Archive for April 2009

30 April

#553.今年を背負う馬

しばらくお休みをいただきました。復帰の初戦はこともあろうに、G?中のG?、天皇賞・春です。
G?は強い馬が集まり力を競います。そのG?の中でも春の天皇賞と言えば、強いだけではなく格式や品格も備えた完成域に近い馬の競演というイメージを感じます。

さて、出走の18頭、いずれも精鋭のハズですが、中心馬が見当たらず混戦です。18頭揃って、格式どころか強さもおぼつかない馬ばかりで、ちょっと心配な天皇賞になりそうです。中心馬は不在と見るより、このレースから育っていくと見た方が良さそうです。
下のデータを見ると、トウカイトリック、ポップロック、デルタブルースという往年の長距離ランナーも寄る年波か、スコアの低さが目立ちます。反対に、Wsc55を超えた面々は歳も若く、中心馬になって欲しい存在ですが、イマイチ信頼が置けません。去年1年間、オス馬どもはダイワスカーレットを始めとする牝馬に頼りきりで、いわば髪結いの亭主状態で過ごしました。いま、ダイワスカーレット亡き後、突き放されたぐうたら亭主が独り立ちできるかが問われています。
このレースをしっかり勝って、この1年を支えていく存在になって欲しいものです。とは言っても、顔ぶれをみると改めて頼りないですな。

【 Wscランキング:天皇賞・春 】
◆Wsc: 62.3 アルナスライン   R= 35、 RR= 68、 RT= 62、 D= -1.7、 A= .2、 H= 2
◆Wsc: 61.1 モンテクリスエス   R= 25、 RR= 70、 RT= 56、 D= .1、 A= -.4、 H= 1.2
◆Wsc: 59.7 マイネルキッツ   R= 19、 RR= 72、 RT= 63、 D= -1.1、 A= -.2、 H= .8
◆Wsc: 59.5 ジャガーメイル   R= 23、 RR= 60、 RT= 56、 D= .9、 A= -.5、 H= 3.2
◆Wsc: 57.6 スクリーンヒーロー R= 38、 RR= 75、 RT= 39、 D= -2.8、 A= .7、 H= 2.7
◆Wsc: 56.8 アサクサキングス  R= 40、 RR= 67、 RT= 34、 D= -1.9、 A= .8、 H= .9
◆Wsc: 56.6 ホクトスルタン   R= 44、 RR= 60、 RT= 52、 D= -2.9、 A= 3、 H= -2.3
◆Wsc: 55.9 ゼンノグッドウッド R= 8、 RR= 63、 RT= 44、 D= 1.8、 A= -.2、 H= 1
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.8 ネヴァブション   R= 29、 RR= 62、 RT= 60、 D= -2.7、 A= .3、 H= .8
◇Wsc: 54.7 ヒカルカザブエ   R= 31、 RR= 67、 RT= 29、 D= -.5、 A= .2、 H= 3.7
◇Wsc: 53.4 ドリームジャーニー R= 21、 RR= 66、 RT= 47、 D= -2、 A= -.4、 H= 1.3
◇Wsc: 44.6 サンライズマックス R= 14、 RR= 50、 RT= 60、 D= -3.8、 A= -.2、 H= .5
◇Wsc: 42.3 トウカイトリック  R= 40、 RR= 51、 RT= 28、 D= -5.2、 A= .1、 H= .9
◇Wsc: 40.5 ポップロック    R= 34、 RR= 36、 RT= 45、 D= -4.5、 A= .4、 H= -1.6
◇Wsc: 38.1 デルタブルース   R= 28、 RR= 50、 RT= 25、 D= -4.5、 A= 1.1、 H= -.7
◇Wsc: 37.0 テイエムプリキュア R= 21、 RR= 49、 RT= 25、 D= -4.6、 A= 1、 H= -1.9
◇Wsc: 33.4 コスモバルク    R= 21、 RR= 36、 RT= 55、 D= -6.4、 A= .7、 H= -2.9
◇Wsc: 31.7 シルクフェイマス  R= 18、 RR= 41、 RT= 50、 D= -6.6、 A= .6、 H= -2.3

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
候補馬を挙げていくと、出走馬は18頭なのに10頭を超えてしまうのだ。それだけ期待しなければいけない馬に信頼がもてないのだ。それだけにスコアに忠実になることも必要かもしれない。それでもWsc55超え65以下に8頭も入ること自体、異常と言える。統計理論的には4〜5頭しか入らないハズなのだ。
そこで一応この8頭を1次スクーリニングとして次を考えると、まず最近の実績からは、スクリーンヒーロー、マイネルキッツ、モンテクリスエス、アルナスライン、アサクサキングスとなろう。内容を示すタイムは、マイネルキッツ、アルナスラインとなる。すると、マイネルキッツ、アルナスラインとなる。アルナスラインは周囲も認めるところだろうが、マイネルキッツはこの4戦G?G?で????というしぶとい成績を維持している。不安なのは長距離の経験だが、BMSがサッカーボーイでむしろ期待がもてる。そこで長距離の適性だが、アサクサキングスが抜群の実績を誇る。3000m以上のレースで3戦して1着2回3着1回である。去年の天皇賞・春は3着だが、菊花賞と阪神大賞典は優勝している。

結論は、マイネルキッツ、アルナスライン、アサクサキングスが第1候補群、スクリーンヒーロー、モンテクリエスが第2候補群、ジャガーメイル、ホクトスルタン、ゼンノグッドウッドが第3候補群となるが、第1、第2の候補群の5頭で勝負したい。


【 展開 】
果敢に先頭を切るのがホクトスルタンだ。明確な逃げ馬がいるとレースが締まる。好レースの期待さえもててくる。これに追走して先頭グループを形成するのが、デルタブルース、テイエムプリキュアだ。そのあとの先行集団には、アサクサキングス、スクリーンヒーロー、コスモバルク、シルクフェイマスが入り、中段には、ポップロック、ネヴァブション、ヒカルカザブエ、アルナスライン、トウカイトリックが静かに勝負の時を待ちながら進むことになる。後方は、マイネルキッツ、サンライズマックス、ゼンノグッドウッド、が前の方で、最後方に控えるのは、モンテクリスエス、ドリームジャーニー、ジャガーメイルとなろう。

このレースの主役は調子さえ良ければホクトスルタンだ。淀みのないペースでレースを引っ張れば、レース自体に緊張感が湧き、おもしろくなるばかりかレースの品格も出てくる。先行集団のアサクサキングスとスクリーンヒーロー、中段のアルナスライン、後方のマイネルキッツとモンテクリスエス、それぞれがマークをし合いながらも自分のペースで仕掛ける。直線でホクトスルタンを後方の馬が交わしたとき、有力5頭が横一線で叩き合いに入るのが最高のレースとなる筈だ。


23:31:18 | datesui | No comments |

17 April

#550.淡々と強さを証明

先週、予想以上の強さを発揮して栄冠を勝ち取ったブエナビスタは、歴史に残る名馬の1頭になりうる切符を手にしたようだ。もっとも切符の使い方は今後にかかっている。今週は皐月賞だが、それにやや近い状況になっていることは確かで、2週連続でワクワクするシーンが楽しめるかもしれない。
中心馬がいる。それだけではなく適当なライバルもいるので、今年の皐月賞は魅力が一杯だ。レースの芯となる馬のいないレースはおもしろくないが、圧倒的に強すぎても興ざめだ。今年の中心馬はここまでの経過は申し分なく、問題なく中心の1頭だ。だが、2番手、3番手に控える馬も決して凡なる馬ではなく、ひとつ間違えれば逆転もあるだろう。今年のおもしろさはそこにある。

【 Wscランキング:皐月賞 】
◆Wsc: 68.1 ロジユニヴァース  R= 67、 RR= 67、 RT= 33、 D= 3.1、 A= 1.8、 H= 2.3
◆Wsc: 62.9 リーチザクラウン  R= 53、 RR= 60、 RT= 41、 D= 2.5、 A= 2.6、 H= -1.5
◆Wsc: 58.5 アンライバルド   R= 63、 RR= 63、 RT= 33、 D= 1.2、 A= -1.3、 H= 3.8
◆Wsc: 57.9 ナカヤマフェスタ  R= 58、 RR= 64、 RT= 39、 D= 0.2、 A= 0.2、 H= 3.1
◆Wsc: 56.0 ゴールデンチケット R= 46、 RR= 70、 RT= 47、 D= 0、 A= 2.9、 H= 1.1
◆Wsc: 55.3 アントニオバローズ R= 38、 RR= 68、 RT= 48、 D= 0.6、 A= 1.2、 H= 3.1
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.9 トライアンフマーチ R= 52、 RR= 64、 RT= 41、 D= 0.8、 A= 1.7、 H= 2
◇Wsc: 54.0 ベストメンバー     R= 56、 RR= 58、 RT= 41、 D= 0、 A= -0.4、 H= 4.8
◇Wsc: 53.7 フィフスペトル   R= 45、 RR= 70、 RT= 39、 D= -0.6、 A= -0.3、 H= 2.9
◇Wsc: 51.3 ミッキーペトラ   R= 62、 RR= 76、 RT= 21、 D= 0、 A= 2、 H= -2
◇Wsc: 48.0 セイウンワンダー  R= 47、 RR= 56、 RT= 38、 D= -1.6、 A= -0.5、 H= 2.3
◇Wsc: 47.9 アーリーロブスト  R= 61、 RR= 57、 RT= 27、 D= 0、 A= 2、 H= 0.2
◇Wsc: 47.6 サトノロマネ     R= 26、 RR= 48、 RT= 51、 D= 2.5、 A= 3.1、 H= 0
◇Wsc: 44.6 シェーンヴァルト  R= 43、 RR= 56、 RT= 49、 D= -3.2、 A= -1、 H= 4.1
◇Wsc: 41.9 リクエストソング  R= 49、 RR= 54、 RT= 34、 D= -1.2、 A= -0.6、 H= 1.6
◇Wsc: 34.6 モエレエキスパート R= 46、 RR= 57、 RT= 27、 D= -3.4、 A= 0.1、 H= -0.1
◇Wsc: 33.9 メイショウドンタク R= 42、 RR= 51、 RT= 28、 D= -1.9、 A= 0.6、 H= -2.5
◇Wsc: 28.9 イグゼキュティヴ  R= 45、 RR= 47、 RT= 29、 D= -3.1、 A= 0.1、 H= -0.4

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
ロジユニヴァースに強い勝ち方を期待したい。ビエナビスタに続く存在を期待しているのだ。戦績からは何の問題もないのだが、データ上での気懸りはタイムが良くないことだ。勝ちタイムの全てが平均以下なのである。ジョッキーの横山典の乗り方かもあるが、もし速いタイムの決着になったときが心配だ。だが、この現象は毎年の3歳馬にはよくあることなので、杞憂としておきたい。
これに続く勢力としてはリーチザクラウンとアンライバルドがあげられる。リーチザクラウンは戦績こそ十分だが、ロジユニヴァースとは暮のラジオNIKKEIで勝負付けが終わってしまっている感がある。あれから4か月だが逆転するだけの成長は難しく、また枠順も武豊といえども脚質的に不利だ。すると、アンライバルドに注目が行くが、こちらは少しは期待できそうだ。若駒S、スプリングSと実力馬は踏んできたレースをこなしてきているところに好感がもてる。だが、勝ちっぷりなどの力の幅を考えるとロジユニヴァースとの差はありそうだ。
そのあとは連下の域を出ないだろう。だが、上位の3頭が揃って3着までを占めることも難しいのがレースというものだ。必ずや1頭は勝ちに行って負かされる馬が出るのだ。そこへ食い込むことができるのがどの馬かということになる。上り馬で底を見せていない馬か、それとも大崩れしない実績のある馬と言うことになるが、前者ならアントニオバローズ、後者ならナカヤマフェスタか。

かなりの線でロジユニヴァースの勝利が近いようだが、死角はないのか。強いていえば1番の枠順とも思えるが、そんなに心配はいらないだろう。それ以上に心配なのはロジユニヴァースが関東馬であること、これだけだ。


【 展開 】
先行する馬から後方待機の馬までほど良く揃い、レース展開としては真っ当な流れが期待できそうだ。ペースも速くもなくスローでもなく、規格にあったレースが楽しめそうだ。
先頭切るのは、サトノロマネ、ゴールデンチケット、リーチザクラウンの3頭が考えられるが、枠順からサトノロマネが行きそうだ。このあとにつける先行集団は、ミッキーペトラ、アーリーロブスト、ロジユニヴァース、トライアンフマーチ、アントニオバローズという有力馬の多い集団になる。
中段には、メイショウドンタク、ナカヤマフェスタ、イグゼキュティヴ、モエレエキスパートが進み、後方に、フィフスペトル、ベストメンバー、セイウンワンダー、リクエストソング、シェーンヴァルト、アンライバルドが控えることになる。

レース自体は王道のレースで、入り乱れた乱戦にはならないどろう。3、4コーナーの中間から有力馬が進出して、直線ではしっかりとコース取りをしてから追い出すというレースになりそうだ。意表を突くような芸のある馬も見当たらないので強い馬がそのまま勝ってしまうレースになりそうだ。大外18番からリーチザクラウンが大逃げでも打てばおもしろいのだが。


16:12:00 | datesui | No comments |

10 April

#547.列伝入りの名牝誕生

いよいよ2009年のクラシックの第1弾、桜花賞だ。12日の15:40、阪神競馬場の芝コース1600mで開催される。1939年に開設され戦争で2回ほど開催が流れたが、今年は数えて69回になった。瞼の裏には、ミスオンワード、カネケヤキ、テスコガビー、ハギノトップレディ、メジロラモーヌといった昭和の名牝やベガやダイワスカーレットという平成の女傑が次々と浮かんでくる。そして今年はこの美しい走馬灯の中に加わろうとしている1頭の存在がある。その名はブエナビスタ。果たして歴史的なヒロインの誕生はなるのか。今年の桜花賞はそんな歴史的名馬の出現に立ち会えるかもしれないイベントなのだ。

【 Wscランキング:桜花賞 】
◆Wsc: 71.1 ブエナビスタ     R= 71、 RR= 72、 RT= 44、 D= 2.3、 A= -1.4、 H= 4.4
◆Wsc: 64.3 ツーデイズノーチス   R= 54、 RR= 66、 RT= 48、 D= 2.5、 A= -1.1、 H= 4.4
◆Wsc: 62.5 ダノンベルベール   R= 65、 RR= 62、 RT= 43、 D= .5、 A= -.3、 H= 3.4
◆Wsc: 57.8 ヴィーヴァヴォドカ  R= 47、 RR= 71、 RT= 38、 D= 1.2、 A= 3.8、 H= 0
◆Wsc: 57.5 レッドディザイア   R= 54、 RR= 64、 RT= 44、 D= .2、 A= -1.9、 H= 6.2
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.0 サクラミモザ     R= 43、 RR= 61、 RT= 40、 D= .6、 A= 2.8、 H= -.7
◇Wsc: 52.1 アイアムカミノマゴ  R= 42、 RR= 63、 RT= 42、 D= -1.9、 A= 1.4、 H= -.3
◇Wsc: 51.2 ワンカラット     R= 48、 RR= 54、 RT= 40、 D= -1.7、 A= 1.1、 H= -.9
◇Wsc: 50.3 ジェルミナル     R= 58、 RR= 60、 RT= 37、 D= -2.6、 A= -.3、 H= 0
◇Wsc: 49.4 ルージュバンブー   R= 55、 RR= 67、 RT= 37、 D= -2.9、 A= -1.3、 H= 1.4
◇Wsc: 47.4 ショウナンカッサイ  R= 54、 RR= 57、 RT= 40、 D= -3.4、 A= 2.2、 H= -1.9
◇Wsc: 46.8 カツヨトワイニング  R= 48、 RR= 54、 RT= 42、 D= -3.4、 A= -.4、 H= 2
◇Wsc: 46.2 アンプレショニスト  R= 47、 RR= 50、 RT= 40、 D= -1.9、 A= -1、 H= 1.9
◇Wsc: 45.0 レディルージュ    R= 45、 RR= 50、 RT= 41、 D= -2.7、 A= 1.6、 H= .1
◇Wsc: 39.9 ルシュクル      R= 39、 RR= 47、 RT= 40、 D= -3.9、 A= 1、 H= -1.2
◇Wsc: 36.8 デグラーティア    R= 34、 RR= 38、 RT= 42、 D= -4、 A= -.2、 H= -.6
◇Wsc: 34.2 イナズマアマリリス  R= 45、 RR= 46、 RT= 33、 D= -5.8、 A= 1.3、 H= -1.4
◇Wsc: 33.5 コウエイハート    R= 39、 RR= 41、 RT= 32、 D= -5.1、 A= 2.2、 H= -2.7


【 展望 】
ブエナビスタの評価は70を超えたWscから完勝を期待するレベルになってきた。もはや勝って当たり前、2着でも大変なことになるのだろう。巷の鳩首会談はブエナビスタを負かす馬の出現より、ブエナビスタが取りこぼしに論点が移行していると思われるが、事故でもない限り第69代桜花賞馬になることは確実と思われる。

本当にそうだろうか。推奨馬に上がったブエナビスタに続く4頭は、ダノンベルベール以外調節対決による勝負づけは終わっていないのだ。確かにWscのスコアでは差があるが、ツーデイズノーチスはタイムや勝ちっぷりのスコアでは負けてはいない。だが、未勝利を勝ち上がって出走権のかかったオープン特別を勝ち上がっただけでは裏付けの重さに差があることは明白だ。

そこで以下の論点は馬券的な2着争いになる。ここで探すのは2着候補馬だ。去年の有馬記念は、実力的にはスクリーンヒーローが2番手だったが、圧倒的に強者のダイワスカーレットを負かしに行ったために5著に沈み、負かしに行かなかった馬が2〜4着に飛び込んだのだ。というわけで、いわゆる2着馬を探すのが近道になる。すると結論はひとつ、ダノンベルベールになる。


【 展開 】
このところの桜花賞はコースが改善され普通のレース展開になった。しかも今年は逃げから追い込みまで脚質は均等に揃い、真っ当なレース展開が楽しめそうだ。
まず逃げを打つのは、ヴィーヴァヴォドカだ。枠順もよいので鼻を切ってほしい。そのヴィーヴァヴォドカを追走して先頭グループを形成するのが、サクラミモザ、ショウナンカッサイ、コウエイハートの3頭だ。次いでの先行グループは、レディルージュ、アイアムカミノマゴ、イナズマアマリリス、ワンカラット、ルシュクルの5頭になる。中段は、デグラーティア、ダノンベルベール、ジェルミナル、カツヨトワイニングの4頭で進むだろう。後方は、アンプレショニスト、ツーデイズノーチス、ルージュバンブー、ブエナビスタ、レッドディザイアの5頭が控えることになる。

コースの紛れがなくなったとはいえ18頭のレースなので、アクシデントの発生は皆無ではない。ましてや後方に陣取るブエナビスタにはその危険がいつもつき纏う。それでも多少のことなら持前の瞬発力でなんとかなりそうだ。この瞬発力がアクシデントの回避には必要なコンピタンスで、歴史的名馬の素質でもあるのだ。そこで2着狙いだが、展開からはビエナビスタのいる後方に眼が向くので、前の方、特に先頭が有利になりそうだ。先頭を切るヴィーヴァヴォドカは良いペースで進むことができ、さらに色気が出なければ2着は近いと思われる。


11:38:33 | datesui | No comments |

03 April

#544.スーパースターの誕生

今度の日曜日は産経大阪杯だ。そこで去年のこのレースを思い出していただきたい。ダイワスカーレットの快走だ。天皇賞を目指す並居る牡馬を相手に見事逃げ切ったレースを覚えているだろう。しかも、ただの逃げ切りではない。スタートから10頭の相手すべてからきっちりマークされる展開で四角を過ぎ、直線でも次々に襲いかかる相手を蹴落とし、完璧に逃げ切ったのだ。時代の代表が現れたと思えた瞬間でもあった。

こんな場面を今年も期待したい。期待の対象はディープスカイだ。ここを見事に勝って、本番の淀の天皇賞の出馬表の馬柱にはズラーっと◎を並べてもらいたいのだ。これより先に行われたもう一つの前哨戦の阪神大賞典ではもう1頭の期待であるオウケンブルースリが残念ながら取りこぼしをしている。ここはダービー馬の名誉のためにも、王道を歩いて王位に就いて欲しいものだ。

【 Wscランキング:産経大阪杯 】
◆Wsc: 69.0 ディープスカイ   R= 60、 RR= 77、 RT= 62、 D= 0、 A= -.3、 H= 5.2
◆Wsc: 60.3 カワカミプリンセス R= 61、 RR= 71、 RT= 54、 D= -2.3、 A= 1.9、 H= .9
◆Wsc: 58.0 マツリダゴッホ   R= 53、 RR= 63、 RT= 57、 D= -1.5、 A= .9、 H= .3
◆Wsc: 56.5 アドマイヤフジ   R= 51、 RR= 66、 RT= 53、 D= -2、 A= 1.3、 H= .4
◆Wsc: 56.2 サンライズマックス R= 51、 RR= 55、 RT= 59、 D= -1.5、 A= -.5、 H= 2.8
◆Wsc: 55.9 マストビートゥルー R= 42、 RR= 62、 RT= 50、 D= -.4、 A= 1.2、 H= 2.6
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 53.9 ドリームジャーニー R= 46、 RR= 66、 RT= 46、 D= -2.3、 A= -1.1、 H= 3.2
◇Wsc: 44.6 ヴィクトリー    R= 35、 RR= 59、 RT= 53、 D= -4.2、 A= 1.1、 H= -2.7
◇Wsc: 41.1 シャドウゲイト   R= 43、 RR= 42、 RT= 51、 D= -4.5、 A= 2、 H= -5.7
◇Wsc: 39.4 ダイシングロウ   R= 42、 RR= 40、 RT= 51、 D= -5.4、 A= 2.2、 H= -3
◇Wsc: 39.3 アグネストレジャー R= 42、 RR= 45、 RT= 43、 D= -5、 A= -1.3、 H= 3.8
◇Wsc: 39.2 デルタブルース   R= 36、 RR= 46、 RT= 31、 D= -3.7、 A= 1.7、 H= -2.7
◇Wsc: 36.4 サザンツイスター  R= 36、 RR= 31、 RT= 35、 D= -2.5、 A= -1.9、 H= 4.6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
ウィニング・スコアを見ていただこう。ディープスカイは69.0で、2位に9ポイント近くも引き離してのダントツのトップだ。以下、Wscの全体の構造を見ると、2位以下に6頭ほどのカタマリがあり、その下に更に大きく差が開いて6頭が沈殿している。13頭が孤高の1頭、中間の6頭、下層に沈んだ6頭という構成をとっていることがわかる。
まず、この沈殿した6頭はスコアの低さから勝負の目はほとんどない。次の中間に位置する6頭はディープスカイの2位争いだ。ディープスカイと同型脚質では苦しく、少しでも前にいるカワカミプリンセスやアドマイヤフジがおもしろそうだ。


【 展開 】
速いペースにはならない。どちらかというとスローだ。ディープスカイの周りにマークで取り付く馬が出るので、前にいる馬から逃げ粘れる馬が出る可能性がある。仕掛けが遅く前残りの展開になり、ディープスカイだから勝てたという上りのレースなるだろう。
さて逃げるのは、ダイシングロウか、シャドウゲイトだろう。これを追走するのが、カワカミプリンセス、デルタブルースということになる。ここまでが先行グループだ。これに続く中段は、アドマイヤフジ、マストビートゥルー、ヴィクトリー、マツリダゴッホの4頭になる。少し離れた後方は、ディープスカイ、サンライズマックス、ドリームジャーニー、アグネストレジャー、サザンツイスターの5頭だが、ディープスカイの周りに集まって進むことになろう。

ディープスカイは、本番の天皇賞を控えているから早めに先頭に立つレースは選択しないと思われる。そこで、待っての仕掛けになるので先行グループの中から良い思いをする馬が出そうだ。


23:50:00 | datesui | No comments |