Archive for 22 June 2006
22 June
#91.ノブレス・オブリージ
こんな名前の馬がいたが、競馬の話題ではない。ヤフーのニュースに、夕張市が財政再建団体の指定に申請した、と出ていた。要は、夕張市が倒産をしたのだ。このことで市民は憤っているという。市長に対して無責任だという非難が挙がっているそうだ。もともと市が倒産するというのはちょっと変だし、普通なら国や都道府県、市町村は、民間企業と違って潰れることはないハズだ。また、倒産するにしても潰れる前に切り詰めるなどの処置などのしかるべき政策が、執られたのだろうか。有効な努力もせずに倒産を選択、市民はこのへんを怒っているのだろう。生活保護を受ける人が増えているという。給食費を払えない、もしくは払わない親が増えたそうだ。市が倒産するぐらいだから、一般人ならこれくらい当たり前だろう。日本中こんなぐあいに、いとも簡単に保護を受けたり、外に助けに請うたりすることに何の躊躇いもなくなったようだ。
バブルが弾けたあと、日本中にパラダイムの変動が起きた。リストラという禁じ手を企業が簡単に使うようになったからだ。本来、人を整理するなら、まず御身からというのが、それまでの決まりごとだった。そのくらい職務の上位者には責任があったハズだ。それなのに自分はさて置いて、下位者だけにシワ寄せを科すことが最初は仕方のないこと程度に始まったものが、この禁じ手が有効手段としてもてはやされることになった。そうなれば下位者の抵抗策として、進んで生活保護を受けることや給食費の不払いが当然のことのように思えてくるのだろう。
権力や権限のある人が勝手なことをしたら、収拾がつかなくなってしまう。高貴な人ほど襟を正さなくてはならないのに、現状はどうも違うようだ。失われた10年間の間、有効な対策を執らず、リストラに現を抜かしてきた経営者やそれを支援してきた政府の要人たちには、自分たちの地位に高さに求められる責任を全く感じてはいない。金利政策の責任者が、貯蓄とは別のところでお金を殖やしているなんということはどうみたって変だ。
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