Archive for January 2009

30 January

#517.次への思惑

今度の根岸ステークスは昭和62年、1987年開設の比較的新しいレースだ。当時少なかったダートの重賞として鳴り物入りに近い状態での導入だったと記憶している。その後、フェブラリーSのG?昇格があってか、秋開催から1月に変更になり、平安SとともにフェブラリーSの重要な前哨戦となっている。という訳で次のフェブラリーSを見据えたレースであることを念頭に置くことになる。

そのフェブラリーSはダイワスカーレットが出走を予定しているそうで興味が湧くが、この根岸Sでも短距離のチャンピオン決定戦阪神カップを優勝したマルカフェニックスがダート初挑戦で出走してくるのもおもしろいことになりそうだ。当然のことながらダート界の古豪と新鋭のぶつかりあいもあり、フェブラリーSへの思惑が交錯する楽しさ満点のダート戦になりそうだ。

【 Wscランキング:根岸S 】
◆Wsc: 69.5 バンブーエール   R= 63、 RR= 64、 RT= 72、 D= 1.6、 A= 2.2、 H= 1
◆Wsc: 64.4 フェラーリピザ   R= 52、 RR= 64、 RT= 73、 D= .8、 A= .9、 H= .9
◆Wsc: 60.2 ヒシカツリーダー  R= 38、 RR= 65、 RT= 73、 D= 1.3、 A= .5、 H= 1.1
◆Wsc: 57.2 ナンヨーヒルトップ R= 40、 RR= 61、 RT= 67、 D= 1.5、 A= 1.5、 H= -.8
◆Wsc: 56.6 セントラルコースト R= 53、 RR= 54、 RT= 65、 D= .7、 A= 3.9、 H= -.7
◆Wsc: 56.2 ビクトリーテツニー R= 47、 RR= 60、 RT= 67、 D= -.5、 A= -.8、 H= 3.6
以上がWsc55を超えた推奨馬。
◇Wsc: 51.0 オフィサー      R= 47、 RR= 54、 RT= 61、 D= -1、 A= .5、 H= 1.9
◇Wsc: 49.0 ブイチャレンジ   R= 44、 RR= 53、 RT= 61、 D= -.8、 A= -1.3、 H= 8.6
◇Wsc: 47.7 マルカフェニックス R= 27、 RR= 69、 RT= 56、 D= -1.1、 A= .4、 H= .7
◇Wsc: 46.8 ニシノナースコール R= 27、 RR= 60、 RT= 67、 D= -1.6、 A= -.5、 H= 1
◇Wsc: 45.0 アドマイヤスバル  R= 47、 RR= 48、 RT= 67、 D= -3.6、 A= .8、 H= 1.4
◇Wsc: 44.8 リミットレスビッド R= 44、 RR= 50、 RT= 64、 D= -2.9、 A= -.7、 H= -.6
◇Wsc: 41.3 ボードスウィーパー R= 39、 RR= 47、 RT= 60、 D= -2.6、 A= -.7、 H= .3
◇Wsc: 41.2 スリーアベニュー  R= 36、 RR= 45、 RT= 70、 D= -3.2、 A= -1、 H= 2.8
◇Wsc: 40.2 フジノウェーブ   R= 40、 RR= 48、 RT= 59、 D= -3.4、 A= -1.1、 H= -1.1
◇Wsc: 28.7 ダンツキッスイ   R= 29、 RR= 42、 RT= 61、 D= -5.4、 A= 2、 H= -2

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
バンブーエールがダントツという状況だ。レースは6歳のリーダーに対して、それに続く5頭が挑戦する図式だ。その5頭は5歳陣が3頭でフェラーリピザ、ヒシカツリーダー、ビジトリーテツニー、4歳陣はナンヨーヒルトップとセントラルコーストだ。だが、オープン特別3連勝と最近の充実したバンブーエールの安定感は頭一つ出ている感がある。また、去年の平安S大敗後は、6戦4勝、2着1回、4着1回と、これまたオープンクラスでの着実な実績を積み重ねている。ここは順当に勝って、フェブラリーSでの晴れ姿を期待したい。
バンブーエールを脅かす勢力だが、実績のフェラーリピザか上り調子のヒシカツリーダーかだろう。気分的には勝ちっぷりの良いヒシカツリーダーを応援したくなる。また、穴っぽいところではセントラルコーストだ。良い枠を引いて逃げ切りを想像しているが、まだ早い春の妄想だろうか。


【 展開 】
セントラルコーストが逃げる。レースの中心、バンブーエールがこれを追いかける。となると期待のマッチレースになるが、そのあとの存在がある。ダンツキッスイとナンヨーヒルトップがこのあとにつけ、ここまでが先行集団を形成するだろう。中段は、フェラーリピザ、アドマイヤスバル、ヒシカツリーダー、オフィサー、マルカフェニックス、ニシノナースコールという順で進むだろう。後方は、ボードスウィーパー、リミットレスビッド、ビクトリーテツニーが前の方で、スリーアベニュー、フジノウェーブ、ブイチャレンジが控えることになる。

1400mという短い距離に加え、引っ張る馬、先行する有力馬がいるのでペースは速くなるだろう。そしてお天気だ。当日は雨が上がるかもしれないが、金土の2日間は雨だ。ダートが締まってタイムも良くなるので、先行馬が思いのほか粘る前残りになる可能性が極めて高いのだ。


11:47:09 | datesui | No comments |

27 January

#516.一目上り

去年は六地蔵や七福神などを見て回った。中でも七福神は深川を皮切りに、日本橋、谷中、下谷と4カ所を巡ってみた。地元の深川は初詣で七福神巡りを思い立ち、2月の天気の良い日の実行できた。実は七福神巡りはここまでで止まっていたのだが、M先輩がお酒の仲間と日本橋七福神を巡った由のメールをいただき、火がついたようだ。早速、3月になって家内をつれて日本橋七福神を訪ねてみた。日本橋七福神は都内有数のグルメ街の人形町を中心に広がっているので、家内も別な期待でついてきたはずだ。

すると、東京にはまだたくさんあるはずの七福神を訪ねてみたくなったが、サイトで七福神を見ると東京だけでも30もある。しかも一番下に書いてあったのは伊豆大島の七福神だ。そこで、東京の下町に限ることにした。ちょうどお友達で都立高校の先生をしているN先生がお仲間と書いた「東京下町散歩25」という便利なガイドブックもあるからだ。そこで、5月に実行したのが谷中七福神だ。谷中は小さい頃短期間だが住んでいたこともあり、また高校時代は上野界隈は庭のつもりでいたので、すぐさま実行になった。

さて次はと思った時、ただ巡り歩いたのでは能がないと考えるようになった。ふと浮かんだのが、江戸東京博物館の展示にあった江戸六地蔵巡りだ。江戸時代、村野ナニガシという御三卿清水家の家臣が江戸六地蔵を歩いて回ったのだ。南は品川、北は巣鴨、西は新宿、東は本所とぐるっと回ればかなりの距離だが、還暦を過ぎた村野は徒歩で訪ね歩いたのだ。資料をみると、1日で回っているのだが日付は8月11日となっている。いや凄い、暑い最中だ。よし、それなら俺も同じ日に決行を思い立った。すると少し間が空いてしまう。七福神に六地蔵、あと何かないかと思ったところにひらめいたのが鎌倉五山だ。五山、六地蔵、七福神、うまい具合に五、六、七だ。落語でよく出てくる「一目上り」で縁起が良い。なんてうまいアイデアと自画自賛して、一目上り参りとなった。

という訳で、6月には家内と鎌倉五山巡り、8月の11日に江戸六地蔵めぐりと順調に進んだが、10月の京都見物の計画を立てたころから次の進捗が鈍った。12月も中頃になり、やっと下谷七福神巡りを敢行することになり、そして現在ブログでの報告中である。


00:15:06 | datesui | No comments |

25 January

#515.下谷七福神巡り? −恵比寿・飛不動正宝院−

少しご無沙汰になってしまった下谷七福神巡りを再開しよう。ここまで5つの祠を踏破してきた。次は飛不動正宝院だ。5つ目の朝日弁天堂を出て、東の国際通りへ向かう。国際通りと言ってもゆかりの国際劇場がなくなってしまったので、通じないかも知れない。その国際劇場は1982年に閉鎖されてしまったが、SKD、これも昭和の遺物になってしまったが松竹歌劇団といって立派なレビューが掛かっていた。往時は国内有数のホールで、ダイアナで大ヒットを飛ばしたあのポール・アンカの来日ショーは国際劇場で執り行われたのだ。

その国際通りを渡って左手の道を入ると、飛不動正宝院がある。下谷七福神の寺社は概して静かで人気もないのだが、このお寺は活気がある。まず境内に掲げられた数多の提灯だ。それに飛不動と書かれた真っ赤な幟の列。これだけでも大いに活気ありと感じられる。だが、ここも例外なく人気はない。本堂の左手に小さいがまとまりの良い祠があり、恵比寿様が祭られている。ここもお賽銭をあげて、静かに拝んでみた。

このお寺は真言宗だそうだ。その昔、住職が本尊のお不動様を大峰山に置いて修行をしていたところ、本尊がひとりで飛んで戻ってきたことから飛不動の名がついたとのことだ。境内には本尊の飛不動のお不動様、七福神の恵比寿様の他、六地蔵やなんやらいろいろなものがあり、商売の道を探っているようにみえる。その気持ちが提灯や幟にも表れているようで、お寺とは言え座して死を待つというより好感がもてる。

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飛不動正宝院の境内。提灯と真っ赤な幟が迫力満点、ヤル気が伺える。右は恵比寿様の祠。提灯と幟とは好対照で品良くまとまっている。


23:34:40 | datesui | No comments |

23 January

#514.輝きうすく、ただ渋さのみ

今週はG?のアメリカ・ジョッキー・クラブ・カップ、略称AJCC、通称AJCと言われている。昭和35年、1960年から行われている冬の中山の名物レースではあるが、このところの地盤沈下は目に余るものがある。昔はAJCを勝って淀の天皇賞へ殴り込みというパターンがったが、今はAJCを勝ったぐらいでは大した注目にはならないようだ。西高東低で関東馬が振るわないことが最大の要因ではあるが、G?クラスの有力馬が揃って休養に入るようなことになり、いわば有力馬のシーズオフなのかも知れない。
そのAJCだが、今年は13頭の登録があった。だが、イマイチ光る馬がいない。眼を見張るような勝ち方で、天皇賞(春)への有力な挑戦馬が出て欲しいものだ。

【 Wscランキング:AJCC 】
◆Wsc: 63.5 エアシェイディ    R= 56、 RR= 73、 RT= 67、 D= -2.5、 A= -.5、 H= 2.6
◆Wsc: 62.7 アルナスライン    R= 52、 RR= 68、 RT= 63、 D= -1.8、 A= -.1、 H= 2.6
◆Wsc: 58.4 ドリームジャーニー  R= 42、 RR= 64、 RT= 67、 D= -2.1、 A= -.9、 H= 3.1
◆Wsc: 56.5 マイネルキッツ    R= 48、 RR= 60、 RT= 61、 D= -2.5、 A= -.2、 H= 1.9
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.3 ネヴァブション    R= 43、 RR= 59、 RT= 66、 D= -3.5、 A= .2、 H= 2.1
◇Wsc: 53.9 キングストレイル   R= 34、 RR= 57、 RT= 67、 D= -2.6、 A= .9、 H= .5
◇Wsc: 51.8 トウショウシロッコ  R= 45、 RR= 52、 RT= 57、 D= -3.2、 A= .6、 H= 1.4
◇Wsc: 51.4 メイショウレガーロ  R= 39、 RR= 58、 RT= 47、 D= -1.7、 A= 2.4、 H= -2.7
◇Wsc: 49.3 ドットコム      R= 35、 RR= 54、 RT= 40、 D= -.9、 A= -.4、 H= .1
◇Wsc: 46.1 グラスボンバー    R= 39、 RR= 48、 RT= 59、 D= -4.5、 A= -.8、 H= 2.3
◇Wsc: 37.8 チェストウイング   R= 32、 RR= 33、 RT= 45、 D= -4.7、 A= -.5、 H= -1.6
◇Wsc: 32.7 ゴーウィズウィンド  R= 26、 RR= 33、 RT= 51、 D= -6.8、 A= .8、 H= -3.7
◇Wsc: 31.5 サンツェッペリン   R= 23、 RR= 31、 RT= 43、 D= -5.7、 A= 1.5、 H= -3.8

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
本当に光る馬がいない。13頭の直近の3戦で重賞勝ちは、ドリームジャーニーの朝日チャレンジカップの
1勝のみという状態だ。あとは良く言って好走、もしくは脇役をしっかり務めたというぐらいだろう。ローテンションをみると、有馬記念組、金杯組、特別組に分かれそうだ。有力なのは強い対戦相手の中で役目を果たしてきた有馬記念組に目が向くのは当然だ。
その有馬記念3着のエアシェイディ、同じく6着のアルナスライン、4着のドリームジャーニーが主力だ。成績・走破タイムともに上位のエアシェイディが中心だろう。実績ならアルナスライン、走破タイムはドリームジャーニーが優位だ。だがこの3頭、力も拮抗、決め手もイマイチなので差のつかない決着になりそうだ。
もう1頭加えるとしたらマイネルキッツだ。この1年、重賞に6回出走したが、いずれも5着以内という堅実さだ。勝ちっぷりの悪い連中のレースなので、粘って馬券に絡むこともありそうだ。


【 展開 】
メイショウレガーロが逃げて、サンツェッペリンが追走という形になりそうだ。そのあとにつける先行組がキングストレイル、ゴーウィズウィンド、トウショウシロッコとなるだろう。中段は、ネヴァブション、アルナスライン、マイネルキッツの3頭が形成する。後方は、ドットコム、チェストウイング、エアシェイディ、グラスボンバー、ドリームジャーニーの5頭が控えて、全体として淡々と進みそうだ。
動きは13頭と手ごろな頭数であるため、いわゆる「普通の動き」になるだろう。4角で先頭に取りつくアルナスライン、後方から王道で追い込むエアシェディとドリームジャーニー、展開の紛れはなさそうだ。


21:58:45 | datesui | No comments |

21 January

#513.汽車賃をかけた甲斐

今年のミュージアム見物の第1号は八王子夢美術館になった。八王子までは東京駅から快速で約1時間、久しぶりの遠出になった。ネットの情報では入館料が500円と格安で、こいつは良いと思ったが、なんと汽車賃が片道780円。これでは少しも安くはない。
八王子駅から西放射ユーロードという街中を斜めに貫通した歩行者専用道路を歩く。やがて通常の道である甲州街道と直角に交差した道の交差点に出る。この八日市町の交差点から甲州街道に入り、西へ3、4分歩くと右手にビュータワー八王子が見えるが、その2階が八王子夢美術館だ。

案内表示に従ってエレベータを2階で降りると目の前に「いとも美しき版画の世界」という大きいが品の良い看板が目の前に広がる。早速、500円の入館券を買い順路に従って入ってみる。するとビックリだ。出品リストがあるのは当たり前だが、見どころ入り順路の案内図、西洋版画と日本版画のダイジェスト版比較年表、デューラーの『黙示録』やブリューゲルの『最後の審判』の説明資料、版画の技法のパンフなど、学芸員手作りの資料が「ご自由にお持ちください」なのだ。以前出掛けた横浜美術館も学芸員の汗かきが気持ちよく思えたが、それ以上のおもてなしに敬服だ。

さて展示だが、これもなかなかの内容だった。15〜17世紀のドイツ、フランドル、オランダのいわゆる北方ルネサンスの版画は期待どおりだったが、その後のヨーロッパ版画の展示は質・量とも充実した見事な陣容で、見応えも十分だった。特に20世紀の展示は、ピカソにマチス、クレーにカンディンスキー、エルンストにマグリットというように、著名な美術家は版画も残していることが一望に分かるようになっていた。また、版画と言えばというジャック・カロやビアズリーの作品も良く揃っていて、版画の展示としては極めて上等な企画と思う次第である。

お目当てが発券兼ミュージアムショップのカウンターにあったので、ジャック・カロの『2人のパンタローネ』、ビアズリーの『孔雀のスカート(サロメより)』を購入した。ここの女性も市民のアルバイトだろうか、決して容姿端麗ではないが品の良い奥様という感じの方で、丁寧な対応がとても素敵だった。

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八王子夢美術館の入り口。ビュータワー八王子のエレベーターを2階で降りるとこの光景が広がる。といっても狭いエントランスだが。右は八王子駅前から広がる西放射ユーロードの模様。緑の制服を着た駐輪を指導するおじさんがいて、自転車のマナーはとても良かった。


21:30:03 | datesui | No comments |