Complete text -- "#62.緑の絨毯でスピード競馬"

12 May

#62.緑の絨毯でスピード競馬

データを決めたとおりに処理して、決めたとおりの判断をすると、実に意外なことが見えてきます。普段の擬似的論理思考過程による判断では最初から対象外だった馬が有力馬として浮かんできます。考えてもみなかったという結果を示されて、まっ、教えられる訳です。
データの偉いところは当たり前のことを恥ずかしげもなく堂々と言ってのけるところです。無理に穴馬を探したり、高配当に賭けたりしないところが頭が下がるというか、癪に障ることです。ただでも擬似的論理思考なのに、最初から対象馬を除外していたのでは非論理的思考にもなりません。こうなってしまう最大の原因は、好きになってしまった馬がいたり、嫌いな騎手がいたりすることなのですが、不思議と好きになるのは馬の方で、嫌いなのは人みたいです。
そうは言っても、最初からご贔屓を決めて、そこへ向かって非論理的思考状態に浸ること、つまり夢の世界を徘徊するわけですが、これが競馬ファンの最大の楽しみであることに違いありません。そして、本番のレースで楽んで、その上、万一馬券が当るようなことがあれば、3度も楽しめることになります。


さて、新設のG?ヴィクトリアマイルだ。新設だが、顔ぶれはお馴染みのメンバーだ。京都、中山、阪神、福島で行なわれた牝馬ステークスの総決算のようなレースになった。最終登録された24頭の中には、京都牝馬Sの出走馬が8頭、中山牝馬Sが6頭、阪神牝馬Sが9頭、福島牝馬Sが7頭と、合計19頭が手合わせをしている。それだけに比較が十分でき、検討も深くなるものと考えられる。
さて、だからと言ってデータベースが深く考えたかどうかは知る由もないが、結果はご覧のとおり。

 ◎ラインクラフト   :68.8→実績、先行力、決め脚
 ○ダンスインザムード :62.1→実績
 ▲アグネスラズベリ  :59.0→タイム、勝ちっぷり
 △エアメサイヤ    :56.7→実績、決め脚
 △マイネサマンサ   :54.4→先行力、末脚
 △ヤマニンシュクル  :53.6→取り柄なし
 △ディラデラノビア  :53.5→実績、末脚

極めて高いスコアの出たラインクラフトが断然優位だが、ダンスインザムードも他の例に比べてずっと高い。アグネスラズベリまでもスコアが高く、高水準のレースが期待できそうだ。見どころは、ラインクラフト、ダンスインザムード、エアメサイヤのG?馬に対して、格下だが4連勝のアグネスラズベリの食い込みがどこまでか、になる。
展開は、先行する馬はいるが鼻を切る逃げ馬はいないようだ。デアリングハート、ラインクラフト、ジェダイト、プリモスター、マイネサマンサが先行しそうだが、先行して結果の良いプリモスターが鼻を切りそう。
そのあとはアグネスラズベリ、ロフティーエイム、サイレントアスク、ダンスインザムード、エアメサイヤ、テンイムホウ、コスモマーベラスが中段の先方を固まって進む。
中段より後方は、レクレドール、スナークスズラン、サンレイジャスパー、ヤマニンアラバスタ、アズアサンダースが一団となる。
後方には、ショウナンパントル、ヤマニンシュクル、フィヨルドクルーズ、ディラデラノビア、チアフルスマイル、オーゴンサンデー、ニシノナースコールが棒状で続く体制になる。
東京のマイル戦なので横に広がり、先行組も追込み組も坂上からが勝負だろう。早め抜け出しで逃げ込みというのは無理だろうから、先行組でも終いの脚の確かさが求められるレースになるだろう。


土曜日はG?の京王杯スプリングカップだ。芝の1400mで、古馬の完成されたスプリンターによる、スピード感溢れる好レースが楽しめそうだ。
この春、短距離の勢力地図が変わりつつある。オレハマッテルゼの躍進とダイワメジャーの復活があり、逆にシンボリグランは成績イマイチ、アサクサデンエンは休業で、ともに勢力後退だ。このレースで安田記念を睨んでの勢力図が完成するか、大いに注目したい。

 ◎オレハマッテルゼ  :65.9→実績、タイム、先行力、末脚
 ○シンボリグラン   :57.9→実績、末脚
 ▲インセンティブガイ :57.0→タイム、末脚
 △グレイトジャーニー :53.7→実績
 △トールハンマー   :53.4→末脚
 △メテオバースト   :53.1→タイム

G?馬になったオレハマッテルゼのスコアが心配なぐらい高いが、今年に入ってからの4戦は京都金杯こそ不出来だったが、その後の3戦はレースぶりも安定してタイムも良好だ。名前から軽く見られそうだが、優位は揺るがない。その他のメンバーには大きな差がなく、東京コースであることから末脚の強さで決まるレースになるだろう。
展開は、ニシノシタンが行くだろう。ひところの先行力が影を潜めているローエングリンが続く、更にメイショウバトラー、グランリーオも遅れずについていくだろう。その後ろに控えるオレハマッテルゼ、インセンティブガイまでが先行集団を形成する。
中段は、トールハンマー、カシマフラワー、メテオバースト、フジサイレンス、シンボリグラン、プレシャスカフェ、ロードフラッグが前の方で一団、少し遅れてグレイトジャーニー、ネイティヴハートとなる。
後方待機は、アルビレオ、マルターズホーク、テレグノシスだ。
テレグノシス以外は、坂上一団の中から抜け出す展開になるのだが、最後は決め脚だ。


06:00:00 | datesui | |
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