Archive for 04 December 2006

04 December

#169.永観堂 −東山の紅葉徘徊?−

東福寺から永観堂に向かった。東山に沿って、北上したり南下したり、また北上だ。永観堂が4時までに入れば5時までOKということにも左右されたようだ。


その4時前だったこともあり、琵琶湖疎水記念館に立ち寄った。明治の俊英田辺朔郎が、全知全霊を傾けて建設した琵琶湖疎水の全容が紹介されている。お目当ては発電に使用したペルトン水車で、ありがたいことに当時のものがそのまま鑑賞できた。このペルトン水車は、水量は少ないが落差が大きいところに向いており、日本の発電所では極めてポピュラーな形式である。ロシアのヴォルガ川などに掛かる発電所は、220万KWという猛烈な発電量だが落差はたった2mという仕様で、水量の物凄さは想像を絶するものがある。
田辺朔郎は仕事の終った夜に勉強会を開き、技術の基礎を現場の工夫に教え技術者に育てた。しかも勉強会に使った手製の資料はハンドブックにして、現場で活用できるような工夫も朔郎は忘れなかった。全く頭が下がる。

一度は見てみたかったペルトン水車。長年の夢が叶った。疎水記念館は水の施設だ、さすがに見事な噴水だ。




疎水記念館から永観堂に向かうが、途中南禅寺に立ち寄る。三門の周りだが、紅葉が見ごろに近づいていて、行きがけの駄賃としては設けものという感じだった。

三門の周囲は見ごろの紅葉だった。三門の瓦は、よく見ると「南禅」の文字が全ての瓦に入っていた。




さて、永観堂だ。正しくは永観堂禅林寺という浄土宗のお寺だ。広い境内を隈なく観るには時間が必要だが、永観堂は4時に入れば5時までゆっくり観られるので、東山コースの最後に設定してみた。ぽつんと離れた真如堂、5時まで観られる永観堂、この2つのために北へ進んだり南に戻ったりのコースになった。
2、3日早いかという色づきだが、そこは「もみじの永観堂」、紅葉は十分堪能できた。阿弥陀堂、臥龍廊、多宝塔という見どころもあるが、今回は1時間のすべてを紅葉に集中させてみた。永観堂伽藍は山腹に広がっているので、高いところはすでに見ごろの紅葉で、下のほうは色づき始めというコントラストも楽しめる。

もみじの永観堂は、色づき始めでも紅葉の色がきれいだ。山腹の紅葉とのコントラストも楽しめる。



放生池の周りの紅葉は、池の水面に影を落としたりして風情をさらに増していた。池のそばで、赤い毛氈の縁台でぜんざいを所望した。寒くなってきただけに、花より団子ならぬ紅葉よりぜんざいという雰囲気だった。いただいたあとは、夕日もどっぷりと暮れかかっていた。

放生池は紅葉の別な美しさを演出しているようだ。奥に、「紅葉よりぜんざい」の赤い毛氈が見える。
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06:00:00 | datesui | 2 comments |