Archive for 08 June 2009
08 June
#570.2世列伝?
現代の2世が出揃ったところで、国別に遡ってみてどんな2世がいたか顔ぶれを見てみよう。まずはイギリスで、ヘンリー2世、リチャード2世、チャールズ2世、ジェームス2世というラインナップだ。ヘンリー2世はアンジュー帝国を設立した強君といえる人物だろう。あとの3人は並みもしくはそれ以下の王様だ。フランスは、フィリップ2世、アンリ2世がいる。尊厳王といわれたフィリップ2世は都市との連携で貴族を牽制して王権を伸張させ、アルビジョワ十字軍によって西南部に領土を拡張した名君といえよう。アンリ2世は16世の難しい時期であったが、無策で終った。
ドイツは、まずハプスブルグでは、ルドルフ2世、アルブレヒト2世,ヨーゼフ2世といるが政治的には凡庸な方々だ。ただ、ルドルフ2世は珍品収集という文化面で評価ができそうだ。プロイセンになると大王と崇め祀られたフリードリッヒ2世で、「君主は国家の第一の僕」と言った啓蒙専制君主のひとりだ。農民の保護、産業の育成と軍備の強化でプロイセンを国際舞台に引き出した。続いてヴィルヘルム2世はドイツ帝国3代目の皇帝だが、モルトケやビスマルクといったドイツ帝国建国の立役者に暇を取らせ、帝国を第一次大戦に突入させ破滅に導いた愚帝。
スペインといえば、フェリペ2世だ。フィリピンという国名が残るほどのスペインの絶頂期の皇帝だが、それだけで終ってしまったようだ。ロシアでは、エカチェリーナ2世、ピョートル2世、ニコライ2世といるが、名君はエカチェリーナ2世だ。ダメ夫のピョートル3世に代って女帝になり啓蒙専制君主としてロシアの地位を引き上げ、文化にも功績を残した。ニコライ2世はロマノフ朝最後の皇帝という貧乏くじ引きだが、伝わる逸話は豊富で楽しい。
その他、オスマントルコ帝国ではメフメト2世が有名だ。コンスタンチノープルを陥落させ、オスマン帝国の版図を飛躍的に拡張させた英雄で、ファーティフ・征服者と呼ばれているが、欧州側からみれば蛮族の侵略者となるのだろう。もうひとり、ローマ教皇庁のウルバヌス2世だ。実力ということでは圧倒的であったと思われる。各国の皇帝、王様がみんな言うことを聞いたのだ。だから十字軍なんて愚策が始まってしまった。
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