24 June

#580.交流戦の普通化

プロ野球は交流戦がソフトバンクの連覇で終り、通常のリーグ戦に戻った。交流戦は今年で5年目になったが、しっかり定着した感がある。それは各球団がペナントレースの中での位置づけを明確に意識してきたことが結果に表れている。

その最たるものが交流戦下手だった中日だろう。中日の落合監督は、初年度の始まる前「五分五分で」という言葉に込められたように交流戦は勝つことよりマイナスを防ぐように戦うつもりでいたと思われる。結果は意気込みが表す通りで、毎年負け越しが続いていた。ところが今年はここまでの成績不振の取り返しもあったろうが、しぶとい戦いを重ね14勝9敗1分の結果で堂々3位に食い込んだ。

同じように今年はセリーグの球団の活躍があり、セリーグ70勝、パリーグ67勝と5年目で初めてセリーグが勝ち越した。交流戦上手のヤクルトの頑張りは今年も健在だったが、広島の奮闘、巨人の本気モードはセリーグ自体の交流戦に対する意識の変化と受け取りたい。

逆にパリーグは危機だ。交流戦で失墜した楽天、得意の交流戦で不振から抜け出すきっかけをつくれなかったロッテ、リーグ戦の不調のまま終わってしまったオリックスと、パリーグにとっての交流戦なのに機会を生かすことができなかった。

来年のことを言うと笑われそうだが、交流戦はリーグ戦の状況と変わらない結果になりそうだ。つまり、戦力豊富な強いチームがリーグ戦の戦績の鏡映しになるような気配を感じるのだ。セパ対等の交流戦だからとか、5000万円をねらってとか、という普段とは違うインセンティヴの働く戦いではなくなるように思えてならない。


11:11:50 | datesui | No comments |

18 May

#558.パの祭典、交流戦

プロ野球は大好きな交流戦に入る。この交流戦を得意としているチームもあれば、鬼門としているチームもあって、この1か月の動向は目が離せない。

交流戦はパ・リーグのチームが得意なようで、第1回から連続4回、パの優勝だ。内訳はロッテが2連覇の後、日本ハム、ソフトバンクとなっている。ロッテ、日本ハムというのはいかにも交流戦が得意そうなチームだが、ソフトバンクはチームカラーに似合わず第1回から意外な好成績を残している。今年もこの3チームは何かしそうだが、ロッテやソフトバンクは反転攻勢のきっかけになれば良いが、日本ハムはこの機会に首位の座を確定的にしたら、パ・リーグのペナントレースはそのまま潰れてしまうだろう。

セ・リーグは交流戦が好きではないようだ。営業努力なしでお客の入る巨人戦や阪神戦が減るので、それだけもやりたくないのが本音だが、下位のチームの中にも交流戦をバネに跳ね上がろうとする雰囲気が見えないのは甚だ残念な気がする。その中で善戦しているのがヤクルトだ。今年はここまでの順位も良いので、結果次第では首位の巨人を脅かすことができるかもしれない。

鬼門のチームは西武と中日だろう。西武はセ・リーグっぽいところがあるので交流戦は苦手だったが、渡辺監督になって少し様子が変わってきた。気負いなく伸び伸びと戦えば優勝もあるだろう。例年中日の落合監督は、五分で乗り切れればと言って、交流戦はまるで余興扱いだ。だが、今年のここまでの順位からしたら、そんなことは言っていられないハズで、どんな戦いをするか楽しみだ。


17:11:49 | datesui | No comments |

12 April

#548.今年も野球がおもしろそうだ

プロ野球が開幕して3カードが消化された。WBCの盛り上がりそのままに、関心も高く人気もありそうだ。各チームの対戦はまだ3チームで、もう2カード進まないと全チームとは対戦が完了しない。つまり始まったばかりなのだが、データを眺めてみると少しだが今年を読み解けそうな気もしてくる。

まずはセ・リーグだが、巨人が早くもトップに立ってしまった。4月のうちに首位に立つと恐ろしいことになると思っていたが、それ以上のことが起こりそうだ。なにしろ中身も素晴らしいのだ。チーム成績の得点、チーム打率がリーグ最高で、失点、防御率もリーグ最少で、攻める方も守る方もリーグナンバーワンなのだ。加えて指揮を執るのは、WBCで優勝した名監督の誉れ高い原監督だ。さらに控えの層も厚いので、去年のシーズン後半の勢いそのままに2009年を突っ走ってしまう可能性さえ出てきた。追い上げるチームに連勝が期待できるほどの戦力が見当たらないので、可能性は信憑性に変わろうとしている。

次にパ・リーグだ。春の椿事かどうか、楽天がトップにいる。これはリーグを盛り上げるには最高のシナリオだろう。そして中身がスゴイ。得点、本塁打はリーグ5位、逆に失点は日本ハムと同率の1位だ。さらに打率は5位だが、防御率が2位だ。貧弱な攻撃力で得点は少ないが、まずまずの防御率で失点を最小限に抑えて勝ち進んでいるのだろう。一言でいえば野村監督の好采配ということになろうか。出だしの数ゲームではわからなかったが、ここへきて西武・オリックスの強さが表に出てきたように思える。西武は勿論オリックスも含めて、去年好成績を収めたチームの力は本物だったような気がする。
そこで、テレビで無責任なことを言い放っている解説者諸氏が推奨したがる、老舗ブランドの日本ハム、ソフトバンク、ロッテの3チームは、ひょっとしたら悲惨な結果に終わるのが2009年ということになりそうだ。


22:20:00 | datesui | No comments |

25 March

#540.忘れていた一体感

日韓戦の様相だったWBCが終った。侍ジャパンは見事な戦いぶりで、めでたく2連覇を成し遂げた。連覇の重圧がかかる中、チームを率いた原監督は歴史に残る名監督と称されても十分と思える。

16チームが参加したWBCは対戦関係が歪で本当の強さが測定できないような方式であったが、それでも日韓の力は他を圧倒するものがあり、結果は強いチームが順当に勝った印象を誰しもが強くもつだろう。とりわけキューバに2回、アメリカにも勝った日本の強さは本物で、真のチャンピオンと言うことに異論はないはずだ。派手な本塁打攻勢こそないが、単打でつなぎ、脚とバントで掻き回す野球は、メタボの選手が力任せに振り回すだけのベースボールとは、スリルとスピードに満ちた別のおもしろさを提示した。加えて投手陣の充実は目を見張るものがあり、連続MVPの松坂を始め、岩隈、ダルビッシュの主軸の完成度に加え、杉内の精神的安定感には世界に誇れるものである。

まっ、景気後退に政治の不振など、このところドキドキすることなどなかっただけに、良いこと尽くめのWBCは久しぶりに日本中をひとつのことに熱中させてくれた。経済効果までは期待しないが、少なくとも一瞬の元気化効果は大いにあったことを認めようではないか。これぞスポーツの価値だ。


00:02:15 | datesui | No comments |

22 March

#539.不思議な力士

大相撲大阪場所が始まって、もう7日目になった。ここへきて、急に注目している力士がいる。北勝力だ。7日目まで7戦して7敗、横綱大関が相手なので仕方がないのかもしれない。横綱大関との対戦はこれで終わるので頑張ってもらいたい。

注目しているのは、本当に頑張れるのだろうかということである。ここまでの7日間の相撲を見ていると、大いに疑問である。もともとポーカーフェースだから、闘志は表に出さないのだろうが、それにしてもやる気の見えない顔には相手もまず怖さを感じないだろう。そして大して鋭くない立ち会いに加えて、変化などは全くしない。両手突きがのど輪にかかれば良いのだが、腰高で二の脚が出ないから、すぐ体勢が悪くなり反り腰になってしまう。そのままズルズルと後退して、あっ気なく土俵を割ってしまう。この間、わずか1〜2秒だ。これを7日間、判で押したように繰り返しているのだ。立ち会いの工夫をする訳でもなく繰り返しているのにはひょっとしたら深い訳でもあるのかもしれないと思いたくなる。

北勝力英樹。栃木県出身、八角部屋。31歳。最高位西関脇、殊勲賞1回、敢闘賞3回とまあ、一応の活躍もしているし、部屋は名門八角部屋だ。八角親方は元横綱北勝海で、現在唯一新弟子が集まる人望のある師匠だ。それなのに、その部屋頭がこんな体たらくでは八角親方も頭が痛いことだろう。


00:55:02 | datesui | No comments |