Archive for May 2008

14 May

#399.サイレントムービー

今日は銀座のシネスイッチにシネマ鑑賞に出掛けました。おばさま方がたくさん集まる映画館ですが、鑑賞したのは『譜めくりの女』というフランス映画で、まずまずの作品でした。音楽映画ですので音楽がとてもきれいで、しかも筋の運びも滑らかで鑑賞しやすい作品でした。

ところが珍しいハプニングが起きました。本編が始まってから音声が出ないのです。凝りに凝った映画で音楽のおもしろさを表現するために、最初は音声を出さないのかと思っていたのですが、実は映画館のミスだったのようです。セリフになっても音声が出ず、日本語の字幕だけ現れたのです。これはどう見ても変です。さすがにお客もザワザワし始め、何人かのお客が知らせに行ったのでしょう。間もなくパッと画面が消えて真っ暗になりました。「巻き戻して再上映します」という後方から肉声の案内があって、また始まりましたが、今度は最初から音声はありました。

以前より、ネットの書き込みでは不評の小屋でしたが、今回も以下のような不手際が目立ち不愉快でした。
?音声のミスに気づくのが遅い。上映の状況を誰も監視していないのか。
?緊急案内のやりかたが実にオソマツ。肉声でも良いが顔も見せない案内は無礼千万。再開までの時間の目途すら案内がない。
?画面が消えてから真っ暗で、再開まで10分くらい電気もつかなかった。
?シラけて、もう観たくない人への返金の案内がなかった。中には時間の都合の悪い客もいたろう。
?再開のときに新規に入ってきた客がいた。

少しシラケましたが、ただ作品はアクシデントに耐えうる素晴らしいデキで、救われました。


21:28:31 | datesui | No comments |

13 May

#398.蜀山人で、スカッと1日

本日は天気も悪く気も晴れないので、スカッとするには、と思って出掛けたのが神宮前の大田記念美術館です。『蜀山人 大田南畝』という展覧会で、サブタイトルが−大江戸マルチ文化人交友録−というものでした。

スナップ写真のような掛け軸に書かれた賛が読めたときはおもしろいのですが、残念ながら読み切れないものがほとんどでした。作品の傍には親切な読みや現代語訳もついているのですが、たくさんあるので対応させながらの鑑賞はかなり疲れました。

サブタイトルにもあるように、さすが蜀山人は交友が見事で、歌舞伎の市川団十郎を始め、同業の北尾政演こと山東京伝に、葛飾北斎、酒井抱一、谷文晁、喜多川歌麿などの絵師仲間、さらには狂歌仲間の宿屋飯盛(やどやのめしもり)、唐衣橘州(からころもきっしゅう)、朱楽菅江(あけらかんこう)、元木網(もとのもくあみ)、智恵内子(ちえのないし)などは、名前を読み上げるだけでおもしろいです。さらにベストセラーとなった狂詩集の序文は平賀源内と、楽しそうな毎日が伺われます。

また、大田南畝は長崎奉行所詰を拝命していて、以前コーヒーの話題で、当時長崎の遊女などしか飲めなかったと思われるコーヒーを「苦くて飲めない」と評していたのですが、長崎にいたのなら頷けることで、安心もできました。

お蔭さまで、スカッとした1日になりました。

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太田記念美術館は原宿のド真中にあるととは思えないほど落ち着いた雰囲気だ。


22:41:09 | datesui | No comments |