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26 December

#502.フィナーレは三つ巴

12月28日15時25分、第10レース有馬記念のスタートだ。有馬記念は昭和31年(1956年)創設のレースで、まさに昭和の遺産だ。それまで暮の中山は中山大障害がフィナーレであったが、春の日本ダービーと比べて華やかさに欠けるのは否めなかった。そこで、時の中央競馬会理事長の有馬頼寧(ありまよりちか)氏が中山競馬場の新スタンドの竣工に合わせ、日本ダービーに匹敵するレースを発案し創設に至ったとのことである。

ファン投票をはじめとする新しい試みが取り入れられ華やかなレースになったが、意外なことに定量戦であることが開催当時の懸念材料だったらしい。漏れ伝えることによれば、勝負付けの終わった定量戦では馬券はうれまいというのが心配されたそうだ。始まってみれば、最初はメイヂヒカリやハクチカラといった実力馬が勝って馬券も堅かったが、第4回で9番人気のガーネットが勝って単勝2280円もつけたそである。その後、ストロングエイト、メジロデュレン、ダイユウサクなどの穴馬の活躍が暮の有馬記念に彩りを添えた。そして去年は9番人気のマツリダゴッホが勝って、単勝は5230円もつけた。

さて、今年は牝馬の年だった。有馬記念も牝馬抜きでは語れない。ウオッカ、ダイワスカーレット、スリープレスナイト、ブルーメンブラッドと、牝馬限定ではないG?で今年は牝馬がこれほどまでに勝っているのだ。有馬記念での揃い踏みも見たかったが、大将格のダイワスカーレットと副将格のカワカミプリンセスが出走してきた。迎え撃つオス馬どもは、マツリダゴッホ、メイショウサムソン、スクリーンヒーロー、ドリームジャーニー、アルナスラインと、一応の顔ぶれは揃ったので好勝負の期待が湧きそうだ。

【 Wscランキング:有馬記念 】
◆Wsc: 64.2 スクリーンヒーロー R= 55、 RR= 77、 RT= 67、 D= 0.8、 A= 1.3、 H= 2.6
◆Wsc: 63.1 マツリダゴッホ   R= 59、 RR= 78、 RT= 64、 D= 0.1、 A= 1.3、 H= 1.4
◆Wsc: 62.8 ダイワスカーレット R= 59、 RR= 76、 RT= 56、 D= 0.2、 A= 2.7、 H= -0.2
◆Wsc: 59.7 カワカミプリンセス R= 50、 RR= 78、 RT= 60、 D= 0、 A= 1.5、 H= 0.3
◆Wsc: 57.4 メイショウサムソン R= 58、 RR= 75、 RT= 55、 D= -1.5、 A= 0、 H= 0.3
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.7 アルナスライン   R= 62、 RR= 62、 RT= 57、 D= -2.1、 A= 0.1、 H= 4.3
◇Wsc: 51.7 ドリームジャーニー R= 35、 RR= 61、 RT= 68、 D= -0.6、 A= -0.7、 H= 2.7
◇Wsc: 46.8 エアシェイディ   R= 40、 RR= 63、 RT= 59、 D= -3.4、 A= -0.4、 H= 2.1
◇Wsc: 44.7 アサクサキングス  R= 46、 RR= 57、 RT= 59、 D= -4.0、 A= 1.3、 H= -0.7
◇Wsc: 43.0 アドマイヤモナーク R= 42、 RR= 54、 RT= 60、 D= -3.5、 A= -1.0、 H= 2.8
◇Wsc: 40.1 ベンチャーナイン  R= 32、 RR= 66、 RT= 51、 D= -3.8、 A= -0.7、 H= 3.1
◇Wsc: 39.8 エアジパング    R= 46、 RR= 52、 RT= 51、 D= -4、 A= 0.4、 H= 2.3
◇Wsc: 38.4 フローテーション  R= 32、 RR= 56、 RT= 50、 D= -2.9、 A= -0.2、 H= 1.4
◇Wsc: 33.6 コスモバルク    R= 44、 RR= 45、 RT= 43、 D= -5.2、 A= 2.2、 H= -6.3

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
Wsc上位の3頭の争いと見るのが妥当だろう。2連勝と本格化して好調のスクリーンヒーロー、堅実な実績を重ねているマツリダゴッホ、そして実力はNO1と目されるダイワスカーレットの三つ巴だ。この3頭が頭一つ抜けていて、優勝馬はこの3頭からと決めて良さそうだ。
その他のメンバーはどうだろう。この3頭に迫るだけの爆発力がどれも不足しているので、優勝は期待しにくい。だが、3連複が上記の3頭で鉄板かとは思いにくい。勝負の過程で3頭のいずれかが脱落することもあり、割って入る馬も現れて当然だろう。カワカミプリンセスやメイショウサムソンが粘り込むか、脚質の違いを生かしてドリージャーニーが追い込むか、だが、終ってみれば上下差の大きい有馬記念ということになるのかもしれない。


【 展開 】
逃げるのはダイワスカーレットだが、唯一の心配事である外枠なのだ。スンナリ負荷なく先頭に立てれば問題はない。内枠のコスモバルクやカワカミプリンセスに絡まれことなく先頭に立ちたいものだ。
ということで、ダイワスカーレットが先頭、カウモバルク、カワカミプリンセスは追走ということになる。
中段は、マツリダゴッホ、スクリーンヒーロー、アサクサキングスが比較的前の方に位置取り、エアジパング、アルナスライン、メイショウサムソン、フローテーションが中央の位置を進むことになる。
後方は、エアシェイディ、ベンチャーナイン、ドリームジャーニー、アドマイヤモナークが自己のペースでゆっくり追走となるだろう。
さて、3コーナーで何が動くだろう。ジリっぽいメイショウサムソンが動きそうだ。もとよりロングスパートが得意だったこともあり、長い追い比べに活路を見出しそうな気配がする。前の馬が早めの勝負になると、後方の追い込み馬にも光が当たりそうだ。ドリームジャーニー、エアシェイディにチャンスも訪れよう。
このような波も立たずに直線に入ったなら、お決まりの坂上からの競り合いなり、実績上位馬が名を連ねることになろう。


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