Archive for February 2009

27 February

#529.昨年の再戦は一騎打ち

今週は伝統の中山記念だ。伝統と気安く言っているが、創設を辿ったら昭和11年、1936年のことで今年は73年にもなり、開催も数えて83回目だ。これなら伝統の一戦といってもおかしくないが、だが思い出のレースがあるだろうか。長年、競馬を見てきたが、思い出すのは1974年のハイセイコーとタケホープの対決で、不良馬場の1800mをハイセイコーがものの見事に走り抜け、タケホープに完勝したレースぐらいだ。3月上旬という時期、1800mという距離、中途半端は否めないがこの条件だからこそ長らく生き続けられたのだろう。

今年は出走馬が10頭と若干淋しい。昨年、一昨年と16頭の出走があったが、その前は12頭、14頭、14頭とフルゲートにはなっていない。このへんも中山記念らしい。その10頭だが、2頭が抜けた存在で一騎打ちの様相だ。スケールは小さいがタケホープとハイセイコーの一戦を彷彿させるものがある。おまけにこのところの雨で、開催第1周とはいえ馬場は渋そうだ。しかもこの2頭、昨年も同じレースで手合わせをしており1着と3着だった。リベンジなるか、それとも返り討ちか、レースが楽しみだ。


【 Wscランキング:中山記念 】
◆Wsc: 65.2エアシェイディ    R= 55、 RR= 78、 RT= 65、 D= -1、 A= -.5、 H= 3.5
◆Wsc: 64.5カンパニー       R= 64、 RR= 72、 RT= 69、 D= -2.3、 A= 0、 H= 4
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.5トウショウシロッコ  R= 47、 RR= 58、 RT= 50、 D= -1.6、 A= .9、 H= .9
◇Wsc: 51.8キャプテンベガ    R= 48、 RR= 58、 RT= 54、 D= -3.2、 A= -.6、 H= 2.3
◇Wsc: 51.5キングストレイル   R= 44、 RR= 52、 RT= 63、 D= -3.4、 A= 1.1、 H= .8
◇Wsc: 50.1アドマイヤフジ    R= 45、 RR= 51、 RT= 67、 D= -4.1、 A= 1.1、 H= .1
◇Wsc: 47.9ドリームジャーニー  R= 39、 RR= 52、 RT= 60、 D= -4.6、 A= -.9、 H= 2.8
◇Wsc: 46.7スウィフトカレント  R= 41、 RR= 54、 RT= 52、 D= -4.6、 A= -1、 H= .9
◇Wsc: 34.4ドリーミーオペラ   R= 32、 RR= 29、 RT= 44、 D= -5.8、 A= -.3、 H= .3
◇Wsc: 33.4トップガンジョー   R= 28、 RR= 27、 RT= 38、 D= -4.9、 A= .7、 H= -6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
Wscの値からもエアシェイディとカンパニーのマッチレースあることは仕方のないところだろう。この2頭この1年半で3回の対戦があり、先着はカンパニーが2回、エアシェイディは1回である。2000m以下ならカンパニーで、2200mならエアシェイディと結果もわかりやすい。昨年の中山記念もカンパニーが優勝で、エアシェイディは3着だが、データベースの結論は最近の好成績からエアシェイディに利がありそうだが、差は僅か今年も昨年の再現とみたい。

両巨頭を脅かす存在だが、今年は雨を基軸に考えたい。渋い馬場が得意そうなキャプテンベガとキングストレイルに注目してはいかがだろうか。力の差があるので2頭を抑えるまでは無理だが、割って入ることなら期待できそうだ。


【 展開 】
10頭という手頃な頭数であり、さしたる先行馬も不在で、ダンゴのスローペースになりそうだ。ただ、コーナーを4つ回ることと、スタートから第1コーナーまでの距離が短いことから、内枠を利しての先行ということもありそうだ。
先行するのは、アドマイヤフジ、キングストレイル、トウショウシロッコ、トップガンジョーの4頭だ。あとの6頭はその後にダラダラっとつけることになるが、カンパニー、ドリーミーオペラ、エアシェイディ、キャプテンベガ、ドリームジャーニー、スウィフトカレントという順になろうか。

3コーナーで一団になり、3、4コーナーの中間からサバイバル型の抜け出しあいが予想される。結局、エアシェイディとカンパニーが後続を振り切ることになるが、少しでも前にいた方が有利とみたい。だからといって、3コーナーの前で無理をしてしまえば割り込む馬の存在を認めてしまうことになる。


18:08:31 | datesui | No comments |

25 February

#528.不思議なルール

いよいよWBCが始まる。オーストラリアと親善試合も行われ、日本は快勝したが、エースのダルと松坂には投球制限という宿題が残ったようだ。これによって力の出ないうちにお役御免ということにもなりかねないが、ルールがある以上適合しなくてはなるまい。

逆に、ファール打ちの名人が70球も80球もファールを打ち続けたらどうなるのだろうか。ピッチャーはバッターを1人も打ち取らないうちに投球制限で降板になってしまうことになる。ベンチには8〜10人ぐらいしかピッチャーはいないだろうから、1イニングで3人も交代ということになったら投球制限で試合は負けてしまう。

すると攻撃の選手はホームランやヒットを打つよりも、ファールを打ち続ける選手の方が勝利を呼び込む確率が高そうだ。イチローの内野安打も魅力だが、内川のようにミートに自信があるならファール狙いもおもしろうだ。ということは、その前に選手選考のファクターにはファール打ちという技術も、原監督は考えておくべきだったのだ。ノムさんが選考に異議ありと言ったのは、このあたりかも知れない。


23:23:00 | datesui | No comments |

23 February

#527.東京スカイツリー

東京スカイツリーは東京墨田区押上に建設中の電波塔である。完成すれば高さ610m、鉄塔としては広州タワーの609mを凌ぎ世界1位になる。なお建造物全体ではブルジュ・ドバイの818mに次いで世界第2位になる。

これを散歩のついでと言っては少し大掛かりだが、押上まで見に行ってきた。基礎工事だけで見える部分はまだかと思ったが、見える部分ができていたのは望外の喜びだった。だが、東京タワーのときと同じで、今見える部分が最終的にスカイツリーのどの部分になるのは見当もつかないのだ。愚察だが、現在はスカイツリーの3本の鉄柱を1本ずつ独立に作っているように見えた。この太い3本が上方へ伸びると、三方から集まってひとつになり、円形になるのかと想像してみた。ところで600mとは、空のどこまで届くのだろうか。工事現場の上空を仰いでみたが、姿の良い想像はできなかった。


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業平橋駅そばの東武橋からスカイツリーの工事現場を眺めてみた。槌音高く工事は進んでいるようだ。600mは果たしてどの位置になるのだろうか。


23:03:00 | datesui | No comments |

20 February

#526.ヒロイン消えても

今週のフェブラリー・ステークスは26回目になるが、創設当時はダートの重賞という触れ込みで格付けもG?だった。その後ダートの地位向上により、1997年の14回からG?への昇格を果たし、今回で12回目になる。ダートのG?ということで、芝とは異なるメンバーに加え地方からの参戦など、普段とは違う話題の飛び交う楽しいレースになっていった。
今年はダイワスカーレットの参戦という、芝の女王がダートへ転進という前代未聞の話題があったが、ダイワスカーレットの故障で残念ながら立ち消えとなった。それでも現在望みうる最高のメンバーが結集したと思える陣容で、素晴らしいレースが展開されそうだ。2月22日の東京競馬場、11レースが楽しみだ。


【 Wscランキング:フェブラリーS 】
◆Wsc: 67.6 ヴァーミリアン      R= 73、 RR= 76、 RT= 62、 D= .3、 A= .2、 H= 2.4
◆Wsc: 64.2 エスポワールシチー   R= 53、 RR= 65、 RT= 70、 D= 2.6、 A= 3.9、 H= .1
◆Wsc: 60.8 フェラーリピザ      R= 54、 RR= 68、 RT= 72、 D= .5、 A= 1、 H= 1.1
◆Wsc: 56.2 ヒシカツリーダー    R= 39、 RR= 69、 RT= 71、 D= 1.1、 A= .6、 H= .7
◆Wsc: 55.5 カジノドライヴ      R= 49、 RR= 64、 RT= 74、 D= -.1、 A= 1.8、 H= -.8
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.6 トーセンブライト    R= 56、 RR= 62、 RT= 68、 D= -1、 A= -.3、 H= 1.2
◇Wsc: 54.2 バンブーエール    R= 51、 RR= 63、 RT= 68、 D= -.8、 A= 1.6、 H= .3
◇Wsc: 50.2 カネヒキリ       R= 53、 RR= 60、 RT= 70、 D= -2.1、 A= 1.3、 H= .5
◇Wsc: 49.0 サンライズバッカス  R= 52、 RR= 64、 RT= 69、 D= -3、 A= -1.1、 H= 2.8
◇Wsc: 47.5 ビクトリーテツニー  R= 40、 RR= 60、 RT= 68、 D= -1.2、 A= -.7、 H= 2.7
◇Wsc: 44.6 アドマイヤスバル   R= 50、 RR= 58、 RT= 68、 D= -3.6、 A= .6、 H= 1.3
◇Wsc: 44.6 オフィサー       R= 40、 RR= 58、 RT= 62、 D= -1.2、 A= .7、 H= .8
◇Wsc: 42.8 サクセスブロッケン  R= 42、 RR= 50、 RT= 61、 D= -1.1、 A= 2.1、 H= -.3
◇Wsc: 41.7 キクノサリーレ    R= 51、 RR= 61、 RT= 62、 D= -.2、 A= .7、 H= 1.7
◇Wsc: 40.5 ナンヨーヒルトップ  R= 41、 RR= 57、 RT= 65、 D= -2.8、 A= 1.8、 H= -1.3
◇Wsc: 25.7 カフェオリンポス   R= 37、 RR= 38、 RT= 43、 D= -3.3、 A= -.6、 H= -2.6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
ヴァーミリアンの大本命とみる。実績、直近の成績と申し分がない。対して、上昇アカ丸のエスポワールシチー、好調持続のフェラーリピザ、成績安定のヒシカツリーダー、潜在能力を買いたいカジノドライヴが本命に挑む形になろう。
ヴァーミリアンの強さはいまさら言うまでもないが、G?だけを安定的にこなし???という成績は波のG?ホースではなしえない放れ業だ。上昇力のエスポワールシチーは前回の平安Sでは?着だが、それまでは未勝利からの5連勝でオープンに駆け上がった勢いを評価したい。フェラーリピザはこの6戦をすべて連対という好調を持続しており好走が見込まれる。ヒシカツリーダーもオープンに上り詰めてからの3戦を???と好成績を残しており、タイムも良好で期待がかかる。カジノドライヴはでデータには表れない実績があり、潜在能力に賭けることになる。候補には登場しなかったが、カネヒキリにも同様なことが言えて、地方でのG?2連勝、JCダートと合わせてG?3連勝は並みの馬ではできない快挙だ。当然マークの必要な1頭にはしておきたい。でも、手を広げるのはここまでで十分だろう。


【 展開 】
逃げるのはエスポワールシチーの他にあるまい。追走も、サクセスブロッケン、ナンヨーヒルトップ、カジノドライヴ、バンブーエールという先行集団が形成されるだろう。
中段には、カネヒキリ、フェラーリピザ、キクノサリーレ、オフィサー、ヒシカツリーダー、アドマイヤスバルが占め、後方には、ヴァーミリアン、トーセンブライト、カフェオリンポス、ビクトリーテツニー、サンライズバッカスが控えることになろう。

ペースはエスポワールシチーがつくることになるが、やや速めというところか。無理にスローにする必要もなさそうだ。間延びした縦長にはならないが、ダンゴにもならず、適当な緊張感のあるペースでレースが進むはずだ。4コーナーを回ってもしばらくは序列が崩れず、ゴール前一気に入れ替わる展開が繰り広げられそうだ。スリルのある攻防の期待できる好レースになることは必至だろう。


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18 February

#525.内の不満を外で発散

160年ほど前のフランスのお話だ。1851年にクーデタを起こして政権を奪取したルイ=ナポレオンは翌年国民投票によって皇帝に即位し、ナポレオン3世として第二帝政を始めた。ここまでは1848年の2月革命以来混乱していたフランスの救世主とも思える人気のありようだった。

ところが国内の情勢は不安定で、しかも有効な政策が打てなかったこともあり、ナポレオン3世は国内の不満を国外に向けさせることで凌ぐしかなかった。そこで、仕方なく外交を積極的に展開することになった。

まず、1853年のクリミア戦争だが、これはフランス軍の予想外の活躍があり、見事に勝利して皇帝の権威を高めた。これに気を良くしたか、続いて1856年からイギリスと共同でアロー号事件を起こし、サイゴン条約でインドシナを確保した。さらに1859年、イタリア統一戦争に介入したものの、途中でイタリアを見捨て、自国の利益優先の選択をしてオーストリアと単独で講和した。このへんからナポレオン3世の力の限界が見えてきたようだ。1861年から何を思ったかメキシコ遠征を行ったが、南北戦争の終ったアメリカの抗議などで撤退を余儀なくされ、皇帝の権威は失墜した。

折しも国内では自由主義運動が台頭し、ただでも労働者、資本家、農民の均衡をとる政策に四苦八苦していたため、議会に譲歩したり、新たな権利を認めたりもしていた。それでも体制批判は収まらず、選挙でも反対派が大幅に進出した。

そこへスペイン王位継承問題で戦争のプロであるプロイセンと対立したときには、国内事情から強硬姿勢を取らざるを得ず、無謀にもプロイセン=フランス戦争に突入してしまった。結果は見るも無残で、フランス皇帝ナポレオン3世はプロイセン軍の捕虜になってしまい、第二帝政は脆くも瓦解した。

内政で行き詰った為政者は無謀な外交に活路を求める。国益はおろか、国の運命までも危うくすることになりかねない行為である。日本の為政者もナポレオン3世の愚行を反面教師として肝に銘じていただきたいものである。


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