Archive for 23 November 2007
23 November
#306.血統新時代
ジャパンカップになると気の重くなることがあった。テレビの放映のパドックで出走馬の血統が紹介されるが、このところの日本馬はサンデーサイレンス一色だった。まるで昨日今日競馬を始めたばかりで、種牡馬はサンデーサイレンス1頭しかいないような状況に見えてしまうのだ。70年ほど前の始まったばかりのダービーは、優勝馬の種牡馬がしばらくの間トウルヌソルとシアンモアの2頭もマッチレース状態だった。日本の競馬事情に詳しくないホースマンは、ジャパンカップに出てくる馬の状況を見て後進性を感じたに違いない。日本の競馬を根底から変えてしまったサンデーサイレンスだが、急逝から5年経った今、その偏りから少しずつだが脱皮が見える。今年のジャパンカップの日本馬は14頭中、サンデーサイレンス系は直子の2頭を入れて6頭になった。あとはノーザンダンサー系、ブライアンズタイム系、ミスタープロスペクター系となって緩和の様子が見て取れる。対する海外組は英国とアイルランドだけということもあるが、サドラーズウェルズやデインヒルなどのノーザンダンサー系だけで、これはどうしたことだろう。
サンデーサイレンスを失ったことは日本の競馬界には大きな損失だが、巨星の去った後の競馬は血統の妙味という競馬本来の楽しみが少しずつ味わえそうだ。距離、ダート、道悪への適性、仕上りの早さ、成長性、勝負強さなど、血統面から検討すべきことは、この10年はすべてサンデーサイレンスの一言で済んでしまっていた。楽で済む話ではなく、楽しみが失われていたのだ。長い間の休業状態からの血統談義は準備も大変だろうが、それは競馬道楽、実は楽しみ以外の何ものでもないのだ。
さて、ジャパンカップのレースの方は凱旋門賞馬のディラントーマスが直前で回避して寂しくなった。だが、強行スケジュールだったこともあり、懸念材料をもって走るよりは良かったかも知れない。データも日本の中央のレースだけなので簡単に示すことにする。
【 ジャパンカップ 】
◆67.5 メイショウサムソン
◆62.8 ポップロック
◆57.5 ドリームパスポート
◆56.4 アドマイヤムーン
◆56.3 フサイチパンドラ
ここまでがWsc55以上、以下インティライミ=54.5、ウオッカ=53.1、ローゼンクロイツ=50.3、チョウサン=50.2、と50以上も微妙だ。
【 ジャパンカップダート 】
◆60.2 ワイルドワンダー
◆59.3 メイショウトウコン
◆59.0 フィールドルージュ
◆59.0 ドラゴンファイヤー
◆57.3 サンライズバッカス
◆57.0 ワンダースピード
このあとエイシンロンバードが53.0で、日本馬のみでのWscはこのようになるが、ヴァーミリオンの最近の4戦は中央での出走がなく、中央へ転厩してきたボンネビルレコードも前走のみでデータの足りないことでは外国馬並みというところだ。
18:55:27 |
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