Complete text -- "#293.ARJC"
01 November
#293.ARJC
11月4日はアルゼンチン共和国杯だ。その昔はアルゼンチン・ジョッキー・クラブ・カップといって、現在の距離より長めのレースだった。このレースを勝ってステイヤーとして本格化する、いわば一線級ステイヤーの資格認定でもあったようだ。だから出てくる馬の血統も、ザラズーストラ、ヴィミー、スコットなど、短距離は全くダメという血統のサークルというイメージがあり、血統論議の花が錦上の大輪のように咲いた。この10年、何でもかんでもサンデーサイレンスだったので、今こそ血統論議の新しい幕開けが期待できそうだ。また、アルゼンチン・ジョッキー・クラブ・カップはレースの名前としても耳当たりが良く、同じようなアメリカ・ジョッキー・クラブ・カップは単にAJCと呼ばれていたのに対し、長らくアルゼンチン・ジョッキーと呼ばれ親しまれていた。だが、アルゼンチンの競馬運営がジョッキークラブから国に変わってしまい、レースの名称も現在のアルゼンチン共和国杯という味気ないものに変わってしまった。ところが略号のARJCはその筋では健在で、古いファンはいまだにARJCだ。
アルゼンチン共和国杯が11月の上旬のG?の谷間に設定されてかなりの時が経ち、どうやら冬競馬の始まりという位置づけを獲得したようだ。日本の競馬はシーズンオフがなく冬も楽しめるわけだが、冬の楽しみは何といても長距離戦だろう。そこで、夏はスプリントシリーズがあるが、その向こうを張って2007−08ステイヤーズ・シリーズを開催しても面白いだろう。すなわち、このアルゼンチン共和国杯を皮切りに、ステイヤーズステークス、年が明けて万葉ステークス、ダイヤモンドステークス、阪神大賞典の5戦をシリーズとするものだ。その集大成が淀の春の天賞となるわけだが、菊花賞や有馬記念からのG?エスタブリッシュ組に対して、このステイヤーズ・シリーズ組がどう走るか楽しみだ。
去年もアルゼンチン共和国杯から5つのレースを注目していたが、5戦すべてに出走したのがトウカイトリックで、しかも戦績も?????と優秀、天皇賞も3着と好走したので、長距離スペシャリストとして認定してあげたいところだ。
という冬の長距離競馬の幕開けのアルゼンチン共和国杯、今回はどんなレースになるだろうか。
【 アルゼンチン共和国杯 】
◆66.3 カゼノコウテイ → 好タイム連発
◆63.9 トウショウナイト → 最近の成績、実績、タイム
◆62.4 アドマイヤジュピタ → 勝負強さ
◆61.5 ダンスアジョイ → 最近の成績
◆58.6 ネヴァブション → 最近の成績
以上がWsc55以上の推奨馬。以下は50以上の参考馬。
◇54.4 ショートローブス → まだ格下
◇52.2 マキハタサイボーグ → 最近不振
◇51.5 リキアイサイレンス → 前走は単発花火か
◇50.4 ゴーウィズウィンド → タイム不足
◇50.0 トウカイトリック → 最近不振
【展望】実績馬の調子が出ていない状況でのレースで、前走1着馬がわずか2頭という寂しさだ。実績最高のトウカイトリックは目黒記念、宝塚記念の凡走で後遺症さえ心配だ。また、トウショウナイト、ネヴァブションも最近の走りには不満の残るところだ。それだけに上り馬の、カゼノコウテイ、アドマイヤジュピタ、ダンスアジョイには大いにチャンスがありそうだ。次の一線級ステイヤーの誕生を期待したい気持ちも込めて、カゼノコウテイ、アドマイヤジュピタの力走を見守ってみよう。
【展開】強力な逃げ馬はいないが、18頭はゆるやかな縦長の展開にはなりそうだ。
ゴーウィズウィンドがハナを切りそうだ。続いてアドマイヤジュピタという態勢になるだろう。
その後は中段だが、ショートローブス、トウショウナイト、トレオウオブキング、トウカイトリック、チェストウイングが一団をつくり、その後ろに、ヤマニンアラバスタ、マキハタサイボーグ、テンジンムサシ、コスモプロデュース、カゼノコウテイ、ダークメッセージ、ネヴァブション、ブリットレーン、が大きな集団をつくるがゴチャゴチャにはなるまい。
後方は、リキアイサイレンス、ダンスアジョイ、ハイアーゲーム、となる。
動きが難しいところだ。これまで早めの動きはしてこなかったマキハタサイボーグ、リキアイサイレンス、ネヴァブションなどは早めに動いた方が良いと思われる。なにしろ先行集団にはトウショウナイト、トウカイトリックなどの実力馬がいるのと、さらに先行して末脚もしぶといアドマイヤジュピタもいれば、豪脚のカゼノコウテイも虎視眈々と控えているからだ。
Comments
コメントがありません
Add Comments
トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)