Complete text -- "#75.お祭り済んで"

31 May

#75.お祭り済んで

28日は日本ダービーだった。競馬のファンや関係者、全員が全員、この日をめざして一年をまわしているから無事に済んでなによりだが、ホッとしてしまって気が抜けていることも事実だ。特に、今年は強い馬が強い勝ち方で勝って、まずはめでたしというところだった。また、ダービーと並んで春の一大レースに天皇賞があるが、これも強い馬がとてつもなく強い勝ち方で勝ち、ダービー、天皇賞とも拍手喝采ものだった。
ところが手放しで喜んではいられない。出走馬の東西の所属を見ると、関東所属の馬が極端に少ないのだ。なんと、天皇賞ではハイフレンドトライ、ダービーではジャリスコライトの1頭ずつなのだ。しかも、結果はハイフレンドトライが15着、ジャリスコライトが14着と完敗である。1頭ぐらい出ないとみっともないから仕方なく出てきたとしか思えないような結果だ。

東西の力の不均衡は今年に始まったものではない。月刊『早来リポート』が刊行されていたころの1998年、『西の高きを訪ねて』と題した7月号で東西の不均衡を訴えている。それによれば、さらに遡ること10年、1987年の有馬記念がターニングポイントになったと指摘している。この有馬記念は、関東陣はサクラスターオー、メリーナイス、ダイナアクトレス、ダイナガリバーと万全の体制だったが、サクラスターオーの故障やメリーナイスの落馬などで関東の有力馬が脱落し、関西の伏兵メジロデュレンが勝った。このレースを関東馬が優勝すれば8大レースの関東独占となったのだが、これからケチがついた。1988年は逆に、ダービー以外の8大レースは西の独占になった。以後、西の優位が続いているわけで、なんと20年近くになる。

いい加減にして欲しいのだが、いつまで続くのだろう。その後、番組改正などにより、東西の交流が盛んになった反面、東西の格差はより一層鮮明になってきている。また、こんなご時世なのに東京や中山のレースに関西馬が出てきたりすると、「関西馬の中にはわからない馬もいますが・・」などということを平気で言う競馬解説者がいたりするのは本当に苛立たしいことだ。そんな小難しいことは言わずに、現実として「関西は一軍、関東は二軍」と考えるのがわかりやすいと思う。
東西格差については、JRAも競馬評論家も奥歯にモノが挟まったようなことしか言わないので、当分このままだろう。お祭りは無事済んだが、またこんなお祭りが続くのだ。



06:00:00 | datesui | |
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