Archive for September 2006

15 September

#149.東西の試金石

菊花賞と秋華賞へ向けてのトライアルレースが東西で開催される。2006年のクラシック最後の栄誉に向かって、いよいよ有力馬が動いてきた。西の中京競馬場ではローズステークス、芝の2000mだ。一方、東はセントライト記念で、芝の2200mとなっている。ともにG?、3着までには優先出走権が与えられる。このところの長雨で少し微妙な点もあるが、まっ、実力の勝負になるだろう。
では、ローズステークスからデータ・ベースの出力をみてみよう。


 ◎ アドマイヤキッス  68.3→最近の実績、末脚
 ○ ペケジェイ     63.6→タイム、勝っぷり、先行力
 ▲ ソリッドプラチナム 62.7→最近の実績、勝っぷり、決め脚
 △ ティアラプリンセス 60.2→タイム、先行力


アドマイヤキッスに上昇途上のソリッドプラチナムと、格下からペケジェイ、ティアラプリンセスが挑むレース。例年の阪神ではなく、中京での一戦だが、紛れは少ないとみた。

展開は、強力な逃げ馬は見当たらないが、ティアラプリンセスがハナを切るだろう。次いで、シェルズレイ、ペケジェイが続き、フサイチパンドラ、シークレットコードまでが先行グループを形成する。
中段は、ホウショウルビー、ヤマトマリオン、ワイキューブ、パーフェクトジョイ、ニシノフジムスメ、と並び、アドマイヤキッスまでとなる。
後方には、ハンドレッドスコア、ステラゴールド、ソリッドプラチナム、サンヴィクトールがつけることになる。

3コーナーまでは異常にゆっくりだが、3、4コーナーの中間から急に早くなる。早めに抜け出し、振り切る形でゴールになりそうだ。



次はセントライト記念だが、関東馬がめっきり弱くなってからは、いまひとつ気勢が上がらない。神戸新聞杯に流れを完全に握られてしまったようだ。でも、データ・ベースはお構いなしだ。


 ◎ キストゥヘヴン   68.5→最近の実績、決め脚
 ○ ミレニアムウイング 62.6→勝っぷり、先行力
 ▲ トウショウシロッコ 60.9→最近の実績
 △ トーセンシャナオー 59.7→最近の実績、勝っぷり、先行力
 △ ミストラルクルーズ 57.3→タイム
 △ マツリダゴッホ   55.0→最近の実績


夏、力をつけたと思える、ミレニアムウイングとトウショウシロッコの走りに注目したい。この2頭の結果次第で、今秋は既成勢力のままか、それとも新たな地図ができあがるのかの試金石になるだろう。

展開は、鋭い先行馬が不在だが、ニシノアンサー、トーセンシャナオーが先頭を取り合うだろう。そのあとをタマモサポート、ミレニアムウイング、マイネルハイアップ、と続いて先行集団が形成される。
中段は、ユキノアサカゼ、マツリダゴッホ、トウショウシロッコ、ミストラルクルーズ、インテレット、パッシングマーク、キストゥヘヴン、が一団となる。
後方には、フサイチジャンク、マチカネゲンジ、トップオブサンデー、テンシノゴールド、トロフィーディール、ネヴァプション、ニシノフリーダムが控えることになる。

動きは、中段の元気者マツリダゴッホ、トウショウシロッコが早めに動くと、レースは後方待機組み有利になるだろうが、4コーナーではゴチャつくことになれば、逆に先行馬が有利になることさえ考えられる。



2月に開設いたしました当ブログ、『伊達や酔狂です』と称して勝手気侭に情報遊戯をしてまいりました。7月のブログでも紹介しました通院生活ですが、このたび本格的に入院加療による療養生活に入ります。
という訳で、加療に専念するため当ブログはしばらくお休みにさせていただきます。ご多用の中、貴重なお時間を割いて読んでいただきました方々には、この場を借りてお礼申し上げます。
なお再開は、社会復帰できましたら何の前触れもなしで行いますので、よろしくお願い致します。



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14 September

#148.一手の重み

日曜日のNHK教育テレビでは将棋と囲碁の番組がある。将棋が午前中で、囲碁は午後だが、ともに2時間なのだ。昔、将棋と囲碁をしてまたが、碁は将棋の倍近くの時間が掛かったような気がする。それなのにテレビでは同じ時間なのだが、プロともなるとこれで済ますことができるのだろうか。
将棋が一局終るまでに双方が指す手数は、5〜60手ぐらいだ。だから全部で100〜120手が相場だろう。これが囲碁になると、その倍にはなるので、時間も倍掛かるのではないかというのが素人の考えである。将棋に比べて囲碁は密度の低い対局をしていることになるのではなかろうかという心配である。でも、これは100mの競走もあればマラソンもあるのと同じだそうで、将棋と囲碁では距離の違うレースをしていると思えばいいらしい。

そこで、いろりおあるゲームの手数を考えてみると、やはり囲碁は競技人口の多いゲームの中で長手数のチャンピオンだ。次いで、将棋になるが、チェスは将棋の半分程度だ。麻雀は手数変動が大きいが、ひとり10〜14手ぐらいだろう。バカッ花になるとひとり8手の3人で24手になる。
もっと少なくなると、オイチョカブは張るときと引くときの2手になり、究極の丁半バクチはたったの一手である。ここまで少なくなると、わかりやすくなるのだが、手数の少ないゲームは単純に確率の問題になってしまって、手順や定石やらの作戦的な読みなどはほとんど介入しなくなる。一方、手数の多いゲームはサイコロを振るときのような要素はなくなり、その気になれば必勝手順も存在するのだ。それを、手数を多くして人智の届かない規模にして成立させているわけだ。
紙の上に2本の線を井桁状に引いて9つの升目をつくり、そこへ○と×を交互に書き入れて、3つ並んだら勝となるTick-tak-toeという子供のゲームがあるが、これは将棋や囲碁のようなゲームの中では最小の規模のものだろう。だから慣れてくれば、ゲームはほとんど引き分けになる。一方、確率型の長手数のゲームは、ゲームとしては存在が確かめられないが、論理的には宝くじが相当するのではなかろうか。
その中で僅か60手の論理型のチェスは、必勝法が見つかってしまうのだはないかという心配がある。人智の挑戦はわかるが、やはり見つかってしまったらおもしろくない。


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13 September

#147.十五夜の月

先週末の秋の長雨に入る前、満月のきれいな夜があった。十五夜かと思ったが、今年の中秋の名月は10月6日だそうだ。去年は9月18日であったが、何となく10月では遅いような気がする。小さい頃染み付いた十五夜のイメージは8月だ。花札の二十ボウズからの印象なのだが、そのころは新暦も旧暦も知らなかったから、そのまま8月になったようだ。それにしてもこの札、前景に黒い山を思わせるススキに白く大きな月、そしてバックの空はナント赤だ。思わず唸る大胆かつ周到な意匠は、日本が誇れる美の典型だ。

ところで中秋の名月は、中秋と仲秋の2通りの記述がある。雰囲気的に仲秋の方がカッコ良かったので、仲秋を使っていたら、十五夜の月は仲秋ではなく中秋の名月とのことだ。
旧暦の秋は旧暦の7、8、9月の3か月で、その秋の真ん中の日にあたる8月15日を中秋といって、この日の月を十五夜の月と呼んだ。旧暦だから月の満ち欠けとは連動が良いが、それでも十五夜は満月の夜とは限らない。今年も齟齬があって、十五夜のほうが1日早い。

では、仲秋だ。秋の3か月は別名があって、初秋、仲秋、晩秋とか、孟秋、仲秋、季秋などと呼ばれている。いずれにしても、真ん中の8月は仲秋というのだ。つまり、旧暦の8月のことを仲秋といって、旧暦8月の月を仲秋の月ということになる。中秋の名月は十五夜の月、一晩の月だが、仲秋の名月は8月ひと月分の月ということになる。
ところで、何で仲の字が使われているのか。それには、孟、仲、季の並びを調べるとわかる。まず、孟だが、辞書によれば、はじめ、かしら、おさ、というような意味が並び、最初を示す言葉であることがわかる。次は、仲と季だが、中国では男の兄弟を上から、伯、仲、叔、季という。伯は長兄、仲は次兄、そして季が一番下の男をいい、仲と季の間は全て叔となる。ということは、仲が2番目を意味し、季は最後を意味することになって、孟秋、仲秋、季秋の並びができあがることになる。

ひと月の間、秋の夜長の月を楽しみたいのなら、仲秋の名月という表記になる。こうすれば1か月も間、毎晩月見酒が楽しめることになる。


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12 September

#146.負圧というイメージしにくいもの

高気圧は天気が良く、低気圧は天気が悪いというのは常識だが、天気予報などを見たり聞いたりしていると、同じ気圧差でも低気圧の方が高気圧に比べ反応が厳しいようだ。低気圧の場合、気圧の低いところがあれば、そこへめがけて周囲から空気が流れ込むから相乗効果で強い風になるのだろう。これに比べて高気圧は周囲へ空気をばら撒くことになるので、空気は集中することがないので風はそんなに強くならないのだろう。

去年の夏のことだが、部屋の中へ冷房の空気が回ってこないので、扇風機を使って冷気を送り込むようにした。確かに少しは涼しくなったが、効果はイマイチ芳しくなかった。ところがある日、扇風機の置き場所がなかったため、仕方なしに空気を外へ追い出すように使ってみた。しばらくしてビックリした。冷気が良く入ってくるのだ。部屋の中の気圧を下げて、外から引き込むようにした方が押し込むより冷気はよく入るのだ。そう言えば子供ころ、夏の暑い日に風を通すには、風の出口を確保して風が抜けるという感覚を教え込まれたような思い出がある。そのときのイメージは、風の抜け口を空けた瞬間、風が吹き込むというより吸い出されるような感じだった。

このように負圧が作り出す力は真空ブレーキなどに利用され、負圧はさまざまな機械に広く用いられている。空を飛ぶ飛行機も、翼面の下から押し上げる力よりも、翼面の上から吸い上げられる力の方がはるかに大きいとのことだ。まだ、力学が若い頃、あの力学の大御所のニュートンでさえ押し上げる力しか考えられず、負圧による吸い上げる力を想定できなかったため、飛行は不可能という結論を出したそうだ。
力ずくで押すより、空間をつくって引いた方が効果は大きいということは、空気は方円の器に従う水以上の不思議な存在のようだ。


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11 September

#145.ブッポウソウ

ブッポウソウの鳴き声の正体が、コノハズクというふくろうの一種であることはよく知られた話だ。一方、ブッポウソウという名の鳥は青緑の美しい姿をしているが、ギャーギャーとかゲーゲーと鳴くようで、ブッポウソウとはほど遠いようである。ブッポウソウの正体がまだつかめないころ、あるラジオ番組でブッポウソウの鳴き声を録音に成功したので放送したところ、浅草のお店で「ウチのフクロウが同じ声を出す」という投書があったそうだ。早速、出掛けたところ、まさにそうだったので正体がわかったそうだ。美しい姿をしているだけで、美しい声を出すと思われた姿のブッポウソウはバツの悪い思いをしたことだろう。

同じようなことが日常もよく起きる。電話であまりに美しい声と語り口を聞いて、声の主を妄想とも思える想像を膨らましてみたりした経験は誰しもあると思える。クイーンというイギリスのロックバンドがあるが、ヴォーカルのフレディ・マーキュリー、これをいつも勘違いしていた。名曲『ボヘミアン・ラプソディ』の声を聞いてからクイーンの写真を見れば、ブライアン・メイあたりの姿をフレディ・マーキュリーだと思っていたのだ。事実、フレディ・マーキュリーが容貌を変える度に何度も勘違いをした。その極みが、あのマンガの「こまわり君」のように見えたのだが、恥ずかしいので黙っていたら、同じようなことを感じている人がいて嬉しくなった。『6×9の扉』と書いて「ロックのとびら」という本の著者小貫信昭が、その本の中でチョビ髭をはやしたフレディ・マーキュリーを「こいつ、こまわり君だ」と言っているのだ。すごく安心したことを思い出す。

実は、もうひとつある。アルフィーだ。3人のキャラクターが時間を経て、素晴らしく醸成したようだ。ビジュアル系の高見沢に、フォーク・フツー系の坂崎、そしてワイルド系の桜井の取り合わせが実に良い。なぜか桜井が好きなのだが、この桜井もブッポウソウだ。アルフィーを聞いてから写真見たら、高見沢に目が行くのは仕方がないと思う。でも、あの声は桜井なのだ。デビューからの永い間、アルフィーを支えたのは桜井だ。桜井がんばれ、俺がついているぞ。ナニ!、迷惑だと。



補遺
『6×9の扉』は皆さまの想像通り、6×9=54のロック・ミュージシャンを紹介している。ソリスト、グループ含め、50年代から90年代の初めまで、手際よく俯瞰できるが、当然のこと音は出てこない。

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