Archive for 05 June 2008
05 June
#409.一瞬のゴール前
安田伊左衛門というお方をご存じだろうか。伊右衛門といえばお茶だが、こちらは競馬の話だ。馬券の法制定や日本ダービーの創設などに尽力され、今日の競馬をつくった功労者だそうだ。その安田伊左衛門の功績を称えたレースが今週の1マイルのG?安田記念だ。安田さんは一体どんなお顔をされた方なのかは知らないが、ともかくレースの方だけは楽しませていただこう。1マイルというと短距離に聞こえる。だが、短距離走者をスプリンターと呼ぶのに対して、マイルの走者にはマイラーという呼び名がある通り、マイルは短距離ではなく独立した距離概念なのだ。また、昔の名調教師にはマイルを重視する傾向があって、持ちタイムなどはマイルで判断すべしとまで言われていた。つまり全ての基本がマイルという考え方があったようだ。
競馬の基本であるマイル戦がトップクラスの馬によって行われる。冷静に観察して、マイルの本質を考えてみるのも楽しいことではないかと思う。ひょっとしたら競馬の本質に近づけるかもしれない。今回は海外からも3頭の遠征参加があり、そのうちの2頭はなんと安田記念を経験しているだけではなく、ブリッシュラックに至っては2006年の優勝馬なのだ。侮ることは当然できないが、データベースでは外国場の十分な検討はできないので日本馬中心のデータ分析になる。
【 Wscランキング:安田記念 】
◆Wsc: 66.7 スズカフェニックス R= 64、 RR= 76、 RT= 64、 D= -0.4、 A= -0.8、 H= 4.4
◆Wsc: 66.5 スーパーホーネット R= 59、 RR= 78、 RT= 64、 D= 0.1、 A= 0、 H= 3.6
◆Wsc: 58.4 エアシェイディ R= 58、 RR= 72、 RT= 47、 D= -0.7、 A= -1、 H= 5.7
◆Wsc: 56.3 ウオッカ R= 54、 RR= 70、 RT= 55、 D= -1.7、 A= 0.1、 H= 2.1
◆Wsc: 56.1 エイシンドーバー R= 63、 RR= 64、 RT= 55、 D= -2.1、 A= 0.4、 H= 2.6
◆Wsc: 55.1 キストゥヘヴン R= 56、 RR= 72、 RT= 52、 D= -2.3、 A= -0.1、 H= 2.6
以上がWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 53.9 ニシノマナムスメ R= 56、 RR= 73、 RT= 55、 D= -2.6、 A= 0.1、 H= 2.8
◇Wsc: 52.6 アイルラヴァゲイン R= 43、 RR= 67、 RT= 59、 D= -1.8、 A= 1.8、 H= 0
◇Wsc: 48.6 ハイアーゲーム R= 42、 RR= 63、 RT= 63、 D= -2.9、 A= 0.4、 H= 1
◇Wsc: 47.6 ジョリーダンス R= 57、 RR= 58、 RT= 59、 D= -4.3、 A= 0.3、 H= 3
◇Wsc: 46.2 オーシャンエイブス R= 47、 RR= 55、 RT= 51、 D= -1.3、 A= -1、 H= 4.1
◇Wsc: 44.4 ドラゴンウェルズ R= 43、 RR= 52、 RT= 56、 D= -2.5、 A= 0.9、 H= 2.5
◇Wsc: 42.5 グッドババ R= 48、 RR= 47、 RT= 52、 D= -2.8、 A= 1.3、 H= 2.1
◇Wsc: 42.0 コンゴウリキシオー R= 54、 RR= 45、 RT= 54、 D= -4.4、 A= 4、 H= -3.1
◇Wsc: 32.8 ピンクカメオ R= 46、 RR= 44、 RT= 52、 D= -6、 A= 0.3、 H= 0.1
◇Wsc: 30.4 ドリームジャーニー R= 39、 RR= 38、 RT= 48、 D= -4.9、 A= -0.9、 H= 4.1
◇Wsc: 00.0 アルマダ R= 0、 RR= 0、 RT= 0、 D= 0、 A= 0、 H= 0
◇Wsc: 00.0 ブリッシュラック R= 0、 RR= 0、 RT= 0、 D= 0、 A= 0、 H= 0
・Wsc :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
・Rsc :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
・Hsc :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
【 展望 】
検討に足るデータのある日本馬から見ていけば、スズカフェニックスとスーパーホーネットの一騎打ちという様相である。回避で残念だが、カンパニーを加えて三つ巴が楽しめるというのが戦前の見方であった。これに打って出たのがウオッカで、データには表れないドバイ遠征の内容を考慮すれば、新しい三つ巴ともとれそうだ。
この三つ巴に何が割り込むか、というのが今の状態になった。その候補として、エアシェイディ、エイシンドーバー、キストゥヘヴンの3頭が上がるが、堅実で実力上位のエアシェディが最も近い位置にいるだろう。その次の存在は外国馬と見るのが妥当なようだ。
【 展開 】
逃げて先頭を切るのは、コンゴウリキシオー、とみて大方間違いないだろう。次いでの先行集団は、アイルラヴァゲイン、グッドババ、ドラゴンウェルズ、ということが考えられる。
中段は大きな集団になり、前の方から、ハイアーゲーム、エイシンドーバー、ピンクカメオ、ジョリーダンス、ウオッカ、ニシノマナムスメ、アルマダ、ブリッシュラック、スーパーホーネット、キストゥヘヴン、と予想される。
後方に控えるのが、スズカフェニックス、ドリームジャーニー、エアシェイディ、オーシャンエイブスとなるだろう。
一瞬にして変わるのが、マイルのゴール前だ。後方に控える4頭はいずれも末脚自慢だし、中段の中でもスーパーホーネットやジョリーダンスは終いの脚には自信を持っている。さらに、抜け出した後もしぶとく粘るエイシンドーバーやニシノマナムスメがいて、正直極めて難しい展開になりそうだ。
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