治できそうな気になり、大した訳もなく花粉症になったのだから、その逆もあるだろうと思った。そこで、2年前「完治宣言」を密かにしてみたところ、なんとなく治ったようだった。さすがに去年の今ごろ箱根に出掛けたときは、眼はショボショボ、クシャミの連発だったが、それ以外は大丈夫だった。「病は気から」ということで、お医者さまには申し訳ないが、2年前処方してもらったが飲まなかったアルジオンだ。
もうひとつは「ガス溶接技能講習修了証」だ。ガス溶接は、酸素と水素のボンベに繋いだバーナーの青白い炎で、鉄材を切ったり接いだりするものだ。講習は3日間の講義と実技試験で、講義は聞くだけなので簡単だが、実技は一夜漬けの練習では身につくものではなかった。試験当日、不安だらけのまま順番が近づいてくる。いよいよ次になった。試験は厚さ1cm幅10cmほどの鉄板を溶断するのだが、厚さに応じてバーナーの火加減と動かす速さが決め手になる。バーナーの炎が弱く動きが速すぎれば溶断できないし、強すぎたり遅すぎたりすれば余計な部分まで鉄板が溶けてしまう。前のヤツの実技を見ていたら、すごくうまいのだ。一気に真っ直ぐ。そのお手前の見事なこと、合格間違いなしと思ったら、「オイ、お前どこの事業所だ。無免許でやってたろう。」と試験官からお叱りがあった。お叱りのあとの嫌な雰囲気での実技試験だが、全くうまくいかない。バーナーの炎の調節もできなければ、スムーズに動かない。汗だくになってやっと溶断できたが、ギザギザで汚いこと、見るのも恥ずかしかった。試験官から何を言われるかと思っていたら、「免許とってからが練習だからな」と言われた。全員の実技試験が終り、合否の発表があった。なんと合格だった。あの達人はというと、別室で事情を聞かれ、厳重注意の上の合格だった。後にも先にも「ヘタだから合格」という試験は初めてだった。

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01 March

#12.しあわせ色

お友達から素晴らしいメールの贈り物を2つもいただきました。
ひとつは、木下夕爾という俳人の紹介です。その中にあった、『家々や菜の花いろの燈をともし』という句には、あすこの家、ここの家、どの家にも、温かさ、懐かしさ、というしあわせ感が溢れているようです。「菜の花いろの燈」はやはり黄色い色なのでしょう。実際に菜種油を灯した灯りであることに更にしあわせ感が増幅されます。
もうひとつは『一面の菜の花』の写真です。送ってくださった方は、「実はあまりきれいではありません」と、謙遜されていましたが、「一面の」というときは黄色い花が良く似合います。映画の『ドクトル・ジバゴ』で、雪の中を歩き続けたジバゴが力尽きて倒れ、意識を失います。画面はフラッシュバックで、夏の日の一面の黄色い花畑が広がります。同じような場面が邦画の『八甲田山』でもありました。遭難した兵士の意識が薄れていく場面で、やはり夏の日の八甲田の山麓に広がった黄色い花畑が映ります。黄色い花は、なぜか安心、希望、しあわせ感を与えてくれるようです。
今年の冬はとても寒かったので、黄色い花の囲まれたしあわせ感いっぱいの暖かい春が待ち遠しいです。いよいよ、3月ですね。


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