Archive for 21 November 2008

21 November

#490.展開は先行集団向きか

1984年に始まったマイルチャンピオンシップ、数えて25回になった。始まったのはついこの前のことかと思ったが、秋の京都の伝統レースという風格さえ漂ってきた。それは見応えのあるレースとそのレースを演じた名役者が数多く出たことだろう。創設いきなりニホンピロウイナーが連覇して、1マイルのスペシャリストという存在をクローズアップさせた。そのようなスペシャリストとしてマイルチャンピオンシップを連覇した馬は、ニホンピロウイナーを含めて5頭になる。あとの4頭はダイタクヘリオス、タイキシャトル、デュランダル、ダイワメジャーという名馬揃いだ。これらの名馬も素晴らしいが、シンコウラブリイやノースフライトという華麗な牝馬の活躍も、マイル戦というレース自体の興味に加え、錦上花を添えるかのように楽しませてくれた。

さて25回目の栄冠はどの駿馬の鞍上に輝くであろうか。天皇賞を蹴ったスーパーホーネットやエリザベス女王杯を蹴ったブルーメンブラッドの一所懸命の心意気もあり、また、カンパニーやスズカフェニックスの古豪も健在だ。データベースもきわどい数字を吐き出してきた。

【 Wscランキング:マイルチャンピオンS 】
◆Wsc: 64.2 ブルーメンブラット R= 63、 RR= 75、 RT= 57、 D= .5、 A= .2、 H= 3.8
◆Wsc: 60.4 スーパーホーネット R= 63、 RR= 64、 RT= 63、 D= -.5、 A= .1、 H= 4.6
◆Wsc: 58.3 エイシンドーバー  R= 66、 RR= 69、 RT= 61、 D= -2.1、 A= .5、 H= 2.8
◆Wsc: 57.7 ローレルゲレイロ  R= 48、 RR= 72、 RT= 62、 D= -.5、 A= 3.1、 H= -.9
◆Wsc: 56.3 カンパニー     R= 63、 RR= 67、 RT= 67、 D= -3.1、 A= -.1、 H= 4.7
◆Wsc: 56.2 マイネルレーニア  R= 39、 RR= 68、 RT= 63、 D= .6、 A= 2.9、 H= -2.4
◆Wsc: 55.5 キストゥヘヴン   R= 58、 RR= 61、 RT= 66、 D= -1.6、 A= 0、 H= 2.8
以上がWsc55を超えた推奨馬
◆Wsc: 54.6 スズカフェニックス R= 60、 RR= 67、 RT= 67、 D= -3.2、 A= -.6、 H= 3.9
◆Wsc: 54.6 リザーブカード   R= 50、 RR= 65、 RT= 70、 D= -1.6、 A= .1、 H= 2.6
◆Wsc: 52.1 サイレントプライド R= 53、 RR= 59、 RT= 59、 D= -.8、 A= 1.9、 H= 3
◆Wsc: 50.8 ジョリーダンス   R= 54、 RR= 64、 RT= 67、 D= -3.3、 A= .8、 H= .9
◆Wsc: 47.6 アドマイヤスバル  R= 33、 RR= 57、 RT= 70、 D= -1.9、 A= .8、 H= .5
◆Wsc: 44.8 マルカシェンク   R= 57、 RR= 47、 RT= 60、 D= -2.8、 A= .1、 H= 2.9
◆Wsc: 40.5 ファイングレイン  R= 44、 RR= 51、 RT= 66、 D= -4.3、 A= 1.1、 H= .6
◆Wsc: 35.3 スマイルジャック  R= 43、 RR= 53、 RT= 51、 D= -3.9、 A= 1.4、 H= 1.4
◆Wsc: 31.8 ショウナンアルバ  R= 42、 RR= 43、 RT= 51、 D= -4.4、 A= 1.3、 H= 1.2
◆Wsc: 29.2 コンゴウリキシオー R= 45、 RR= 33、 RT= 63、 D= -6.6、 A= 3.7、 H= -4.3
◆Wsc: 0  ラーイズアトニー  R= 0、 RR= 0、 RT= 0、 D= 0、 A= 0、 H= 0"

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
満を持してのブルーメンブラッドとスーパーホーネットにはご祝儀相場もついて中心馬に推挙されることになった。そこへの脇役集団だが、エイシンドーバー、ローレルゲレイロ、カンパンイー、マイネルレーニア、キストゥヘヴンの5頭がひしめく混戦になっている。抜け脱すような馬も見当たらない。
結局、Wsc上位の2頭を中心に考えることになると、対戦内容からタイムの裏付けの欲しいブルーメンブラッドだが、タイムを表すRTのスコアはスーパーホーネットに後れをとり、スーパーホーネットの独壇場となるのは致し方あるまい。すると、あとの6頭は脇役だが、その中からは、マイネルレーニアの上昇力とカンパニーの強敵相手の善戦に注目したい。


【 展開 】
マイル戦だけに明確な先行脚質に馬がいて、出馬表を見ているだけでも気持ちが良い。その先頭集団を構成するのは、コンゴウリキシオー、ローレルゲレイロ、マイネルレーニアの3頭だ。先頭を切るのは、コンゴウリキシオーに任せたい。
次の先行集団は、サイレントプライド、スマイルジャック、ショウナンアルバ、ファイングレインの4頭だ。実質的なペースをつくる重要な集団だ。
中段は、アドマイヤスバル、ジョリーダンス、エイシンドーバーの3頭だが、全体をみると実はここまでが実質的な先行グループかもしれない。
後方には大きなカタマリができる。ブルーメンブラット、マルカシェンク、リザーブカード、スーパーホーネット、ラーイズアトニー、キストゥヘヴン、カンパニー、スズカフェニックスの8頭だが、4コーナーを回って、早めにポジションの取れた馬は外を回るだろうが、内を突かざるをえない馬も出ることだろう。

マイル戦はペース次第で先行有利や追い込み馬向きになったりするのだが、先頭集団の次につける先行集団の動きが実質のペースをつくることになる。この先行集団の4頭少々調子落ちなので、実質ペースは遅くなることが予想される。すると、先頭集団は後ろから突かれることもなくペースを落とせるので、ローレルゲレイロやマイネルレーニアは大いに有利だ。後方からは、末脚を生かすスーパーホーネットやスズカフェニクスか、それとも自在性を生かしてのエイシンドーバーか、ペースと位置取りで決まるが3コーナー手前での判断になるだろう。


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