Archive for 07 March 2006
07 March
#16.2つの春
6日は旧暦2月の正節、啓蟄でした。啓はひらく、蟄はとじこもるの意味で、冬の間穴に閉じ篭った虫たちが動き出してくるということでしょう。この啓蟄は二十四節気のひとつと言われていますが、二十四節気は中国古代につくられた季節の分け方で、農業がしやすいように24に分けたものです。区分された1つ1つを節気と言い、24ということは各月に2つずつ節気があるわけで、それぞれを正節、中気と呼ばれています。旧暦の各月7日ごろに最初の節気があって、正節と言います。その約15日後の節気を中気と言います。旧暦1月の正節である立春から始まって雨水を経て3つ目の節気が啓蟄で、冒頭の通り旧暦2月の正節となる訳です。雨水の水の動きに次いで虫も動き出し、いよいよ春ということです。そんなところに、同じ6日、春一番が吹きました。これも昔から言われていたことなのですが、気象庁が科学的に春一番の定義をしました。?立春から春分の間、?日本海に低気圧があって、それが南から風を引き込む、?関東、特に東京で8m以上の風が吹く、?前日より気温が上がる、という条件を満たすと晴れて「春一番」となるようです。気持ちの上では春一番が吹いたようでも、4つの条件を満たさないといけないので、お上の決めた春一番がついに吹かなかった年もあったそうです。
今年は、予め暦の上に決めておいた春である啓蟄と、地球が実際に暖まってきた証としての春一番が一致しました。今季の冬はとても寒く、骨身に応えました。これで間違いなく春だと思うと、年寄りには喜びひとしおです。
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