Archive for 24 March 2006

24 March

#28.慶事のあとの訃報

「競馬ファンの皆さまに申し上げます。21日、作曲家の宮川泰様がご逝去されました。」、という場内放送を聞いて、きょとんとしていては困る。競馬界の名曲、関西のG?のファンファーレは、『恋のバカンス』や『宇宙戦艦ヤマト』の宮川泰の作曲なのだ。荘厳重厚一辺倒のファンファーレをコミカルで親しみやすくし、加えて無類の高揚感を与える作品は後にも先にも味わったことがない。恐らく数あるファンファーレの中でも最高傑作であるに違いない。競馬の文化面で大いに誇れることであったが、その偉人が亡くなったのだ。牧原由貴子の慶事の後だけに、残念な訃報になってしまった。この週末の高松宮記念のファンファーレは新しいものに替わってしまってこの名曲を聞くことはできないが、4月9日の桜花賞ではこの名曲が必ず聞けるので、ご冥福を祈りながらありがたく鑑賞しよう。できたら楽隊のメンバーは喪章をつけて演奏して欲しい。そこで気になるのが東京・中山のファンファーレだが、作曲は『花の首飾り』や『ドラゴン・クエスト』のすぎやまこういちだ。

ところで先週2つの注目レースがあったが、どうも不満だ。まず、阪神大賞典であるが、ディープインパクトはちゃんと走ったと言えるが、あとのメンバーがだらしない。トウカイトリック以外、インティライミを始め全馬天皇賞への出走資格剥奪だ。特にインティライミは、3000mという距離への適性ナシと判断したい。また、スプリングステークスは、フサイチリシャールが勝ってナンボというレースなのにこれまた2着。これでは皐月賞も思いやられる。メイショウサムソンとドリームパスポートは一応のレースはしたが、ただ粘っただけで次への展開も見通しもあったものではない。それから、あまりのつまらなさから苦し紛れにトーホウアランを挙げたが、これは大失態だった。抜擢するほどのタマではなかった。不明を恥じ、深くお詫びをする次第です。

さて、今週はG?を含め重賞が4レース。まず、日経賞はリンカーンの独演会でなくては困る。ここで負けるようでは、ディープインパクトの脇役も勤まるまい。相手は、ストラダジェム、コスモバルク、フサイチアウステルとなるが、コスモバルクは有馬記念だけの好走だし、フサイチアウステルも前回の凡走を見ると、安定感からストイラダジェムを推したい。タイムは良いが実績の弱いコスモバルク、逆に実績はそこそこだがタイムの悪いフサイチアウステル、ということでタイムも実績も安定のストラダジェムが相手になるだろう。こんなのが相手なのだから、リンカーンは勝って当たり前なのだ。
次は、マーチステークスを検討しよう。これは面白いレースだ。中心は一応ヒシアトラスだろう。実績とネームバリューから当然だ。だが、この後に続く集団がシブトイ。オーガストバイオ、クワイエットデイ、ワイルドワンダー、カフェオリンポス、ラッキーブレイク、サンライズバッカス、イブロンと多士済済で、ほとんど差もない。敢えてデータ・ベースの序列に従えば、オーガストバイオ、クワエットデイが上位で、ワイルドワンダー、カフェオリンポスがこれに続くということになり、順当なレース展開ならこの線だが、タイムの早い決着になるとカフェオリンポスが浮上することにもなる。枠順が決まって、徹夜の検討が楽しいレースだ。
毎日杯は1勝クラスもいて、データ・ベースは算定不能と言ってきて、逃げてしまった。メンバーを見ても敗者復活戦のようだし、武豊もこれ幸いとドバイへ行ってしまった。何が勝っても、クラシックに影響の出ることはあるまい。そんなレースだから、サイコロ振って決めても面白いかも知れない。
さて、G?の高松宮記念だ。データ・ベースはラインクラフト、リミットレスビット、シンボリグラン、コパノフウジン、アイルラヴァゲインを挙げている。距離適性からラインクラフトを落とし、ダート・芝の実績からリミットレスビットとコパノフウジンを落とす。すると残りは、シンボリグランとアイルラヴァアゲインとなる。特にシンボリグランの実績、タイム、着差のすべてのスコアが安定していて、他の馬には眼が行きにくい。唯一の死角は小回りコースなので、直線で良い勝負のできる位置取りができるかだ。
レース外では慶事の後に訃報が来たが、レースの方は先週のくだらないレースの後は、一気に花開くようなレースを見せて欲しい。あのダメだった野球でさえも海の向こうで頑張ったゾ。
06:00:00 | datesui | No comments |