Archive for 08 March 2008

08 March

#363.深川七福神? −大黒天さま−

七福神の中でも恵比寿・大黒は昔からリーダー格のようだが、そのひとりの大黒天を祀っているのがこの円珠院だ。円珠院のある平野、三好の界隈はお寺の多いところで、この小さなお寺の円珠院は見落としてしまいそうだ。日蓮宗のお寺で、創立は江戸の中期になる。大黒天は創立のころから祀られていたと伝えられていて、江戸時代から深川の大黒天として有名だったそうだ。

その大黒さまは、「大きな袋を肩にかけ〜」と童謡でもお馴染みの背中の大きな袋が有名だが、これは因幡の白ウサギのときの出で立ちだ。大黒さまには兄弟が80人いて、末っ子だった大黒さまは兄弟全員の荷物を持たされていたのがこの袋という訳だ。大きな袋には大した意味はなさそうだが、俵を踏まえて打ち出の小槌を持つ姿は豊穣を表し、大黒天は食物と財福を司る有福蓄財の神だ。
ついでだが、恵比寿さまが愛敬富財、弁天さまは芸道富有と、人気のある神さまはそろって実利の神さまだ。

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目立たぬところにある円珠院。江戸時代から深川の大黒さまと言われたそうだ。

さて、この円珠院の様相はなんとも滑稽である。店舗兼住宅というのはよく耳にするが、さしずめ寺院兼住宅という言葉がぴったりの建物だ。しかも住居の方に機能性が配慮されているような、寺院とは表向きの顔だけにしか見えない。機能性が寺院として方にも配慮されているとしたら、かなりのオートマチックが取り入れられていると考えたくなる。読経はCDプレーヤーから定時に流れ、お線香の香炉はなくフレグランスが自動噴霧される、お賽銭はカードも可というようなことを妄想させる造りである。

大好きなテレビ番組の『タモリ倶楽部』でよくこのようなお寺で使うハイテク機器を取り上げることがある。ホストのタモリが「仏教の自動化って大好きだな」と言っていたが、誰が見ても本当に面白いモノが多い。自動鐘撞き機などは、音を別な方法で流してしまえば簡単だが、手動で撞けるようにしておくため、撞木を動かすことだけをわざわざ自動化しているのである。以下、自動木魚叩き機、自動墨摺り機など、見れば笑ってしまうようなモノを取り扱う専門業者には立派なカタログまである。
こんなことを妄想させ彷彿させるチカラのあるファサードの円珠院である。


22:46:45 | datesui | No comments |