Archive for May 2008

29 May

#406.さあ、ダービーだ

迎えて75回目のダービーだ。第1回は、昭和7年というから1932年になるが、目黒競馬場で開催され、雨の中ワカタカが優勝したそうである。2分45秒もかかった走破タイムだが、初めてのことだ、よく完走したというべきか。
今年も18頭が揃った。皐月賞馬のキャプテントゥーレの離脱が残念だが、メンバーとしてはベストメンバーで最強者決定戦になるだろう。検討でじっくり楽しんで、レース鑑賞でしっかり楽しんで、当り馬券でさらに楽しめるわけで、3回も楽しみがあることなど滅多にお目に掛かれるものではない。

【 Wscランキング:ダービー 】
◆Wsc: 67.3 アドマイヤコマンド  R= 54、 RR= 75、 RT= 61、 D= 0.9、 A= 0.8、 H= 1.2
◆Wsc: 64.9 ディープスカイ    R= 35、 RR= 74、 RT= 61、 D= 2.0、 A= -0.7、 H= 3.7
◆Wsc: 63.5 サクセスブロッケン   R= 26、 RR= 58、 RT= 61、 D= 4.4、 A= 1.2、 H= 0.5
◆Wsc: 58.2 クリスタルウイング  R= 50、 RR= 64、 RT= 48、 D= 0.6、 A= 1.5、 H= 0.9
◆Wsc: 56.9 マイネルチャールズ  R= 48、 RR= 74、 RT= 38、 D= 0.3、 A= 0.4、 H= 1.7
◆Wsc: 55.4 タケミカヅチ     R= 36、 RR= 74、 RT= 43、 D= -0.6、 A= -0.1、 H= 2.0
◆Wsc: 55.3 ブラックシェル    R= 37、 RR= 72、 RT= 46、 D= -0.6、 A= -0.7、 H= 2.9
以上が、Wsc55以上の推奨馬。
◇Wsc: 54.3 モンテクリスエス   R= 53、 RR= 59、 RT= 53、 D= -1.8、 A= -0.2、 H= 2.0
◇Wsc: 51.1 レインボーペガサス  R= 35、 RR= 65、 RT= 39、 D= -1.1、 A= -0.2、 H= 3.1
◇Wsc: 47.9 メイショウクオリア  R= 43、 RR= 55、 RT= 36、 D= -0.4、 A= 1.3、 H= 1.9
◇Wsc: 46.6 スマイルジャック   R= 32、 RR= 60、 RT= 38、 D= -1.6、 A= 1.0、 H= 1.2
◇Wsc: 46.4 エーシンフォワード  R= 23、 RR= 61、 RT= 53、 D= -2.5、 A= 0.2、 H= 1.4
◇Wsc: 43.1 アグネススターチ   R= 27、 RR= 48、 RT= 43、 D= -1.6、 A= 1.8、 H= 0.1
◇Wsc: 43.0 ショウナンアルパ   R= 32、 RR= 57、 RT= 39、 D= -2.9、 A= 1.4、 H= -0.6
◇Wsc: 40.0 レッツゴーキリシマ  R= 26、 RR= 52、 RT= 42、 D= -4.1、 A= 0.8、 H= 0.2
◇Wsc: 38.5 ベンチャーナイン   R= 30、 RR= 46、 RT= 37、 D= -3.1、 A= -0.8、 H= 3.4
◇Wsc: 37.3 フローテーション   R= 32、 RR= 49、 RT= 37、 D= -3.8、 A= -0.4、 H= 0.4
◇Wsc: 30.4 サブジェクト     R= 27、 RR= 36、 RT= 42、 D= -5.6、 A= 0.4、 H= -0.7

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを


【 展望 】
例年皐月賞組が強いのだが、その訳は厳しいG?レースを踏んできた馬とレベルの低いトライアルしか走っていない馬の差になるということらしい。そこで、今年の皐月賞がその基準に該当するかという評価をしてみると、どうも今年はまともな皐月賞とは言い難いのだ。上位入着馬のそれ以前の実績や安定性を見越した人気などを考えると「あの時はあの結果」と思わざるをえないのだ。その証拠は、安定した成績でG?に臨み好成績をあげた馬は、必ずWscに反映されてくるのが常だからである。

そこで、今年は別路線組から候補馬を推奨してみたい。青葉賞、NHKマイルCからアドマイヤコマンド、ディープスカイの2頭は当然で、クリスタルウイングまで候補にあげておきたい。さらに、今年はダート路線からも引き上げてみたい。サクセスブロッケンだが、デビューから無傷の4連勝。すべてダートだが、馬場が渋りそうなこともあり、芝ならではの要因が薄くなり、チャンスはある。皐月賞組はそのあとの評価で、相手探し程度の扱いで仕方ないだろう。


【 展開 】
強力な逃げや先行の馬が不在で、不安定なレース展開になりそうだ。
その中でスコア、実績、枠順から、アグネススターチが逃げそうだ。このあとに続く集団が異常に大きく、適当に前のポジションを取る馬が殺到する。メイショウクオリア、サクセスブロッケン、クリスタルウイング、ショウナンアルパ、スマイルジャック、アドマイヤコマンド、レッツゴーキリシマ、と7頭が先行集団としてひしめくことになる。
中段は、前の方にサブジェクト、マイネルチャールズ、エーシンフォワードの3頭で、チョイ後ろがタケミカヅチ、モンテクリスエス、レインボーペガサス、フローテーションの4頭になる。
後方に控えるのが、ディープスカイ、ブラックシェル、ベンチャーナインの3頭だ。

明快な逃げ馬のいないときはスローペースになるのが相場だが、大きな先行集団が黙っていないようだ。集団の大きさから、有利な位置取りでざわめくだけではなく、細かい出入りやゆさぶりもあるだろう。少し少しの軋轢が徐々にペースを押し上げることを想定しておきたい。つまり、傍から見ればスローだが、いつの間にかスローペースではなくなるのだ。サバイバル的な展開になることは必至で、メイショウサムソン的な馬向きのレースになりそうだ。


18:01:53 | datesui | No comments |

23 May

#403.樫も桜つながり

オークスは数えて69回になる。2400mという牝馬にとっては長いレースだが、よく短縮もされず生き延びてきたものだと感心したい。今年も健気に18頭が揃った。本番当日は雨模様かも知れないが、全馬無事に走り終えて、行く行くは日本の次世代を支える肌馬になって欲しいと願うばかりである。

【 Wscランキング:オークス 】
◆Wsc: 69.0 レッドアゲート    R= 42、 RR= 73、 RT= 45、 D= 1.2、 A= .4、 H= 2.8
◆Wsc: 63.4 ソーマジック     R= 27、 RR= 64、 RT= 50、 D= 1、 A= -.1、 H= 2.1
◆Wsc: 61.8 レジネッタ      R= 27、 RR= 72、 RT= 47、 D= -.7、 A= .1、 H= 1.2
◆Wsc: 59.5 トールポピー     R= 29、 RR= 62、 RT= 52、 D= -1.2、 A= -.2、 H= 2
◆Wsc: 58.0 リトルアマポーラ   R= 31、 RR= 65、 RT= 42、 D= -1、 A= -.1、 H= 3
◆Wsc: 55.4 ブラックエンブレム  R= 26、 RR= 53、 RT= 45、 D= .4、 A= .8、 H= 1.1
以上がWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 52.9 マイネレーツェル   R= 20、 RR= 64、 RT= 46、 D= -2、 A= -.3、 H= 1.3
◇Wsc: 51.8 エアパスカル     R= 24、 RR= 57、 RT= 45、 D= -1.5、 A= .9、 H= .1
◇Wsc: 51.0 オディール      R= 25、 RR= 55、 RT= 50、 D= -2.9、 A= .3、 H= 1.7
◇Wsc: 49.6 エフティマイア    R= 21、 RR= 59、 RT= 45、 D= -2.7、 A= .1、 H= -.5
◇Wsc: 48.8 ムードインディゴ   R= 33、 RR= 59、 RT= 37、 D= -2.4、 A= -.1、 H= 2.9
◇Wsc: 48.0 カレイジャスミン   R= 28、 RR= 56、 RT= 41、 D= -2.9、 A= 1.1、 H= -.7
◇Wsc: 42.7 スペルバインド    R= 26、 RR= 52、 RT= 38、 D= -3.2、 A= .1、 H= -.3
◇Wsc: 41.9 シャランジュ     R= 22、 RR= 43、 RT= 45、 D= -3.8、 A= -.4、 H= 2
◇Wsc: 41.5 アロマキャンドル   R= 22、 RR= 45、 RT= 40、 D= -3.1、 A= .2、 H= 1.1
◇Wsc: 38.6 ライムキャンディ   R= 21、 RR= 46、 RT= 40、 D= -3.7、 A= .6、 H= -.9
◇Wsc: 36.9 ハートオブクィーン  R= 17、 RR= 45、 RT= 44、 D= -4.5、 A= .7、 H= -.7
◇Wsc: 29.3 ジョイフルスマイル  R= 18、 RR= 38、 RT= 35、 D= -5.2、 A= -.2、 H= 1.2

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
例年桜花賞組が優勢だが、今年は桜花賞のレースがそれまでの実績や人気を反映したものではなかったので今年こそは桜花賞路線以外の馬の台頭を期待していた。検討データを見て、チョイト当てが外れてしまった。Wsc69.0というダントツのレッドアゲートこそトップだが、2位以下はズラッと桜花賞組が並んでしまった。やはりオークスは距離が大きく違えども桜花賞というか、クラシックつながりは無視できないのだ。

そこで、今回はレッドアゲートがスコアの高さから中心であることには違いないが、相手選びでは桜花賞組のソーマジック、レジネッタ、トールポピー、リトルアマポーラ、ブラックエンブレムの5頭となり、実にデータそのままの判断となる。しかもこの5頭はスコアの間隔も広いので各馬の差も大きいことがわかる。つまり、上位になるほど確度が高いということが歴然というデータになっている。


【 展開 】
ハッキリとした逃げ馬がいないのと逃げて好成績の馬も少ないので、フルーラSを逃げて好走したカレイジャスミンの逃げの再現とみた。以下、先行集団には、エアパスカル、ブラックエンブレム、ハートオブクィーン、ライムキャンディが続きくが、外枠のエアパスカルは無理してまでの先行策はとるまい。
中段には、レッドアゲート、オディール、アロマキャンドル、エフティマイア、スペルバインド、レジネッタがつけ、ゆっくりと進む。
後方は、ムードインディゴ、ソーマジック、リトルアマポーラ、トールポピー、ジョイフルスマイル、マイネレーツェル、シャランジュ、が控える。

ペースはスローになることは必至で、4コーナーの手前では先行集団めがけて大きな塊になることが考えられる。そこで、先行集団の中から1頭でも引き離しにかかる馬が出るとレースはおもしろくなるが、実際オークスでは追い込みの馬が強く、スローペースであっても後方の馬が優位で、今回もソーマジック、リトルアマポーラは目が離せまい。また、先行集団の近くにいるレッドアゲートは早く先頭立たないことが勝つ要因になるだろう。


01:55:37 | datesui | No comments |

16 May

#400.追い出しのタイミングを味わう

クラシック以外の牝馬のG?は2つあり、共に英国の女王の名前を戴いている。春のヴィクトリアマイルと秋のエリザベス女王杯だ。今週はヴィクトリアマイルが示す通り、芝1600mの戦いになる。歴史は浅く、今回が3回目だ。第1回は2番人気のダンスインザムード、第2回は12番人気のコイウタが優勝しているが傾向などがつかめるほどのことではない。現在のデータをしっかり見つめてみよう。

【 Wscランキング:ヴィクトリアマイル 】
◆Wsc: 63.4 ブルーメンブラット R= 58、 RR= 71、 RT= 53、 D= -1.4、 A= .2、 H= 3.2
◆Wsc: 63.1 ニシノマナムスメ  R= 54、 RR= 71、 RT= 55、 D= -.8、 A= -.3、 H= 3.6
◆Wsc: 62.6 エイジアンウインズ R= 40、 RR= 67、 RT= 58、 D= .7、 A= 1.4、 H= 1
◆Wsc: 60.3 ジョリーダンス   R= 57、 RR= 63、 RT= 60、 D= -2.5、 A= -.1、 H= 3.7
◆Wsc: 59.7 ヤマニンメルベイユ R= 46、 RR= 67、 RT= 49、 D= -.2、 A= 2.7、 H= -1.1
◆Wsc: 59.2 ベッラレイア    R= 46、 RR= 67、 RT= 50、 D= -.9、 A= -.4、 H= 3.7
◆Wsc: 58.2 マイネカンナ    R= 48、 RR= 65、 RT= 48、 D= -1、 A= -.4、 H= 4.5
以上がWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 54.2 ウオッカ      R= 51、 RR= 57、 RT= 52、 D= -3.1、 A= .1、 H= 1.9
◇Wsc: 51.6 ローブデコルテ   R= 52、 RR= 62、 RT= 52、 D= -4.8、 A= .1、 H= .7
◇Wsc: 46.9 パーフェクトジョイ R= 43、 RR= 57、 RT= 50、 D= -5、 A= -.6、 H= 2.7
◇Wsc: 45.2 タニノハイクレア  R= 30、 RR= 50、 RT= 55、 D= -3.2、 A= .6、 H= -.5
◇Wsc: 43.8 タイキマドレーヌ  R= 38、 RR= 46、 RT= 45、 D= -4.3、 A= .3、 H= 1.7
◇Wsc: 43.0 トウカイオスカー  R= 38、 RR= 45、 RT= 47、 D= -4、 A= -.3、 H= 1.9
◇Wsc: 41.0 ベルモントプロテア R= 29、 RR= 43、 RT= 54、 D= -4.3、 A= .8、 H= -1.3
◇Wsc: 38.9 ピンクカメオ    R= 44、 RR= 31、 RT= 55、 D= -5.9、 A= -.1、 H= .8
◇Wsc: 38.6 レインダンス    R= 44、 RR= 35、 RT= 40、 D= -5.2、 A= .6、 H= .7
◇Wsc: 38.0 アルコセニョーラ  R= 35、 RR= 35、 RT= 46、 D= -4.9、 A= -.7、 H= 1.9
◇Wsc: 32.1 テンイムホウ    R= 30、 RR= 32、 RT= 47、 D= -6.3、 A= -.6、 H= .6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
最強馬ダイワスカーレットが怪我で回避となって、勝つチャンスの出た馬が大集合した。その筆頭がウオッカだが、海外の戦績が入っていないのでスコアは低めに出ているようだ。ここは別扱いが必要だろう。
Wsc55以上の推奨馬が7頭も出て混戦だが、Wscの水準は極めて高い。首位のブルーメンブラッドから7位のマイネカンナの差が5.2、この狭い中に7頭の有力馬が犇めいていることになる。どれが勝ってもおかしくはない。

そこで、安定性のある上昇力を魅力と見て、エイジアンウインズを特別に評価したい。ここ5戦すべて連対を果たし、勝ちっぷりの評価もただ1頭プラスになっている。あとはWscの高い順に評価することと、ウオッカの取捨だろう。今回はお休みという判断をしたい。


【 展開 】
逃げるのは、ヤマニンメルベイユかエイジアンウインズだろう。枠順からエイジアンウインズが考えられるが、ここは実績からヤマニンメルベイユがハナを切り、エイジアンウインズが2番手だ。
先行は、ベルモントプロテア、タニノハイクレア、レインダンス、という運びになる。
中段は、タイキマドレーヌ、ブルーメンブラット、ウオッカ、ローブデコルテ、ジョリーダンス、ピンクカメオが比較的前の方で、中段の後の方に、ニシノマナムスメ、トウカイオスカー、ベッラレイア、マイネカンナがつける位置取りになるだろう。
最後方からは、パーフェクトジョイ、テンイムホウ、アルコセニョーラが進むことになる。

好位置を進むウオッカの動向でレースが決まるだろう。末脚自慢のブルーメンブラッドは人気を背負っているが、ウオッカを見据えてどこまで我慢できるかが見どころでもあるはずだ。前を進むエイジアンウインズの粘りや後方から追い込んでくるニシノマナムスメも気になるが、この2頭の仕掛けのタイミングを楽しんでみたい。


23:02:00 | datesui | No comments |

09 May

#396.自分のレース

外国産馬が出られない、長距離が苦手の馬には可哀そう。というのがクラシックへの長年の懸案だった。本馬の英国ダービーでは外国産馬はおろか外国調教馬まで出走可能だ。さらにクラシックの三冠レースの距離は、2000ギニーが1600m、ダービーが2400m、セントレジャーが2840mという組合せになっていて広い範囲を網羅している。

この懸案に対して、従来の既得権を守りながら一定の解決をするために捻り出されたのが、NHKマイルカップといってよい。確かに1600mのレースで外国産馬が出走できるのだ。結果は一目瞭然、第1回のタイキフォーチュンから第6回のクロフネまで外国産馬の優勝が続き、内国産馬が優勝したのは第7回のテレグノシスまで待たなくてはならなかった。

ところが競馬の国別格付けがあって、日本も最高格付けに入るべく努力をした結果、クラシックなどにも一定の出走枠を設けたことにより、NHKイコール外国産馬という図式は若干薄れてきた。最近は、短距離路線のねらい、皐月賞の落ちこぼれなど、必ずしも外国産馬ということではなくなってきた。

【 Wscランキング:NHKマイルカップ 】
◆Wsc: 68.7 ディープスカイ     R= 59、 RR= 68、 RT= 57、 D= 1.4、 A= -1.7、 H= 8.3
◆Wsc: 61.7 リーガルスキーム   R= 25、 RR= 44、 RT= 61、 D= 6.9、 A= 2.4、 H= 1.8
◆Wsc: 59.9 ファリダット     R= 39、 RR= 60、 RT= 54、 D= 2.2、 A= -1、 H= 2
◆Wsc: 59.9 サトノプログレス   R= 58、 RR= 60、 RT= 50、 D= .8、 A= .3、 H= 7.8
◆Wsc: 55.3 セッカチセージ     R= 39、 RR= 52、 RT= 56、 D= 1.3、 A= 0、 H= .1
◆Wsc: 55.2 アンダーカウンター  R= 38、 RR= 53、 RT= 58、 D= 1.2、 A= -.1、 H= 2.8
以上がWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 54.3 スプリングソング   R= 41、 RR= 53、 RT= 54、 D= .9、 A= -.7、 H= 3.1
◇Wsc: 53.5 エーシンフォワード   R= 57、 RR= 60、 RT= 51、 D= -1.9、 A= .6、 H= 4.5
◇Wsc: 51.8 ダンツキッスイ    R= 43、 RR= 53、 RT= 51、 D= .2、 A= 3.4、 H= -1.4
◇Wsc: 50.4 ゴスホークケン    R= 54、 RR= 53、 RT= 49、 D= -2.1、 A= 3.2、 H= .4
◇Wsc: 49.2 ダノンゴーゴー    R= 44、 RR= 53、 RT= 49、 D= -.8、 A= -.9、 H= 6.2
◇Wsc: 48.7 ドリームシグナル    R= 54、 RR= 55、 RT= 39、 D= -1.8、 A= -.1、 H= 1.4
◇Wsc: 46.7 エイムアットビップ   R= 51、 RR= 53、 RT= 51、 D= -3.5、 A= 1.4、 H= -.4
◇Wsc: 45  レッツゴーキリシマ   R= 49、 RR= 55、 RT= 38、 D= -2.6、 A= 1.2、 H= .9
◇Wsc: 42.6 ブラックシェル    R= 40、 RR= 59、 RT= 39、 D= -1.5、 A= -.9、 H= 3.7
◇Wsc: 34.3 アポロフェニックス   R= 35、 RR= 44、 RT= 45、 D= -2.9、 A= .4、 H= -.6
◇Wsc: 32.8 サダムイダテン     R= 40、 RR= 49、 RT= 31、 D= -3.1、 A= -1.2、 H= 4.3
◇Wsc: 30.1 アポロドルチェ    R= 45、 RR= 36、 RT= 44、 D= -5、 A= .2、 H= 1.2

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
混迷の様相の上、有力馬の一角アサクサダンディが出走してこないので、更に混沌としてきた。クラシック候補の中核をなす2歳時の有力馬がいずれも成績が上がらず、実績の薄い馬が名乗りを上げてきているからだ。
その筆頭がディープスカイだ。9戦のキャリアだが、未勝利を勝ったのが今年の2戦目だ。だが、その以降の出世が著しく、3戦の間にG?3着を挟んで毎日杯優勝まで登りつめてしまった。リーガルストームは2戦2勝、すべてダートでの勝利だがタイムと勝ちっぷりが良い。秘かに大化けを期待している。ファリダットも長距離路線からの転換だが、急成長ではないが堅実な面はある。サトノプログレスもディプスカイ同様キャリアは豊富の長い下積みからの這い上がり組だが、ここへ来ての急上昇が大きくトライアルのニュージーランドTを手にした。ここまでがWscのスコアは高水準と判断できる。
セッカチセージ、アンダーカウンターも同じようだが、上昇力には今一つと言わざるをえず、着止まりか。
朝日杯組が揃って不振だが、エーシンフォワードが重賞を続けて連対して、堅実にきているのは安心できる唯一の1頭か。また、デビューから3連勝のスプリングソングは、タイムもそこそこ、勝ちっぷりも良く思わぬ伏兵になる素養はある。
その他の2歳時のエスタブリッシュ組は安定性もなく、中心馬とはなりえないだろう。

【 展開 】
先行の実績のある馬が外枠を引き、実績通りにはならないこともあるが、逃げるのは外枠だがダンツキッスイが考えられる。続いて先頭集団を構成するのは、これも外枠だがゴスホークケン、リーガルスキームとなりそうだ。その後につけるのが、エイムアットビップ、レッツゴーキリシマで、ここまでが先行集団を形成する。
中段は、エーシンフォワード、アポロフェニックス、サトノプログレス、アポロドルチェ、セッカチセージ、ドリームシグナル、アンダーカウンターがこの順で並ぶ。
後方は、スプリングソング、ブラックシェル、ダノンゴーゴー、ファリダット、サダムイダテン、ディープスカイが緩やかな塊りをつくって進むだろう。

マークしあうほどの馬がいないので、各ジョッキーも仕掛けが難しいと思われる。自分のレースができた馬が勝ちということになるが、このメンバーでは自分のレース自体をもてない馬ばかりだから混戦になるのだ。

20:42:34 | datesui | No comments |

02 May

#393.真のレースが楽しめそう

春競馬の大一番といえば、ダービーと天皇賞だろう。その天皇賞の発走が迫ってきた。今回は数えて137回だそうだ。調べてはいないのだが、恐らく歴史としては一番続いているレースに違いない。特に春の天皇賞は芝3200mの条件の変更もなく続いているのだが、これも大変意義深いことだ。改革や改善も必要だが、同じことを変えずに続ける不易も一方で持ちあわせていただきたいものだ。競馬を知った凡そ40年以上も前から3200mだったのだが、これは調べてビックリ、ナント戦前の昭和13年、1938年からで、70年も続いていることなのだ。

今年は14頭と少数精鋭の激戦になった。傑出した有力馬がいると回避する馬が出て、少頭数になるが、混戦なのにフルゲートにならないという珍しいレースになりそうだ。ダイワスカーレットの戦線離脱もあるが、どのレースもフルゲートが当たり前のご時世の中、珍現象ともとれる。

【 Wscランキング:天皇賞・春 】
◆Wsc: 60.7 アドマイヤジュピタ   R= 31、 RR= 75、 RT= 47、 D= 0.7、 A= 1.3、 H= 0.4
◆Wsc: 60.3 アドマイヤモナーク  R= 36、 RR= 74、 RT= 43、 D= 0.4、 A= -0.5、 H= 1.6
◆Wsc: 58.6 ドリームパスポート  R= 37、 RR= 68、 RT= 55、 D= -1、 A= 0、 H= 1.4
◆Wsc: 58.1 アイポッパー     R= 53、 RR= 64、 RT= 43、 D= -1.5、 A= 0.3、 H= 1.3
◆Wsc: 57.3 アサクサキングス   R= 24、 RR= 72、 RT= 55、 D= -0.1、 A= 0.9、 H= -0.3
◆Wsc: 57.2 ポップロック     R= 38、 RR= 75、 RT= 45、 D= -1.9、 A= 0.2、 H= 0.8
以上がWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 52.3 メイショウサムソン  R= 38、 RR= 61、 RT= 55、 D= -3.3、 A= 0.3、 H= 0.5
◇Wsc: 51.7 ホクトスルタン    R= 26、 RR= 58、 RT= 52、 D= -0.6、 A= 2、 H= -1.4
◇Wsc: 51.4 トウカイトリック   R= 45、 RR= 59、 RT= 40、 D= -2.8、 A= -0.4、 H= 1.5
◇Wsc: 49.2 アドマイヤフジ    R= 26、 RR= 65、 RT= 39、 D= -1.8、 A= 0.1、 H= -0.2
◇Wsc: 43.2 トウカイエリート   R= 30、 RR= 55、 RT= 39、 D= -3.6、 A= -0.2、 H= 0.6
◇Wsc: 37.8 アドマイヤメイン   R= 22、 RR= 43、 RT= 49、 D= -4.5、 A= 1.5、 H= -2
◇Wsc: 34.1 サンバレンティン   R= 13、 RR= 42、 RT= 56、 D= -5.5、 A= -0.3、 H= 1.1
◇Wsc: 28.2 ドリームパートナー  R= 15、 RR= 27、 RT= 45、 D= -5、 A= -0.5、 H= 0.2

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
実はメイショウサムソンの天皇賞3連覇という未踏破の記録がかかっているのだが、当のサムソンがひとつパッとしない。本当はこの話題でもちきりであって欲しかった。そこで、次の図式として新鋭対古豪という構図を考えてみた。アサクサキングスをシンボルとする天皇賞初挑戦組と、少し心もとないがメイショウサムソンを筆頭とする経験組の戦いと考えてみたい。

初挑戦組は、アドマイヤジュピタ、ドリームパスポート、アサクサキングス、ホクトスルタンというところで、さらなる上昇が期待したくなる馬たちだ。一方、常連組はアドマイヤモナーク、アイポッパー、マイショウサムソン、トウカイトリックということになり、結果が読みやすいという利点はある。ポップロックは初挑戦だが読みやすさという点から常連組に入れておいた方が良さそうだ。

つまり、ケツが割れている連中と、走ってみなきゃわからない輩の争いという天皇賞と思いたい。一方で、古馬のG?は最もデータの生きるレースでもあるので、Wsc上位から推してくのが常道だろう。ところが初挑戦組の走ってみなきゃわからないことを良いことに大抜擢をすれば、個性派の上昇馬ホクトスルタンということも考えてみたくなる。
Wscの上位の何頭までを候補に挙げるかという判断と初挑戦組からの抜擢をどの馬にするかというのが、楽しみ方となるのか。

【 展開 】
逃げるのはホクトスルタン。鞍上も横典で久しぶりに長距離の逃げが堪能できるかもしれない。4年前のイングランディーレやセイウンスカイでの菊花賞のような再現を見せて欲しい。
これに続く先行集団が、アドマイヤメイン、アドマイヤジュピタ、アサクサキングスとなるだろう。
続いて中段だが、メイショウサムソン、アイポッパー、ポップロック、アドマイヤフジ、ドリームパスポートが激しく牽制し合いながら進んでいくだろう。
後方は、トウカイエリート、サンバレンティン、トウカイトリック、ドリームパートナー、アドマイヤモナークは末脚一発というぐあいに、脚を貯めて虎視眈々という引きの戦法だ。

動きの中心はメイショウサムソンになるだろが、このレースはアサクサキングスに注目したい。ホクトスルタンの利用法がおもしろそうだ。早めに交わしてしまうと自分自身が後続の馬の目標になるので、ホクトスルタンの陰に隠れて最後まで待って交わすことができれば勝機は巡ってくるだろう。同じ位置にいるアドマイヤジュピタも同様だ。


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