＃364．京の夢は大阪の夢

先日、京都へ帰るお仕事の先輩と東京駅で別れた後、大丸にできたイノダコーヒーへ立ち寄りました。２時を少し過ぎたころだったでしょうか、案の定満員です。２０分ほど待ちまして、お席へ案内されました。早速、いつものコロンビア・エメラルドをミルク、お砂糖ナシでお願いしました。

ゆっくりしたかったのですが、なにせ混んでいるのと、京都の本店と違って大丸の８階のお店の構えはなんとなく落ち着きません。そこへ、隣の席へ天六のオバチャンの二人連れが座りました。天六とは大阪にある天神橋六丁目のこと、そこの天神橋筋商店街を闊歩するオバチャンは天六のオバチャンと呼ばれて、大阪のバイテリティを代表する逞しい女性です。そんなオバチャンが隣に来て、雰囲気は京都の堺町通りから東京駅を通り越して、一気に天六や上六へ飛んでしまったようでした。

「アンタなあ、ケーキセットがエエ、コーヒーは『アラビアの真珠』にして。ワタシはコロンビアにするワ」とまあ、これだけのことしか喋っていないのに、なぜか異常にウルサク聞こえるのです。まったくロンブーの田村淳でさえも顔負けするほど喧しさです。こちらはケーキセットではなくコロンビア・エメラルドを単品でいただいていましたが、思いがけず大阪名物の喧噪感もセットもの感覚で賞味させていただくことになりました。久しぶりの堪能でしたが、できれば阿倍野か鶴橋あたりで味わいたかったものです。この日は東京駅に進出した新店というより、いやはやイノダコーヒー天六店という雰囲気でした。

追伸：レジの傍に袋入りのコーヒーキャンディーが置いてあります。３１５円と手ごろな値段で、意外と美味しいのでお土産にいかがでしょう。