Archive for June 2008

10 June

#411.谷中七福神巡り? −福禄寿−

上野から谷中を抜け日暮しの里を通って、いよいよ終点の田端の東覚寺に着く。青雲寺から東覚寺のあたりは、台東区、荒川区、文京区、北区の4つの区が入り組んでいて、住居表示の青い板の変化に驚かされる。今まで台東区だったのが、突然北区に変わったりするのだ。地図で色分けをするとき、四色問題が登場するかもしれないと思うほどである。

さて、東覚寺は白龍山という山号を持ち、本尊は不動明王と入口の石碑に明記してある。また、谷中七福神に名を連ねていることもあり、七福神安置とも併記してある。境内は不動明王も七福神の福禄寿も表立ったメインの構えではなく、まだいろいろある安置物のひとつという扱いだ。何が売れ出すかわからないので、とりあえず何でも併存という趣向のようだ。不動堂の前にある一対の仁王様の石像があるが、赤紙不動と言われ巣鴨のお地蔵さんにある洗い観音のように、体の具合の悪いところに赤紙を貼ると良くなると言われている。あちこちに赤い紙を貼った仁王様が2体、対で立っている様子はとても目立つので、東覚寺の売りは今のところ赤紙仁王のようだ。

「りゅうのすけくん」という芥川の河童を模したキャラクターのエンブレムがなびく田端駅商店街を歩いて田端駅に向かう。この道は別名東覚寺坂とも言われている坂道で、切り通しでつくられた道だ。両側は建物か石垣で視界は前後に開けるだけの道だ。

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東覚寺の境内は広いのだが、何が本尊かもわかりにくい。大日如来像があったり、ナントカ大師の像など、何でも受け入れる仏教の縮図を見ているようだ。東覚寺坂は切り通しのため、思いもよらぬ立体交差に出くわす。


18:21:00 | datesui | No comments |

08 June

#410.谷中七福神巡り? −布袋尊・恵比須神−

天王寺から再び長安寺に戻り、谷中の道を抜けて歩く。古い街並みが良い風情を醸し出しているが、この界隈に小学校へ上がる前の僅かな期間だが住んだことがあるのだ。この狭い道だが、当時の思い出はずっと広い通りだった。日本彫刻界の重鎮朝倉文夫の記念館の前を通ると、少しだが来訪者の姿が見える。
通りを抜けると谷中銀座の入口で、その手前を入って日暮しの里を歩く。日暮しの里は、今では日暮里と呼ばれるが、ニッポリという響きはナポリではないが日本語離れしていておもしろく感じる。日暮里の町起こしをやるとしたら、スパゲッティ・ニッポリタンのコンクールなんかどうだろうか。

日暮しの里の道は、田圃の畦道をそのままアスファルト舗装したような道で、細く曲がっている。道に任せていると、右側に布袋様を祀った修性院(しゅうしょういん)が見えてくる。ピンクの塀には布袋様のイラストが施してある。狭い境内は静かだ。谷中の七福神巡りのお寺はどこも拝観料などは取らない。だから栞などが手元に残らず、お寺のことや祀られている神さまのことなどあまり良くわからない。この修性院は外の塀のイラストなど、少しはやる気をみせているようだが、それでも肝心の布袋様の祠がわからず拝むことはできなかった。

修性院を出て、さらに日暮しの里を進むと電柱に「禅宗青雲寺参道⇒」と書かれた看板が現れた。矢印に従って右へ曲がると、短いながら参道があった。青雲寺の境内はもっと静かで、きれいに掃き清められた庭や小道は気持ちが良かった。こうするだけでもお寺はお寺の価値がありそうだ。「青雲寺のえべっすさん」と呼ばれる恵比須様だが、ここでも祠が見当たらず、しかも修性院とおなじように誰もいないので聞くこともできない。すぐに諦めて寺を次へ進むことにした。

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修性院。イラストつきの塀とは裏腹に、境内は静かだった。青雲寺は禅宗と名乗るほどのこともあり、清楚で静謐という印象だ。

 
朝倉彫塑館は意外にも人の出入りがあった。お寺の方は七福神での商魂は乏しいが、お蕎麦屋は七福神で一儲けを企んでいるようだ。だが、平日ということもあり、繁盛の様子は見られなかった。


18:19:00 | datesui | No comments |

01 June

#407.谷中七福神巡り? −毘沙門天−

長安寺から横道に入り谷中天王寺へ向かう。いわゆる谷中の墓地のど真ん中にある谷中のお寺の中心的な存在だ。バカな男と女が心中したために焼失してしまった五重塔があった由緒あるお寺でもある。昔は感応寺とも呼ばれて幸田露伴の『五重塔』はこのお寺のあの五重塔がモデルなのだ。つくづく惜しいことになってしまった。また、江戸三富の一つとしても有名で、湯島天神、目黒不動でお馴染みの目黒の滝泉寺(りゅうせんじ)とともに宝くじの胴元を張っていた訳だ。

長安寺から谷中の墓地への道を進み、この界隈では珍しい駐在所に突き当る。ここを左に折れ、日暮里駅の方向に進んでいくと毘沙門天様が祀られている谷中天王寺が見えてくる。さすがに境内は広くて、本堂らしき建物、小さいながら大仏のような石仏もある。毘沙門天のお堂は門を入って右手に独立してあるが、これもかなり立派なものだ。やはり平日の昼なので誰もいない。そっとお賽銭をあげて、静かに手を合わせて退散となった。

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門をくぐると伽藍が気持ち良く広がる。この右手前に毘沙門天のお堂がある。境内の隅にある付属のお堂にしては立派だ。

 
谷中の駐在所。有名なお墓の場所を記した谷中墓地の地図がおいてあるそうだが、不在中のため貰えなかった。勝手に持ち帰ると窃盗罪になるのだろうか。墓地の中の広場で笛の練習をしている人がいた。日本の笛は調子によって笛を変えなくてはならないが、正しい音階の維持にはこの方がよろしいようだ。


17:46:51 | datesui | No comments |