Archive for April 2007

23 April

#240.竹、竹、竹が生え

土曜日は、仕事仲間のお知りあいのお宅へお邪魔して、竹の子掘りに出かけた。敷地内に竹林があるTさんのお宅は半端でない豪邸で、久しぶりに小気味良いものを堪能させていただいた。それにしても10人の大メンバーでお邪魔したが、大歓待をしていただき、このブログを借りてお礼とさせていただきます。

さて、その竹の子堀だが60年も生きてきて全くの初めての体験だったが、Tさんの実技指導よろしくどうにか掘りことができ、収穫の歓びも味わうことができた。ところが後で写真をみたら、どうしようまないへっぴり腰で、惨めそのものだった。生まれてこの方、農林水産業的な行為はからっきしダメで、釣へ連れて行ってもらっても、モチクサ摘みや山菜採りなど、何をしても見事なぐらい適性がないのだ。だがこの写真、よくよく見つづけていると、自分でも不思議なくらい微笑ましく感じられるのだ。いつもの第一次産業への参加は、及び腰で、積極性など微塵もなかったが、今回はなぜか期するものがあったらしく、何かが少しだけ違っていたようだ。何がそうさせたか不明だが、日ごろ耳にしている「工業的製品から農業的製品へ」というようなトレンド情報が身体のどこかに沈着していて、そのささやかな職業意識がアグレッシブな気持ちに駆り立てたのかもしれない。

竹林の中で上を見上げれば、真っ直ぐに伸びた竹の先に空あり、そこからまた竹を辿って視線を下げてくると、竹に囲まれた特で別世界にいるようだ。また、竹林の風が爽やかで、独特香りと風合いをもっている。かぐや姫の故郷であることも納得できる気持ちになれるし、古昔の中国の文人たちが竹林で清談を交した気持ちもこの歳になってわかったような気がした。

生産性の低い私は別として、皆さんの活躍で見事な収穫が得られた。たくさんの竹の子の山を見ると、豊饒なんという言葉が浮かんできて、とても満たされた幸せな気持ちになれた。そう、自分でも収穫の最初のひとつは、獲れたという何とも言えない満足感が湧いてきたのだ。その後、昼間っからTさんのお宅で酒盛りになったが、さぞかし奥様のご苦労は大変なものだったろう。さらに、私どもの重鎮メンバーのひとりから蕎麦の手打ちをご披露いただき、打ち立てのお蕎麦まで賞味いただけた。何という贅沢、バチが当りそうだが、清談なるものも実はこんなものだったのかもしれない。


竹林の風は心を洗われるものがある。たまに、心が笑われる人もいるようだ。



この筋金入りのペッピリ腰、早来新市60年にして初めての竹の子掘り。それに引き換え、この見事な躍動感。「プロの一鍬」というコピーがつきそうだ。この御方は、釣の達人にしてバラの名人。私などは身分が違い、本来ならお傍には寄れないのだ。



自分がどれほどの力を出したか知れたものだが、収穫の山を見るとスッゴク嬉しい。


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