Archive for November 2008

29 November

#492.成熟期のジャパンカップ

6歳牝馬、メアジードーツのゴール前の一瞬の切れ味に舌を巻いてから27年が経った。ジャパンカップも28回を数えて、成熟の域にというところか。今年も海外から4頭が参加し一応の国際色は保たれているものの、G?ホースの参加はなくほどほどの盛り上がりというところか。
対する日本の陣営は、メイショウサムソン、ウオッカ、ディープスカイの3世代のダービー馬が揃い、さらに菊花賞馬、前年のグランプリホースも参戦してダイワスカーレット以外はほぼ勢揃いという盛況だ。有馬記念を控えて、世代間の実力差の把握ができそうな興味あるレースになりそうだ。

【 Wscランキング:ジャパンカップ 】(外国馬は除外)
◆Wsc: 66.8 ウオッカ       R= 53、 RR= 85、 RT= 75、 D= 1.3、 A= 0.0、 H= 1.9
◆Wsc: 62.1 マツリダゴッホ    R= 58、 RR= 75、 RT= 60、 D= 1.8、 A= 1.0、 H= 1.5
◆Wsc: 62.0 ディープスカイ    R= 55、 RR= 80、 RT= 63、 D= 0.5、 A= -0.1、 H= 5.5
◆Wsc: 57.4 オウケンブルースリ  R= 54、 RR= 68、 RT= 63、 D= 0.7、 A= -1.1、 H= 4.9
◆Wsc: 56.1 スクリーンヒーロー  R= 47、 RR= 69、 RT= 63、 D= 0.6、 A= 1.2、 H= 2.1
◆Wsc: 55.4 メイショウサムソン  R= 61、 RR= 72、 RT= 52、 D= -0.9、 A= -0.2、 H= 0.5
以上がWsc55を超えた推奨馬。
◆Wsc: 50.6 トーホウアラン    R= 42、 RR= 69、 RT= 58、 D= -0.7、 A= 0.4、 H= 0.8
◆Wsc: 47.2 アサクサキングス   R= 53、 RR= 66、 RT= 58、 D= -3.6、 A= 2.0、 H= -1.2
◆Wsc: 46.1 オースミグラスワン  R= 34、 RR= 62、 RT= 69、 D= -2.0、 A= -0.9、 H= 2.2
◆Wsc: 45.2 アドマイヤモナーク  R= 46、 RR= 63、 RT= 60、 D= -2.9、 A= -1.0、 H= 2.9
◆Wsc: 41.8 ダイワワイルドボア  R= 38、 RR= 59、 RT= 55、 D= -2.0、 A= 0.2、 H= 1.5
◆Wsc: 40.7 ネヴァブション    R= 42、 RR= 51、 RT= 59、 D= -3.2、 A= -0.4、 H= 3.6
◆Wsc: 36.5 トーセンキャプテン  R= 35、 RR= 52、 RT= 62、 D= -4.3、 A= 0.1、 H= 0.1
◆Wsc: 32.0 コスモバルク     R= 46、 RR= 42、 RT= 42、 D= -4.3、 A= 2.3、 H= -6.0
(外国馬)
◆Wsc: パープルムーン
◆Wsc: シックスティアーズ
◆Wsc: マーシュサイド
◆Wsc: ベイバルブル

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
このレースは日本馬中心ということになりそうだ。もうひとつの注目は武豊の落馬負傷による不参加だ。いつもなら、武豊はライバル他馬への騎乗経験があって、それだけでアドバンテージが出てしまうのだが、今回はディープスカイに騎乗する四位にアドバンテージがつくという珍しいことが起きる。これで四位が硬くならなければ良いのだがということだ。

中心はウオッカだ。相手はメイショウサムソンとディープスカイだが、この他に争覇圏内にあるのが、マツリダゴッホ、オウケンブルースリ、スクリーンヒーローだ。注目したいのは、DfWLのスコアの良いマツリダゴッホが面白そうだが、難しい割には堅く収まるという予想の意欲が湧きにくいレースだろう。


【 展開 】
明快な先行馬が不在で、逃げ馬が良く読めない。強いて言えば、コスモバルクかアサクサキングスということになろうが、意識的に先頭に立つとしたらアサクサキングスだろう。そして、その後の先行馬が、スクリーンヒーロー、マツリダゴッホという形になりそうだ。
中段は大きい集団になる。前のほうから、トーホウアラン、ダイワワイルドボア、トーセンキャプテン、ウオッカ、パープルムーン、シックスティアーズ、マーシュサイド、ベイバルブル、ディープスカイ、メイショウサムソン、ネヴァブションという順で、4角まで進みそうだ。
後方は、オースミグラスワン、アドマイヤモナーク、オウケンブルースリの3頭になる。

ペースはスローになるのは必至だ。ウオッカやマツリダゴッホは早めに先頭グループに取りつくだろう。ケヤキを過ぎてからの4コーナーにかけては静かな忙しさが騎手を悩ますのではなかろうか。


17:15:11 | datesui | No comments |

21 November

#490.展開は先行集団向きか

1984年に始まったマイルチャンピオンシップ、数えて25回になった。始まったのはついこの前のことかと思ったが、秋の京都の伝統レースという風格さえ漂ってきた。それは見応えのあるレースとそのレースを演じた名役者が数多く出たことだろう。創設いきなりニホンピロウイナーが連覇して、1マイルのスペシャリストという存在をクローズアップさせた。そのようなスペシャリストとしてマイルチャンピオンシップを連覇した馬は、ニホンピロウイナーを含めて5頭になる。あとの4頭はダイタクヘリオス、タイキシャトル、デュランダル、ダイワメジャーという名馬揃いだ。これらの名馬も素晴らしいが、シンコウラブリイやノースフライトという華麗な牝馬の活躍も、マイル戦というレース自体の興味に加え、錦上花を添えるかのように楽しませてくれた。

さて25回目の栄冠はどの駿馬の鞍上に輝くであろうか。天皇賞を蹴ったスーパーホーネットやエリザベス女王杯を蹴ったブルーメンブラッドの一所懸命の心意気もあり、また、カンパニーやスズカフェニックスの古豪も健在だ。データベースもきわどい数字を吐き出してきた。

【 Wscランキング:マイルチャンピオンS 】
◆Wsc: 64.2 ブルーメンブラット R= 63、 RR= 75、 RT= 57、 D= .5、 A= .2、 H= 3.8
◆Wsc: 60.4 スーパーホーネット R= 63、 RR= 64、 RT= 63、 D= -.5、 A= .1、 H= 4.6
◆Wsc: 58.3 エイシンドーバー  R= 66、 RR= 69、 RT= 61、 D= -2.1、 A= .5、 H= 2.8
◆Wsc: 57.7 ローレルゲレイロ  R= 48、 RR= 72、 RT= 62、 D= -.5、 A= 3.1、 H= -.9
◆Wsc: 56.3 カンパニー     R= 63、 RR= 67、 RT= 67、 D= -3.1、 A= -.1、 H= 4.7
◆Wsc: 56.2 マイネルレーニア  R= 39、 RR= 68、 RT= 63、 D= .6、 A= 2.9、 H= -2.4
◆Wsc: 55.5 キストゥヘヴン   R= 58、 RR= 61、 RT= 66、 D= -1.6、 A= 0、 H= 2.8
以上がWsc55を超えた推奨馬
◆Wsc: 54.6 スズカフェニックス R= 60、 RR= 67、 RT= 67、 D= -3.2、 A= -.6、 H= 3.9
◆Wsc: 54.6 リザーブカード   R= 50、 RR= 65、 RT= 70、 D= -1.6、 A= .1、 H= 2.6
◆Wsc: 52.1 サイレントプライド R= 53、 RR= 59、 RT= 59、 D= -.8、 A= 1.9、 H= 3
◆Wsc: 50.8 ジョリーダンス   R= 54、 RR= 64、 RT= 67、 D= -3.3、 A= .8、 H= .9
◆Wsc: 47.6 アドマイヤスバル  R= 33、 RR= 57、 RT= 70、 D= -1.9、 A= .8、 H= .5
◆Wsc: 44.8 マルカシェンク   R= 57、 RR= 47、 RT= 60、 D= -2.8、 A= .1、 H= 2.9
◆Wsc: 40.5 ファイングレイン  R= 44、 RR= 51、 RT= 66、 D= -4.3、 A= 1.1、 H= .6
◆Wsc: 35.3 スマイルジャック  R= 43、 RR= 53、 RT= 51、 D= -3.9、 A= 1.4、 H= 1.4
◆Wsc: 31.8 ショウナンアルバ  R= 42、 RR= 43、 RT= 51、 D= -4.4、 A= 1.3、 H= 1.2
◆Wsc: 29.2 コンゴウリキシオー R= 45、 RR= 33、 RT= 63、 D= -6.6、 A= 3.7、 H= -4.3
◆Wsc: 0  ラーイズアトニー  R= 0、 RR= 0、 RT= 0、 D= 0、 A= 0、 H= 0"

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
満を持してのブルーメンブラッドとスーパーホーネットにはご祝儀相場もついて中心馬に推挙されることになった。そこへの脇役集団だが、エイシンドーバー、ローレルゲレイロ、カンパンイー、マイネルレーニア、キストゥヘヴンの5頭がひしめく混戦になっている。抜け脱すような馬も見当たらない。
結局、Wsc上位の2頭を中心に考えることになると、対戦内容からタイムの裏付けの欲しいブルーメンブラッドだが、タイムを表すRTのスコアはスーパーホーネットに後れをとり、スーパーホーネットの独壇場となるのは致し方あるまい。すると、あとの6頭は脇役だが、その中からは、マイネルレーニアの上昇力とカンパニーの強敵相手の善戦に注目したい。


【 展開 】
マイル戦だけに明確な先行脚質に馬がいて、出馬表を見ているだけでも気持ちが良い。その先頭集団を構成するのは、コンゴウリキシオー、ローレルゲレイロ、マイネルレーニアの3頭だ。先頭を切るのは、コンゴウリキシオーに任せたい。
次の先行集団は、サイレントプライド、スマイルジャック、ショウナンアルバ、ファイングレインの4頭だ。実質的なペースをつくる重要な集団だ。
中段は、アドマイヤスバル、ジョリーダンス、エイシンドーバーの3頭だが、全体をみると実はここまでが実質的な先行グループかもしれない。
後方には大きなカタマリができる。ブルーメンブラット、マルカシェンク、リザーブカード、スーパーホーネット、ラーイズアトニー、キストゥヘヴン、カンパニー、スズカフェニックスの8頭だが、4コーナーを回って、早めにポジションの取れた馬は外を回るだろうが、内を突かざるをえない馬も出ることだろう。

マイル戦はペース次第で先行有利や追い込み馬向きになったりするのだが、先頭集団の次につける先行集団の動きが実質のペースをつくることになる。この先行集団の4頭少々調子落ちなので、実質ペースは遅くなることが予想される。すると、先頭集団は後ろから突かれることもなくペースを落とせるので、ローレルゲレイロやマイネルレーニアは大いに有利だ。後方からは、末脚を生かすスーパーホーネットやスズカフェニクスか、それとも自在性を生かしてのエイシンドーバーか、ペースと位置取りで決まるが3コーナー手前での判断になるだろう。


12:50:42 | datesui | No comments |

15 November

#487.最強牝馬決定戦

1970年に誕生した3歳牝馬のクラシック最終戦とした芝2400mのビクトリアカップが前身で、1975年にエリザベス女王が来日したのを機に来年からエリザベス女王杯と改名された。その後、競走体系の改正で1996年に3歳牝馬限定の秋華賞の設定と共に、エリザベス女王杯は3歳以上の牝馬とした最強牝馬賞決定戦という位置づけで、距離も芝2200mに短縮されて始まった。数えて33回になるが、経緯を考えれば実質13回というのが妥当だろう。

この10年を見ると、メジロドーベル、ファインモーション、アドマイヤグルーヴ、スイープトウショウ、ダイワスカーレットという錚々たる名馬を輩出してはいるものの、反面予想は極めて難しく相当程度に手強いレースである。今年は海外から2頭の参戦があるが、実力も調子も全く不明。さらに難しくなるのか。


【 Wscランキング:エリザベス女王杯 】
◆Wsc: 64.5 ムードインディゴ   R= 43、 RR= 67、 RT= 59、 D= -.7、 A= -.3、 H= 3.1
◆Wsc: 64.4 カワカミプリンセス   R= 51、 RR= 62、 RT= 50、 D= -1.1、 A= 1.6、 H= -.3
◆Wsc: 57.1 レジネッタ       R= 41、 RR= 62、 RT= 58、 D= -2、 A= -.1、 H= 2
◆Wsc: 56.8 エフティマイア    R= 34、 RR= 68、 RT= 50、 D= -1.3、 A= .5、 H= -.3
◆Wsc: 56.2 トウカイルナ     R= 31、 RR= 58、 RT= 60、 D= -.8、 A= -1、 H= 2.7
◆Wsc: 55.2 アスクデピュティ   R= 36、 RR= 47、 RT= 54、 D= .6、 A= -1.2、 H= 8.3
以上がWsc55を超えた推奨馬
◆Wsc: 54.1 ポルトフィーノ    R= 30、 RR= 51、 RT= 50、 D= .2、 A= .8、 H= 2.7
◆Wsc: 52.9 コスモプラチナ    R= 36、 RR= 55、 RT= 64、 D= -2.5、 A= 2、 H= -1.8
◆Wsc: 50.3 リトルアマポーラ   R= 42、 RR= 57、 RT= 51、 D= -2.7、 A= -.3、 H= 3.7
◆Wsc: 49.5 レッドアゲート    R= 48、 RR= 51、 RT= 53、 D= -2.8、 A= .6、 H= 2.1
◆Wsc: 48.3 アルコセニョーラ   R= 37、 RR= 48、 RT= 59、 D= -2.7、 A= -.7、 H= 2
◆Wsc: 47.7 ベッラレイア      R= 51、 RR= 58、 RT= 45、 D= -4.7、 A= .5、 H= 1
◆Wsc: 40.6 ビエンナーレ      R= 40、 RR= 48、 RT= 41、 D= -3.4、 A= 1、 H= -2.6
◆Wsc: 39.2 ピサノジュバン    R= 19、 RR= 41、 RT= 65、 D= -2.9、 A= .3、 H= .7
◆Wsc: 38.8 マイネレーツェル   R= 28、 RR= 48、 RT= 54、 D= -3.2、 A= -.4、 H= 1.8
◆Wsc: 24.4 レインダンス     R= 37、 RR= 41、 RT= 41、 D= -6.5、 A= .6、 H= -.7
◆Wsc: 0  フェアブリーズ    R= 0、 RR= 0、 RT= 0、 D= 0、 A= 0、 H= 0
◆Wsc: 0  トレラピッド     R= 0、 RR= 0、 RT= 0、 D= 0、 A= 0、 H= 0

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
このレースに至る順調な過程を考えると、ムードインディゴ、カワカミプリンセスが群を抜いている。そこへ実績を考慮すればカワカミプリンセスとなり、上昇力を加味すればムードインディゴとなろうか。格的には差があるが、この2頭の一騎打ちという想定だ。
これに続く勢力としては、レジネッタ、エフティマイア、トウカイルナ、アスクデピュティが有力だ。レジネッタは過程に甘さがあるが実績は十分、対するエフティマイア、トウカイルナ、アスクデピュティは経過が順調だ。傑出した2頭に対して、どこまで迫る馬が出るかというところだろう。


【 展開 】
コスモプラチナが逃げて、カワカミプリンセスがこれを追う。このあとに、ビエンナーレ、ポルトフィーノが追走して、この4頭で先頭集団を構成する。
そのあとは、レインダンス、レッドアゲート、エフティマイア、ベッラレイア、ピサノジュバンの5頭が、先頭集団をぴったりマークするだろう。
中段は、フェアブリーズ、トレラピッド、レジネッタ、ムードインディゴ、リトルアマポーラ、マイネレーツェルの6頭が、やや間延びした形で続くだろう。
後方は、アルコセニョーラ、トウカイルナ、アスクデピュティの3頭だが、緩やかな追走となるはずだ。

さて、動きだ。京都は3コーナーの淀の坂越えがある。坂は杉本アナウンサーの名調子の通り、ゆっくり下りなくてはいけないので、その前に好位に取りつく必要がある。4コーナーからの追い上げでも勝負できる末脚の持ち合わせていない馬は3コーナーの手前が1回目の勝負になる。エフティマイアやレジネッタはここで好位が取れないようでは圏外だ。4コーナーを回ってからは末脚自慢のトウカイルナ、ムードインディゴが動くが、ここで先頭集団と叩きあいに持ち込めないようでは勝機もない。
先行するカワカミプリンスは後ろの動きを見てから二の足的に仕掛けるが、格下だが末脚の強靭なアスクデピュティには注意が必要だろう。


00:02:41 | datesui | No comments |

07 November

#484.長距離スターの登竜門

先週は素晴らしいレースを堪能した。まさに10年に一度という作品かも知れない。勝ったウオッカは騎乗の武豊ともども必死のレースだっただけに、判定の出たときは嬉しかったというより安堵といった方が当たっていたと思う。同着という粋な計らいも選択肢にはなかったのかなと思うとともに、負けたとはいえダイワスカーレットのゴール前の差し返しは超一流の証しを示した。

さて、今週はアレゼンチン共和国杯。古馬の長距離のハンデ戦、骨太のレースで長い歴史があり、古豪という感じのレースだ。開設は昭和38年で当時はアルゼンチン・ジョキー・クラブ・カップと言っていたが、昭和49年にアレゼンチンの競馬がジョキー・クラブから国へ移管されたため、アルゼンチン共和国杯と改称された。古いファンの中には今だに「アルゼンチン・ジョッキー」と呼ぶ方もいらっしゃるようだ。

このレースは冬の長距離シリーズの初戦で、このあとのステイヤーズ・ステークス、年が明けて万葉ステークス、ダイヤモンド・ステークス、と続く3000m級のレースの試金石になる。出走16頭には常連も多いが、新しいメンバーも力のあるところが加わってステイヤーの地図が塗り替わる様相もある。微妙なハンデも利いてきそうで深い楽しみのあるレースだ。


【 Wscランキング:アルゼンチン共和国杯 】
◆Wsc: 63.4 トウショウシロッコ  R= 36、 RR= 70、 RT= 67、 D= -1.1、 A= 0.5、 H= 0.2
◆Wsc: 63.2 アルナスライン    R= 59、 RR= 61、 RT= 52、 D= -2.1、 A= 0、 H= 2.3
◆Wsc: 62.0 ジャガーメイル    R= 43、 RR= 56、 RT= 57、 D= 1.3、 A= -1.1、 H= 4.8
◆Wsc: 59.3 スクリーンヒーロー  R= 40、 RR= 60、 RT= 49、 D= 0.2、 A= 1.0、 H= 0.4
◆Wsc: 58.8 ダンスアジョイ    R= 43、 RR= 56、 RT= 57、 D= -1.3、 A= -1.3、 H= 4
◆Wsc: 55.0 エアジパング     R= 46、 RR= 56、 RT= 48、 D= -1.9、 A= 0.4、 H= 1.7
◆Wsc: 51.9 マンハッタンスカイ  R= 39、 RR= 57、 RT= 53、 D= -2.9、 A= 1.6、 H= -1.1
◆Wsc: 51.3 キングアーサー    R= 29、 RR= 51、 RT= 57、 D= -2.0、 A= -0.3、 H= 1.7
◆Wsc: 50.5 トウカイトリック   R= 40、 RR= 50、 RT= 40、 D= -2.7、 A= 0.2、 H= 0.1
◆Wsc: 49.1 メイショウカチドキ  R= 32、 RR= 56、 RT= 54、 D= -3.1、 A= -1.1、 H= 2.8
◆Wsc: 48.1 ネヴァブション    R= 34、 RR= 44、 RT= 45、 D= -2.5、 A= -0.6、 H= 0.1
◆Wsc: 42.6 マキハタサイボーグ  R= 41、 RR= 40、 RT= 41、 D= -4.9、 A= -0.7、 H= -2
◆Wsc: 40.2 ゴーウィズウィンド  R= 33、 RR= 43、 RT= 43、 D= -4.9、 A= 1.0、 H= -4.2
◆Wsc: 39.9 セタガヤフラッグ   R= 30、 RR= 34、 RT= 38、 D= -3.0、 A= 2.1、 H= -1.9
◆Wsc: 36.0 ヤマニンアラバスタ  R= 25、 RR= 31、 RT= 59、 D= -6.3、 A= -0.4、 H= 1.0
◆Wsc: 28.7 テイエムプリキュア  R= 25、 RR= 26、 RT= 45、 D= -6.9、 A= 0.6、 H= -1.8

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
古豪のレースには古豪が相応しいが、古豪たちは不調か、それとも衰えか、一昨年大暴れのトウカイトリックやマンハッタンンスカイなど、気を吐いて欲しいものだ。古手ではトウショウシロッコが元気だが長距離での場数は決して多くない。それより生きの良い若手の挑戦が楽しみだ。アルナスライン、ジャガーメイル、スクリーンヒーローの4歳勢で、新しいステヤーの旗手の登場もありうるだろう。

本線はトウショウシロッコだ。夏から2000m級のレースを連続して安定した成績を重ねている。この距離なら心配もなく、勝機は十分だろう。2番手はアルナスラインだが、ほとんど差はない。トウショウシロッコの勝ち味の遅いところを考えれば、勝つのはアルナスラインかもしれない。次いで3番手はジャガーメイルだ。直近の3戦、全て2400mを3連勝し、鋭い上昇力でオープン入りをした勢いがあり、大いに期待したい。そしてスクリーンヒーローだが、ジャガーメイルと同じような軌跡で勝ち上がったが、勝ち味が遅くジャガーメイルに一歩後れをとってしまった。ダンスアジョイは当レースの経験馬だが、長距離での実績は少ない。最近は成績こそ安定だが抜け出す力が足りない。
このレースを長距離シリーズの試金石と見るならば、4歳の3頭に期待をしてみたい。


【 展開 】
長距離なので妙な団子状態も考えられるが、逃げるのは、セタガヤフラッグとみる。追走が、マンハッタンスカイとなるだろう。そのあとの先行集団は、スクリーンヒーロー、ゴーウィズウィンドとなろう。
中段の前の方に、テイエムプリキュア、トウショウシロッコ、エアジパング、トウカイトリック、アルナスラインがつけ、中段の後ろは、キングアーサー、ヤマニンアラバスタ、ネヴァブション、マキハタサイボーグ、ということが想定される。
後方は、ジャガーメイル、メイショウカチドキ、ダンスアジョイの3頭だ。

動きはトウショウシロッコとアルナスラインからか、人気から早めに動くかも知れないが、長距離は動かずに済んだ馬に勝機が巡ってくることが多いので、動かない伏兵になれる馬が最後に笑いそうだ。


17:29:52 | datesui | No comments |