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07 July

#252.2000m、横一線

シーズンオフのない日本の競馬は、夏が調整期的な役割を果たしてきた。観る方も走る方も夏は息抜きだった。ところが、JRAも馬券の売上げの落ち込みが気になるか、サマーシリーズで盛り上げをはかってきている。もっとも普段からお客さまを大切にしていれば、1兆円もの売上げダウンという体たらくにはならなかったはずだ。
社保庁も顔負けの超お役人集団JRAの是正策は別の機会に譲るとして、今年は3つのサマーシリーズが組まれていて、次週からそのひとつサマー2000シリーズに入る。このシリーズは、夏のローカル競馬の名物レースが揃って2000mであることをシリーズ化したもので、7月8日の福島の七夕賞、7月22日の函館記念、7月29日の小倉記念、8月19日の札幌記念、8月26日の新潟記念、という5つのレースからなっている。

ということは、うまい具合に2000mのレースが揃っていた訳だが、これには少々結果オーライの経緯がある。その昔、戦後競馬が復活できたのも国庫への収入欲しさがあったことは否めない事実だが、そのため馬券が売れるようにレース体系は中距離中心に単純化された。結果、1600〜1800mのレースが多くなり、開催最終日の盛り上げとしてチョイ長めのナントカ記念2000mがお役人発想そのままにどこの競馬場でも画一的に並ぶことになった。

また、不思議なことに芝2000mだけがJRAの10ヵ所の競馬場で実施できる唯一の距離なのだ。あとの距離はどこかしらの競馬場で実施不可となっている訳だが、競馬の基本とも思える芝のマイル戦ができる競馬場は、東京、中山、京都、阪神、新潟の5会場だけで、これで芝のマイルのG?レースが7つもあるとはどうも不自然に思えてならない。
まっ、この辺の事情もあって、サマー2000シリーズは夏の数少ない重賞競走がどれもこれも2000mという能のないことへの逆転発想なので、少しはJARも褒めてあげよう。


さて、その七夕賞。梅雨時ということもあるが概して道悪という印象が強い。天気予報も7日は曇でもちそうだが、8日は時々雨となっている。先週は2週目だったが、雨でインはかなり荒れていた感じだった。この様子だと少しの雨でもかなり道は悪くなることを想定したくなるのが福島だ。だが、たった1日、しかも時々の雨だ。そんなに気にすることはないかも知れない。まずは、データベースの情報を見てみよう。

              Wsc   RRsc RTsc  DfWL   Asc  Hsc L3Tsc

◎ ニホンピロキース    64.4  59.1 67.1  −2.6   0.9 −0.6 46.1
○ ユメノシルシ      61.3  59.7 55.0  −1.0   1.9 −1.4 32.4
▲ ヴィータローザ     61.2  57.0 56.4  −3.5  −0.1 −0.9 49.9
△ フォルテベリーニ    60.4  52.0 58.8  −3.1   0.2  0.4 49.2
△ アドマイヤモナーク   57.4  62.3 62.8  −4.6  −0.4  1.4 29.1
△ アップドラフト     55.7  42.7 40.7  −0.4   0.2  0.3 40.3

  モリノミヤコ      53.9  44.7 40.0  −0.9   0.3  1.4 51.8
  アクレイム       53.7  49.6 44.9  −2.5  −0.4  2.4 53.1
  ゴーウィズウィンド   52.6  57.4 56.3  −4.2   1.6 −3.6 25.3
  サンバレンティン    50.5  43.8 49.1  −4.7  −1.2  2.8 50.6
  トリリオンカット    43.6  34.4 42.4  −5.5   1.7 −2.3 51.0

  ロードフラッグ     38.9  33.2 44.8  −5.4   1.0 −2.8 35.5
  ストーミーカフェ    38.7  38.7 47.3  −6.5   2.9 −6.1 26.3
  ストロングブラッド   38.6  30.2 59.2  −6.0   0.6 −4.2 34.5
  シアトルユー      36.2  30.7 54.8  −6.2   0.0 −2.8 29.9
  ユキノサンロイヤル   32.9  28.5 27.4  −5.5  −1.1 −3.1 38.6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc  :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
   ・L3Tsc:末脚?→上り3ハロンタイムのスコア


上位の5頭は、順番はともかく正当な評価だろう。順番をいえば、G?戦線で活躍してきたアドマイヤモナークが一番強そうだが、勝負どころで格の違いが出てしまったようで評価がひとつ上がらない。そこで、相手との勝ちっぷりではユメノシルシとなるし、タイムではニホンピロキースとなる。
次いで強いときもあるが、波が激しく信頼のイマイチなヴィータローザとフォルテベリーニがこれらに続く存在だろう。
赤マル急上昇といきたいのが、アップドラフトだ。確かに急上昇中なのだが1年ブランクができてしまったのだ。これをどう評価するか。注目したい1頭だ。

気持ち的に応援したいのがユキノサンロイヤルだ。このデータベースが始まったのが2000年だ。その初日に入力した1頭がユキノサンロイヤルなのだ。現在、登録馬は1万3千頭に上るが、ユキノサンロイヤルのコードは「00006」で、ディープインパクトが「09479」、ウオッカは「12502」だ。データベース」とともによくぞここまで走ってくれたものだ。早来としては当然の殿堂入りだ。


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