＃135．専業主婦

秋のパリで開催される競馬の世界選手権レースである凱旋門賞に、日本からディープインパクトが挑戦する。相手もアイルランド産のハリケーンランを始め錚々たるメンバーが集まるので、ディープインパクトでさえ本命とはいかないだろう。
その２００２年の凱旋門賞優勝馬のマリエンバードが日本で来て、種牡馬として初めての産駒がデビューしている。この初年度のことをファーストクロップというのだが、今後の活躍を占うこともあり非常に興味が湧くのだ。あのサンデーサイレンスはファーストクロップで３０勝もして、先が大いに期待されたが、さすがに期待以上の活躍で応えた。マリエンバードは日本の競馬には向かないのではないかという危惧もあり、早く１勝とやきもきしていたところへ、７月２９日の新潟の第１レースで勝ち名乗りが上がった。
勝ったのは牝馬の２歳馬、馬名はこともあろうに「センギョウシュフ」だ。名前をつけるのはオーナーの専権事項なので、どんな名前をつけようと勝手だが、今か今かと固唾を呑んでいただけに些かビックリした。どういう訳でこの名前にしたのかオーナーに聞いてみたいが、逆に親しまれる名前かもしれないし、図々しく強くなりそうな名前でもある。勝っぷりは、芝のマイル戦で、８番人気だったが後方を進み直線で一気に追い込んで堂々と勝ったもので見応えのある内容だった。タイムも１分３６秒１で、２歳の未勝利戦としては立派なもので、今後の成長を見守りたい。
実は、マリエンバードの最初の勝ち馬も、センギョウシュフという馬名でなかったら、気がつかなかったかもしれないのだ。妙な名前なので血統を見たら、父がマリエンバードだったという訳だ。マリエンバードも、２歳の処女馬が専業主婦だったとは驚いているだろう。

＃134．新企画のフィナーレ

今年の新企画、サマー２０００シリーズの最終戦は新潟記念だ。この新潟記念で初代チャンピオンが決まるのだが、２２頭が登録してきた。この２２頭のうちチャンピオン候補は、１３点のエリモハリアー、１０点のスウィフトカレント、５点のヴィータローザというところか。１着は１０点なので、この３頭はチャンピオンになるチャンスがある。

さて、新企画は大いに結構だが、盛り上がりはどうだったろうか。イマイチという評価は免れないと思うがいかがだろう。よく考えてみると誰に向けての企画だったのだろう。どうも馬券を買ってくれるお客さま向けの企画ではなかったようだ。石川喬司が久しぶりにおもしろいことを言っていたが、「シリーズ馬券を売れ」ということだった。こうすれば少しは盛り上がったかもしれない。実際の馬券運営は極めて難しそうだが、馬券を買うお客向けに何かできないのか、来年の企画の改良を期待したい。

さて、新潟記念。データ・ベースは夏負けなどしないが、でも丈夫だけが取り柄では本当は困るのだ。

　◎　スウィフトカレント　６７．５→最近の実績、タイム、勝っぷり、末脚
　○　サンレイジャスパー　６０．９→最近の実績、タイム、末脚
　▲　エリモハリアー　　　６０．２→最近の実績、
　△　ヤマニンメルベイユ　５９．１→タイム、先行力
　△　エイシンニーザン　　５８．４→タイム
　△　トップガンジョー　　５８．１→最近の実績
　△　ヴィータローザ　　　５７．８→タイム


スウィフトカレントがここを勝って、サマー２０００シリーズ初代チャンピオンになる。これに、エリモハリアーが絡むわけだが、全てのスコアでスウィフトカレントの優位は傾かないだろう。

展開だが、ヤマニンメルベイユが単独でハナをきるだろう。続いてナイキゲルマン、シャーディーバナイス、が続き、少し遅れてエイシンニーザン、トリリオンカット、タガノマイバッハ、トップガンジョーまでが一塊で先行グループを形成する。
中段は混み合うが、ダイワレイダース、ロードフラッグ、ソーユアフロスト、が固まり、そのあとにエリモハリアー、サンレイジャスパー、メイショウオウテ、オースミグラスワン、ヤマニンアラバスタ、マチカネリュウセイあたりがゴチャついた中段をつくる。
後方は、アサクサキニナル、サイドワインダー、ヴィータローザ、ニシノナースコール、オールピュールが控える形で進むことになろう。

夏は牝馬ということで、サンレイジャスパーとヤマニンメルベイユを注目してみたい。自分のレースができればおもしろい存在だ。

＃129．夏、本番

はからずも身体の検査で入院などしていたもので、諸事に遠ざかってしまいました。そのひとつが甲子園です。横浜が初戦敗退で、その勝者の大阪桐蔭が早実に負けてしまい、強豪同士が潰しあっているようでした。ですから久しぶりにテレビを見てみると、こういっては失礼か、意外なところが残っています。

中でも福知山成美なんか好感がもてるチームです。高校野球の典型から遠い感じがするのです。なぜかと思ってみていたら、エースピッチャーの髪の長さがいいんですね。中途半端な長さで、なんとなく定時制の高校野球を感じます。こういう雰囲気がなぜか好きで堪らないのです。がんばれ、福知山成美！

さて、北海道の方では札幌に舞台が移り、Ｇ?の札幌記念です。夏のＧ?とあって２０頭も登録をしてきましたが、なかなかのツブ揃いです。さて、夏で調子の狂い気味のデータ・ベースは何と言っていますか。

　◎　マチカネキララ　　　６５．１→最近の実績、勝っぷり、末脚
　○　グレイトジャーニー　６２．５→タイム
　▲　エリモハリアー　　　６０．５→最近の実績
　△　アドマイヤムーン　　５９．５→最近の実績、決め脚

古馬に挑戦の３歳の雄アドマイヤムーンの走りっぷりが、秋を占う最大の関心事だろう。勝負では、アドマイヤムーンに加え、今度こそのマチカネキララ、北海道で２連勝のエリモハリアー、渋太いグレイトジャーニーという争いになると思われるが、極めて難解、力量拮抗全くの混戦だ。

展開も逃げ馬や強力な先行馬が見当たらず、これもはっきりしない。強いて言えば、ブルートルネードが逃げそうだ。続いてシルクフェイマス、スプリングシオン、セフティエンペラー、モノポール、が一団で、マヤノライジン、マイソールサウンドまでが先行集団だろう。
中段は混み合う形で、シェイクマイハート、グレイトジャーニー、ブリットレーン、エリモハリアー、レクレドール、アルスブランカ、が一団で真ん中を占め、その後に、コンドルクエスト、マチカネゲンジ、たがのデンジャラスが固まって続く、そして最後方は、マチカネキララ、アドマイヤムーン、ファストタテヤマ、タイガーカフェが控える展開が予想される。

速いペースにはなりにくいので、後方の有力馬がどの時点でどう仕掛けるか、これがこのレースの最大の見どころになる。眼を凝らしてしっかり見ておこう。

＃127．去年の夏オンナは大成長

暦では立秋になりましたが、夏競馬は折り返しです。北海道の競馬は函館が終って、札幌に舞台が変わります。その札幌の第一弾はクイーンステークス、牝馬の重賞ですが芝１８００ｍ、いかにも普通のチカラが試されるレースです。去年は１０番人気だったヘヴンリーロマンスが２着に飛び込んで、３連単３３万円のビッグチケットになりました。あの天覧レースのヘヴンリーロマンスですよ。
さて、今年はデータ・ベースも心配なのでしょうか、５頭もあげています。

　◎　マイネサマンサ　　　６２．２→最近の実績、先行力
　○　マドンナブラボー　　６１．４→タイム、勝っぷり
　▲　ヤマニンシュクル　　６０．４→最近の実績、末脚
　△　ブルーメンブラッド　６０．２→勝っぷり
　△　チアフルスマイル　　６０．２→最近の実績、タイム

マイネサマンサ、ヤマニンシュクル、チアフルスマイルの実績組に、３歳のマドンナブラボー、ブルーメンブラッドの挑戦が通じるかというレース。
展開だが、トーセンジョウオーがハナを切る。そのあとにマイネサマンサ、デアリングハート、ロフティーハイムが続き、シェフルール、タッチザピークが並んで、プリモスターのここまでが先行グループを形成するだろう。
中段以降は、ブルーメンブラッド、ディアチャンス、レクレドールのあと、後方に控えるグループの、ヤマニンシュクル、チアフルスマイル、アズマサンダース、ホウザングラマー、コアレスパティオ、マドンナブラボーが塊になる。
マイネサマンサは早めに先頭に立って逃げ込みをはかるが、デアリングハート、ロフティエイムも差を詰めてついてくるだろう。後方の有力馬は意外と仕掛けが難しく、後方同士で牽制することなく自分のペースを守れた馬に勝機がありそうだ。


さて、１０日から１６日まで情報遊戯ブログ『伊達や酔狂です』も、お盆の休みに入ります。早来は、その間を利用して検査入院をして参ります。１７日から再開しますが、またご高覧いただけますよう、お願い致します。

＃124．新潟名物、スピード競馬

やっと梅雨が明けた。新潟の芝も喜んでいるだろう。なにしろ日本一の高速馬場だ、パンパンの良馬場が新潟の持ち味だ。やっと新潟の季節が到来したようだ。
さて、今週は新潟の伝統レースの関屋記念。快速自慢のマイル戦、６５９ｍの日本最長の直線、やっと訪れた良馬場、１分３１秒台のスピード決着もあるかもしれない。先日の新潟のもうひとつの名物レース、アイビスサマーダッシュが雨でひとつ不消化だったので、その分まで胸のすくレースを期待したい。
データ・ベースは４頭に絞ってきた。

　◎　ヤマタケゴールデン　６７．７→最近の実績
　○　テレグノシス　　　　６６．５→タイム、決め脚
　▲　ニューベリー　　　　６４．０→先行力
　△　ワディラム　　　　　６３．７→上がり調子

ひとつ調子の上がらない実力馬に格下だが好調のヤマタケゴールデン、ワディラムが挑むレース。
そこで展開だがローエングリンがハナを切る。そのあとを、ダイワバンディット、ニューベリー、ヤマタケゴールデン、ワディラムが続く。そのあとに緩い集団で、ケイアイガード、カンファーベスト、ロードフラッグ、ダイワレイダースが中段の前の方を占める。中段の後の方は、フジサイレンス、アルビレオ、ペールギュント、ヤマニンアラバスタが小さい集団で進む。そして後方は、マイネルデュプレ、エムエスワールド、テレグノシス、ウインディグニティ、オーゴンサンデー、サイドワインダーが控える形で向う正面、３コーナーと進むだろう。
動き出すのは４コーナーで、末脚自慢のテレグノシス、サイドワインダー、ウインディグニティを除いて仕掛けに入るだろう。直線中ほどでは横一線だが、ここで格下のワディラムが先頭に立てれば、ゴール前の攻防がおもしろくなる。