Complete text -- "#128.お盆休み"

17 August

#128.お盆休み

ヨーロッパのバカンスとはいきませんが、日本でもお盆休みとして夏の休みが定着してきているようです。もっとも、この10年ぐらいはバブル後の調整期で気持ち後退しているようなのも気懸かりです。
でも相変わらずのプータローですから、お盆休みなんか関係ないのですが、ブログ上では恰好つけに休みとしてみました。休んだ理由ですが、実は療養が必要で、検査で13〜15日の3日間、聖路加国際病院へ入院をしました。

入院前に最も気を遣ったことは、こともあろうに持っていく本を何にするかでした。たくさんもっていっても読めないしと思って、迷いに迷い思案の挙句に、この一冊として決まったのがアルゼンチンの作家ボルヘスの『伝奇集』です。読んではいるのですが、どうも消化不良だったので、この機会にボルヘスを極めてみようという安っぽい魂胆でした。

ところが、入院した聖路加はミッション系の病院だったので、各病室に聖書が備えてあるではないですか。「なんだ、これならボルヘスなんか要らなかった」となって、ボルヘスはあっさり止めです。無人島へ何を持っていくとか、幽閉されたらときなどの「この一冊」の定番なんですね。聖書は「ザ・ブック」というくらいですから、この一冊は聖書を外せば、仏説阿弥陀経やコーランというところだったのかもしれません。

という訳で聖書を読んでみることにしました。これも全く初めてではありませんが、短編や拾い読みばかりで、ひとつの福音書でさえ、通しで読んでいなかったと思います。そこで、折角聖路加ですから『ルカによる福音書』を読むことにしました。24章からなるルカ伝は22章がクライマックスでした。最後の晩餐、ユダの接吻、ペテロの否認と、美術史上でも有名な作品のある場面が次々と展開して、とても感動的でした。

なかなか得られない状況ですので、読む機会の少ない本を読んでみるのも実に乙な体験でした。


06:00:00 | datesui | |
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