＃316．５月のできごと

今年の５月、一種の病気に苛まれました。えもしれない不安に襲われて何もしたくなくなるのです。いくつか予定があると、そのうちのどれかをやめることによって安心できるような状態でした。お医者様にはかかりませんでしたが、外因性情動障害と自分で診断しました。

やるべきことややりたいことがあるなかで、お仕事などのやるべきことはやめる訳にいきませんので敢行しますが、結局やりたいことをやめることによって安心できることになりました。映画や美術館も行かなくなり、ブログや月刊の『伊達酔』も書かなくなった訳です。こんな状態のとき、たとえ自分でも外因性情動障害と決めると少しは楽になります。そして、無理なことはサボって良いのだと言い聴かせることも大切だったのだと思っています。もっとも仕事以外は誰に頼まれた訳ではない道楽なので、やめてもいいことだし、むしろ早くやめればもっと楽になるのかもしれません。

原因は４月の末にパソコンがおかしくなったことです。ハードは問題ないのでしょうが、パソコンの電源を切ると個人設定が保持されなくなってしまいました。すると立ち上げたとき、毎回設定をしなくては使えなくなります。そればかりではなく、いくつかの情報やデータが消滅していました。特に、メールアドレスが全滅だったのは、大きな衝撃が胸に響いたのを憶えています。

これからどうしよう、という不安が過ってきました。仕事ばかりではなく、普段のコミュニケーションのほとんどはメールでした。その手段がなくなってしまうと一体どうやって暮らしていけばいいのだろうという不安です。また、いかにメール頼みの生活をしていたかと思うと反省と言うより、恐怖のようなものを感じてきました。これから益々ネットやメール頼りになることは必須なのに、このようなことを思い浮かべるといたたまれないきもちになってきます。さらに、ネットに依らない従来型のコミュニケーションをあまりにも軽視してはいないかという自省の気持ちも湧いてきて、どうにもならなくなってしまいました。

仕方なく外因性情動障害と決め込んで、何もしないで時間を稼ぐことに専念しましたが、次の行動に移れたのは７月の中旬でした。