Archive for October 2008

14 October

#464.断末魔

金融不安の火が収まらない。そりゃあそうだ、欧州などはそれなりの対応をしているが、火元のアメリカが明確な対策を打ち出さないからだ。残り少なく人気もない、消えていくだけのブッシュ政権では理解や支持の得られる策は出せないからだろう。そこで、政権として何かせねばならぬという訳で飛び出したのが、北朝鮮のテロ支援国家指定解除だとしたら何と言う恥知らずだろうか。

これには鼻っぱしの強い麻生君でも困っただろう。国連と日米同盟のどちらを取るなどと国会で大見得を切ってしまったからだ。次の話は北朝鮮への支援になるのだから、頼りのアメリカにこんなことをされては、日本は孤立するしか手がなくなりはしまいか甚だ心配である。最初から望んで孤立政策をとったならいざしらず、身捨てられて孤立する、こんな辛い話があるだろうか。

知能指数200と言われているライス国務長官でも今回は適当な言い訳すら考えられずに、日本には通り一遍の説明しかできなかったようだ。それにしても黙っていればいいのに、さらに恥の重ね塗りをしたがるブッシュのオツムの構造には理解しがたいものがある。


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06 October

#461.金融工学という妖怪

アメリカのウォール街で激震は世界中の頭を悩まし続けている。金融不安という実体経済とはかけはなれた経済現象だが、実に困ったものである。その陰に金融工学というお金がお金を生むことを研究してきた学問がある。どうもこの金融工学なるものが元凶といわれているようだ。

その象徴がブラック・ショールズ方程式なる数式で、投機の世界を高等数学で解析したものだ。この式のモデルは1971年ごろ出来上がっていたが、理論的に補強して実際に使用可能なものに1973年に完成させたのが、マイロン・ショールズとローバート・マートンである。この方程式は投機の世界の福音で多くの金融商品を生み出し、今日の金融市場の拡大に貢献をした。この功績によってショールズとマートンは1997年ノーベル経済学賞を授与されるのである。
複雑な形をした数式だが、よく見ると確かにとても魅了的な形をしていて、式の姿だけでも実に美しい。詳しいお方から少しばかり式の説明を聞いたが、それはよく考えられたモノという印象だった。

そのショールズとマートンは、受賞より先の1994年に二人ともにLTCMという投機会社に就職をして、投資運用をしていた。当初4年ほどは好調だったが、1998年にLTCMは破綻をしてしまう。最初は運用額も小さく手堅く設けることができたが、人気になって取扱い高が増えるとそこはやはり投機、うまくいかないのだろう。なにしろ、資本金66億ドルのLTCMが1000億ドルの運用をするのはチョイト無理ってなものだと思う。日本でも村上世彰が同様に、運用額が小さいうちは投資家に利益還元できていたが、お客がつき過ぎて運用が大きくなるとやはり難しくなっていたようだ。
だって、自分の賭けた金が賭場全体の賭け金のほんの僅かだから大穴も出るのだろうが、半分が自分の金だったら、総取りでも倍にしかならないのだ。投機家はこんな簡単な博打の理論がわからないようだ。


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