Archive for 13 February 2009

13 February

#522.メンバーも展開も、重く、渋く

JRAのレース名はシリーズになっている。一番多いのが花の名前だ。その最高峰が桜花賞と菊花賞であることから推測できるが、2歳や3歳のレースに使用されている。他には、皐月賞に代表される陰暦の月名、アンタレスSなどの星の名前、そして今週のダイヤモンドSはガーネットSなどとともに誕生石に由来するレース名だ。花、月、星、誕生石は季節感があって、毎月の名称になるのでシリーズとしては好都合だ。
ダイヤモンドSが誕生石由来なら、ダイヤモンドは4月の誕生石なので2月の開催は少し変だ。だが昭和26年、1951年に開設されたときは、れっきとした4月開催だった。ところが長距離が嫌われたのか、邪魔モノを扱うかのようにあちこちに動かされ、彷徨の果てに冬の東京開催にやっと仕官先を見出したのだ。そして今となっては、東京競馬場の冬の風物詩になってきたようだ。府中の天皇賞が3200mから2000m短縮されたこともあり、第3コーナーの手前からスタートするダイヤモンドSは昔の天皇賞とのイメージが重なり懐かしい気持ちも湧いてくる。
さて、今回の出走馬は16頭。地味なG?はメンバーも裏町的で突出したスターはいない。玄人好みの渋いレースが府中の3400mに繰り広げられる。

【 Wscランキング:ダイヤモンドS 】
◆Wsc: 61.5 フローテーション   R= 22、 RR= 71、 RT= 44、 D= -.9、 A= .2、 H= .4
◆Wsc: 58.9 ハギノジョイフル    R= 17、 RR= 54、 RT= 45、 D= .6、 A= .7、 H= .2
◆Wsc: 58.1 ビービーファルコン  R= 18、 RR= 54、 RT= 49、 D= .3、 A= 1.1、 H= .1
◆Wsc: 57.2 モンテクリスエス    R= 17、 RR= 56、 RT= 45、 D= .1、 A= -.2、 H= .7
◆Wsc: 56.5 ウォーゲーム     R= 16、 RR= 52、 RT= 45、 D= .5、 A= .2、 H= .8
◆Wsc: 55.9 スノークラッシャー   R= 13、 RR= 53、 RT= 46、 D= -.3、 A= 0、 H= .8
◆Wsc: 55.9 ドリームフライト   R= 19、 RR= 53、 RT= 44、 D= -1.1、 A= 1.5、 H= -1.2
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 53.7 トウカイエリート    R= 28、 RR= 62、 RT= 35、 D= -3.2、 A= -.1、 H= -.6
◇Wsc: 51.7 ドラゴンファイヤー   R= 11、 RR= 62、 RT= 35、 D= -3.4、 A= -.2、 H= .1
◇Wsc: 49.9 ブレーヴハート     R= 12、 RR= 51、 RT= 44、 D= -2.1、 A= -.4、 H= 1.1
◇Wsc: 48.9 エーシンダードマン   R= 32、 RR= 44、 RT= 32、 D= -1.7、 A= -.9、 H= 0
◇Wsc: 48.3 ベンチャーナイン    R= 19、 RR= 60、 RT= 41、 D= -3.9、 A= -.4、 H= 1.2
◇Wsc: 47.0 ブラックアルタイル   R= 21、 RR= 46、 RT= 46、 D= -3.1、 A= -.4、 H= .8
◇Wsc: 42.2 ウインカーディナル   R= 7、 RR= 40、 RT= 43、 D= -3.7、 A= -.3、 H= .5
◇Wsc: 30.8 ゴーウィズウィンド   R= 20、 RR= 34、 RT= 34、 D= -6.7、 A= .6、 H= -2.7
◇Wsc: 23.6 サケダイスキ      R= 9、 RR= 26、 RT= 35、 D= -7、 A= .7、 H= -1

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
唯一の実績馬フローテーションとこれに挑む上昇馬の争いという構図だ。だが、その実績馬も突出した実績を誇れるものではなく、上昇馬も1600万クラスか1000万クラスでの好走で、そのまま重賞に通用するかは即断しにくい。
それでもフローテーションが中心馬に推挙されるのは長距離での実績だ。直近の有馬記念こそ9着だったが、3000mの菊花賞、3600mのステイヤーズSをともに2着という好成績だ。その源泉は母の父リアルシャダイのステイヤーの血のなせる業で、ここでも好走を大いに期待したい。
対する上昇組だが、対抗できそうなのはハギノジョイフルとビービーファルコンだろう。ともに1000万、1600万と連勝で勝ち上がってきた勢いは相当で、フローテーション1頭なら十分通用しそうだ。加えて脚質の自在性や末脚もしっかりしているので、ともに重賞初挑戦だが後れをとることはなさそうだ。
モンテクリスエス以下、ウォーゲーム、スノークラッシャー、ドリームフライトは上位3頭からやや差があるが、その3頭が絶対的ではないだけに上位への食い込みも考えられる。推奨馬以外では長距離のエキスパート、トウカイエリートだが、さすがに実績のスコアは高い。年齢の衰えは隠せないが、経験豊富さが厳しいレースには怖い存在だ。


【 展開 】
実力同様、展開も微妙だ。レースを引っ張る明快な逃げ馬や先行馬がいない。長距離だけに単調で重いレースが3分半以上続くことになる。
そこで先頭を切ると思われるのは、ドリームフライトで、ビービーファルコンがこれを追走する形になる。
この先頭集団を追うのは、サケダイスキ、ハギノジョイフル、ゴーウィズウィンドの3頭になる。そして、フローテーションとウォーゲームの2頭が微妙な位置関係を保ちながら進むことになる。
このあとは後方集団になるが、スノークラッシャー、トウカイエリート、ドラゴンファイヤー、モンテクリスエス、ウインカーディナル、ベンチャーナイン、ブレーヴハート、ブラックアルタイルの8頭が様子伺いを続けながらの追走になるだろう。最後方に、エーシンダードマンがただ1頭、虎視眈々ということになる。

完全なスローペースになる。前の7頭も出たり入ったりの状態が続き、消耗を避けながら相手にプレッシャーを掛ける戦法を7頭が採るだろうが、はたして思惑どおりに進むだろうか。後方も同様に牽制が続く訳だが、どれだけ動かずにレース運営ができるかにかかっているだろう。


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