Archive for 18 July 2008

18 July

#428.要因を探ると辛くなる

今週はアイビス・サマー・ダッシュだ。2001年から始まった1000mの直線コースによる超短距離戦だ。日本の競馬で直線コースの競走は新潟競馬場だけで、それだけでも価値あるレースだ。もともと新潟競馬場は馬場が良く、平坦で、直線が長いためタイムの出るコースだった。さらに開催時期も7月の中旬から9月の上旬と天気の悪い日本海側では比較的天気の良い季節の開催で、新潟→直線→良→好時計という連想が浮かぶほどスピード競馬が売りになっていた。その象徴がアイビス・サマー・ダッシュだったのだ。

ところが最近、サマー・スプリント・シリーズに組み入れられてから日程が繰り上がり、開催第1週である7月の中旬にスケジュールが変更された。残念ながらこの時期はまだ梅雨明け前で天気が悪く、さすがの新潟競馬場も超スピード馬場とはいかず、このところアイビス・サマー・ダッシュも凡庸なタイムで決着しているのは少し寂しい気がする。


【 Wscランキング:アイビス・サマー・ダッシュ 】
◆Wsc: 63.8 クーヴェルチュール  R= 50、 RR= 54、 RT= 40、 D= -1、 A= 1.8、 H= -.3
◆Wsc: 59.3 ステキシンスケクン   R= 37、 RR= 49、 RT= 64、 D= -2.3、 A= 1.1、 H= .9
◆Wsc: 59.0 マルブツイースター   R= 42、 RR= 56、 RT= 42、 D= -.9、 A= .4、 H= -.1
◆Wsc: 58.8 レヴリ        R= 33、 RR= 49、 RT= 56、 D= -1.4、 A= .5、 H= 1.2
◆Wsc: 55.9 カノヤザクラ     R= 47、 RR= 46、 RT= 56、 D= -3.8、 A= -.1、 H= 1.6
◆Wsc: 55.6 アポロドルチェ    R= 30、 RR= 58、 RT= 44、 D= -2、 A= -.1、 H= .5
◆Wsc: 55.0 ナカヤマパラダイス  R= 42、 RR= 45、 RT= 57、 D= -3.7、 A= 1.8、 H= -.5
以上がWsc55以上の推奨馬。
◇Wsc: 52.4 シンボリグラン    R= 31、 RR= 48、 RT= 59、 D= -4.2、 A= .3、 H= .8
◇Wsc: 52.0 スパイン       R= 29、 RR= 42、 RT= 64、 D= -3.3、 A= 2.1、 H= -2.7
◇Wsc: 51.7 サープラスシンガー  R= 43、 RR= 39、 RT= 38、 D= -1.9、 A= 3.5、 H= -1.2
◇Wsc: 51.4 シンボリウエスト   R= 37、 RR= 39、 RT= 42、 D= -1.6、 A= .3、 H= .8
◇Wsc: 50.7 エムオーウイナー   R= 43、 RR= 45、 RT= 46、 D= -4.6、 A= 2.8、 H= -3.1
◇Wsc: 49.4 タマモホットプレイ  R= 40、 RR= 45、 RT= 57、 D= -5.5、 A= -.8、 H= 2.3
◇Wsc: 48.1 アルーリングボイス  R= 34、 RR= 39、 RT= 58、 D= -4.3、 A= -.1、 H= 1.1
◇Wsc: 43.1 フジサイレンス    R= 27、 RR= 42、 RT= 46、 D= -4.7、 A= -.6、 H= .9
◇Wsc: 41.3 エイムアットビップ  R= 31、 RR= 40、 RT= 45、 D= -5.4、 A= 1.1、 H= -1.2
◇Wsc: 26.2 オートセレブ     R= 33、 RR= 29、 RT= 15、 D= -6.8、 A= .9、 H= -.9
◇Wsc: 26.2 ハナイチリン     R= 20、 RR= 25、 RT= 40、 D= -6.9、 A= 1.5、 H= -3.4

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
先週の七夕賞は馬場とハンデがレースを左右すると言ったのだが、終ってみれば左右したのは展開だった。同じようにアイビス・サマー・ダッシュのキーエレメントを考えれば、枠順になるだろう。直線コースなのに枠順とは怪訝に感じるだろうが、外枠が圧倒的に有利だ。開催時期が変更されてからは特にこの傾向が強く、また、どうやら週末の天気もワル目を覚悟しておいた方が良さそうだ。
そこで、狙いはクーヴェルチュールだ。久々だが実績を買ってみた。次いでステキシンスケクンだが、タイムの良さからの抜擢だ。あと、マルブツイースター、レヴリまでの4頭がレースを中心的につくっていく存在だろう。

注目は3歳場だ。アポロドルチェとマルブツイースターの2頭だ。アポロドルチェは、クラシックのG?では力の及ばないところがあったが、短距離のレースでは好成績を残している。先日の古馬との初手合わせのバーデンバーデンCでは見事優勝している。マルブツイースターは小倉2歳Sを勝ち、クラシックでは短距離のレースでも好成績を収めていた。バーデンバーデンCでは久々もあり、力を出し切れなかったが大崩れしない魅力もある。この2頭は、結果によっては秋のスプリンターズSの新星にのし上がる可能性もあるだろう。


【 展開 】
1000mの電撃戦だ。しかも直線コースなので、展開など不要と言われそうだが、考えてみる。
逃げるのは、サープラスシンガーだ。これに続くのが、エムオーウイナーとスパインだ。この3頭までが、先頭集団となるだろう。
続いての先行集団は、クーヴェルチュール、ナカヤマパラダイス、ハナイチリンが前の方につき、エイムアットビップ、ステキシンスケクン、オートセレブは少し控える形での追走になるだろう。
中段は、もう団子状態だが、レヴリ、マルブツイースター、シンボリグラン、シンボリウエストというかたまりになる。
後方は、カノヤザクラ、アルーリングボイス、アポロドルチェ、フジサイレンス、タマモホットプレイが追い込み体勢をとる訳だが、いずれは団子になってしまう集団だ。

短距離の追い込みという言葉があるが、さすがに直線の1000mではきれいな追い込みは不可能なようである。サバイバル的に抜け出てくる馬が強いようだが、なんと言っても枠順に左右されてしまうのは少し悲しい。


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