Archive for May 2007

26 May

#245.再出発不可のダービー

パソコンもどうにか使える状態になり、ブログもダービーからの再開です。
ダービーに出走する馬たちは、再出発や再チャレンジなど一切できない、3歳のこの時期ただ1回だけの挑戦というシステムの中での舞台を迎えています。ここに出てくるだけでも、それは大変な名誉で、当の馬たちは感じていないかもしれませんが、馬主や関係者は大満足でしょう。

ダービーへの道のりは生まれる前からのものですが、直近の状況からは大まかに2つの経路があります。ひとつは王道の皐月賞からのコースで、さすがにここから多くの優勝馬が輩出されています。もうひとつは、青葉賞などのステップレースからのもので、クラシックに乗り遅れどうにか間に合ったという感じで、遅れてきた刺客などというタイトルがつきそうな馬たちです。最近の10年間では、王道から7回、裏街道が3回となっていますが、裏街道のうち2回がNHKマイルカップで、残りの1回は京都新聞杯となっています。ただ、裏街道組はすべて1着だったことを考えると、相当ずば抜けたところが必要なのかもしれません。
そんなことを考えていると、10年前のサニーブライアン、なんとなくヴィクトリーと重なるようですが、ケレン味なく一目散に逃げれば再現もあるかもしれません。

そんな中ですが、データベースは気負いも緊張もなく、淡々とデータを吐き出してきました。

              Wsc  RRsc RTsc  DfWL Asc  Hsc  L3Tsc
◎ ウオッカ        66.7 71.8 62.2  2.1  0.4  1.3  30.3
○ トーセンマーチ     65.5 75.9 58.4  0.0  3.2  2.7  56.3
▲ ヴィクトリー      58.2 69.2 46.8  0.4  1.3  0.3  37.9
△ ヒラボクロイヤル    58.0 64.8 45.6  0.8 −1.2  4.1  49.9
△ アドマイヤオーラ    57.8 73.5 52.5 −0.5 −0.3  4.1  40.2
△ フサイチホウオー    56.6 69.6 47.2  0.2 −1.1  3.9  41.3
  フィニステール     54.8 64.7 42.2 −0.3  0.8  1.6  50.4
  ローレルゲレイロ    54.4 69.6 59.1 −1.1  0.5  1.4  25.0
  ゴールデンダリア    54.4 58.4 48.2  2.0 −0.7  2.7  41.6
  サンツェッペリン    51.9 65.6 44.7 −1.7  0.9  1.9  34.7
  ドリームジャーニー   46.8 62.6 51.5 −1.8 −0.7  3.8  37.1
  タスカータソルテ    43.5 58.5 48.9 −3.0 −1.0  2.1  39.5
  ナムラマース      43.4 56.6 44.9 −1.8 −0.2  2.6  36.7
  フライングアップル   42.4 57.3 45.3 −2.7  0.2  1.5  32.8
  アサクサキングス    41.1 54.5 49.5 −3.0  0.9 −0.1  33.3
  プラテアード      38.3 39.6 45.0 −0.1  0.5 −0.4  29.0
  マイネルフォーグ    38.1 55.1 53.7 −4.1  0.2 −0.5  21.4
  ゴールドアグリ     28.3 43.7 46.9 −5.6 −0.1  0.6  24.5

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc  :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
   ・L3Tsc:末脚?→上り3ハロンタイムのスコア


なんと、◎ウオッカとは恐れ入りました。そればかりか、○トーセンマーチというのも脱帽です。まっ、そのあとの4頭は真っ当なアルゴリズムの処理結果と考えられます。ここでは、ヴィクトリー、ヒラボクロイヤル、アドマイヤオーラ、フサイチホウオー、が中心的存在で、最初の2頭はおもしろい脇役というのが大方の見方かと思われます。そして、それ以下は大きく差があると見て十分かと考えます。

展開がきわめて難しいレースです。Ascのスコアからはトーセンマーチとなりますが、多頭数での先行実績によるもので、逃げの経験はありません。そこで、ヴィクトリー、サンツェッペリン、アサクサキングス、フィニステール、などが逃げの候補に上がりそうですが、新馬戦や未勝利戦以外で逃げて勝った実績のある馬は、きさらぎ賞のアサクサキングス、京成杯のサンツェッペリン、4月29日の500万下でのプラテアードの3頭で、逃げ馬はこの中から出そうな気がします。ヴィクトリーが逡巡などしていれば、サンツェッペリンが好枠を生かして逃げることになるでしょう。
サンツェッペリン先頭のあとは、トーセンマーチ、ヴィクトリー、アサクサキングス、フィニステール、が続いて先行集団を形成することになりそうです。
中段は、前方に、ローレルゲレイロ、プラテアード、ウオッカの3頭、中ごろに、フライングアップル、マイネルフォーグ、そして後ろの方が、フサイチホウオー、ゴールドアグリ、ナムラマース、アドマイヤオーラ、が追走する形になるでしょう。
後方は、ゴールデンダリア、ドリームジャーニー、タスカータソルテ、ヒラボクロイヤル、の順で後方に控え、虎視眈々ということが想定されます。
全体の形は、大きなタテ長という展開にはなりにくいものと思われ、チビチビとしたレースが考えられそうです。

動きは、ケヤキのあたりから蠢動が始まるでしょう。先行している、トーセンマーチ、ヴィクトリー、フェニステール、などは先頭に立てる位置に出てくるしょうし、後方でも末脚に負い目のあるゴールデンダリアなどは早めに好位につくと思われます。4角を回れば、フサイチ、アドマイヤ、ヒラボク、も位置取りのために動かざるをえないでしょうから、集団はさらにかたまることになると思われます。
この中で、自分のレースができそうなのがウオッカで、インの経済コースをぴったり回って、様子を見ながら位置取りを決め、有力馬の仕掛けのスキを突くことも可能でしょう。マイル以上の経験のない牝馬がどこまで頑張るか、楽しみをこの一点に絞った方が今年の正しいダービー観戦になると思われます。


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