Archive for March 2007
06 March
#213.一姫ニ虎三ダンプ
その昔、「一姫ニ虎三ダンプ」という言葉があった。今から50年ほど前だが、東京の交通事情を物語る言葉で、交通事故の原因が、女性ドライバー、酔っ払い運転、ダンプカーということだったようだ。このころから、東京の街は急に自動車が増え交通事故が急増したのだ。あまりの交通事故死の多さに、交通戦争という言葉まで飛び交い、選挙では交通戦争解消を公約に掲げる候補者も現われた。折しも、高度成長期の入口の時期でもあり、お金回りも良くなったのかタクシーの利用も増えたようだ。ライセンス生産されたルノーのタクシーが勢い良く走り回ったので「神風タクシー」と呼ばれた。また、それまでの大通りは見通しが良かったものだが、そのころからは自動車で溢れ、渋滞という考えても見なかった現象が起きた。道が動けない自動車で塞がれ、どの自動車も進めなくなるということである。一方、女性もこのころから自動車を運転するようになって、渋滞の道路では邪魔な存在や事故の原因にされたようだ。
これと並んで、地下鉄やビルの建設もあちこちで着手され、資材や残土を運ぶダンプカーが闊歩した。それも猛スピードの上、とんでもない積載オーバーで走るので危険この上なかった。という訳で、一姫ニ虎三ダンプとなった訳だ。
これらは懐かしさからの笑い話になって、歴史的事実になってしまいそうだ。だが、「ニ虎」の酔っ払い運転は今も健在である。一姫と三ダンプの時代背景はわかるが、二虎はこの時代の得意現象ではない。恐らくその前からも存在していていたのだろう。もっと早めに手を打っておけば、現在の不幸な状況も少しは変ったかもしれない。
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