Archive for 06 December 2006

06 December

#170.イチローとヒデ −振り返れば2006?−

早いもので今年も、もう12月だ。まだ振り返るには早いものもあるが、振り返っても良いものもあるハズだ。野球なんかドラフトも終ったことだし、振り返っても官憲の世話になるわけでもなかろうし、バチも当らないだろう。
そこで早速思い起こすと、野球には3ついい事があった。まず、WBCで日本が世界一になったこと。次は日本ハムが日本一になったこと。最後は、広島の黒田のFA残留だ。

最後の黒田から入ろう。FAの目玉になっていた黒田は巨人や阪神から狙われていたが、その金額も半端ではなかったハズだ。それを振り切って、セ・リーグとはいえ超ローカル球団広島に残るとは嬉しかった。トレードやFAでの戦力流動性の向上はいつも願っていたが、今回の黒田の件は別、全てを超越した感があった。だからと言って、選手の海外流出を大した根拠もなく嫌う勢力と一緒にされては困る。

日本ハムの日本一には正直ビックリした。本当に信じられないことだ。9月に入っての好調ぶりは大変なものだったが、そのまま勝率1位まで伸し上がるとは考えられなかった。最終戦は勝てばリーグ勝率1位のかかった試合で、3位が決定していたソフトバンクが相手だったが、勢いの違いより力の違いを見せつけた試合だった。リリーフに出たダルビッシュは6回7回の2イニングの登板だったが、その唸るような速球にソフトバンクは手も足も出ない状態だった。結局、このときの力の差がプレイオフにもつながり、点数以上の差にもなって、ソフトバンクはあえなく敗退させられてしまった。そのあとの日本ハムは、ダメ元という雰囲気で、悲壮感漂う中日を尻目に気楽に勝ってしまったようだ。
去年のロッテ以上に新しいフランチャイズの姿を見せてくれた日本ハム、野球が変わって欲しいという方向を見せてくれたのが何よりも嬉しい。

WBCの優勝は野球に元気を与えた。開幕前だったので余計素晴らしく感じた。ここでは、あのイチローを再認識した。松井や井口の往生際が悪いというか、釈然としない不参加表明で気分は良くなかったが、イチローが救ってくれた。それに野球の神様が応えるかのように勝たしてくれたように見えた。
普段、孤高のイメージが抜けないイチローだが、自ら高みから降り、今までと違うイチローでチームを牽引していた姿は眼を見張るものがあった。それに引き換えヒデ、松井秀喜ではないサッカーのヒデだが、その振る舞いは人品の浅さを感じざるをえなかった。優勝と一次リーグ敗退という結果の差もあるが、こうも差があるとは思わなかった。
その後、ヒデはハノイに安倍首相を訪ねたり、話題になろうと必死なのは何とも哀れにしか見えない。一方、イチローの優勝後のシーズンは決して楽ではなかったが、200本安打を今年も達成したのは偉いとしか言いようがない。


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