Archive for 07 February 2008

07 February

#349.良い仕事は良心から

月曜日、ドイツ映画を観た。近所のシネコンでのアンコール特別上映800円で『善き人のためのソナタ』を鑑賞した。善き人のためとは隋分大げさな題名で、中身が伴うのだろうかと余計な心配をしたが杞憂に終わった。いやいや、なかなか善い映画だった。

ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ、国家保安省の尋問官の主人公は厭らしいくらい見事に仕事をこなしていた。最初はなんて嫌なヤツだと思ったが、彼の私生活が映し出されたりするとすぐに見方が変った。そのストイックな生活態度に、世が世ならコイツは凄いヤツになれたのにと、半分同情、半分畏敬に変わった。

その彼が国家保安省の任務を確実に続けていくことに、今度は見る方が辛くなってきた。ところが、やはりストーリーは我々を楽にしてくれようにできていた。彼は期待どおり国家保安省の上司の指示に背き、左遷を覚悟で良心に沿った行動をとるのだ。

というと何となく胡散臭い話になりがちだが、そうではなく、結構スリルがあったりで大いに楽しめるのだ。主演のウルリッヒ・ミューエとは初めての出会いだが、協演のセバスチャン・コッホは『ブラックブック』に次いで2度目のお目合わせだ。見慣れた顔がいると映画も楽に観ることができるのが不思議だ。


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