Complete text -- "#251.それぞれに訳ありで"

29 June

#251.それぞれに訳ありで

宝塚記念が終わると、いよいよ夏競馬も本番だ。冬の競馬は長距離がふさわしいが、夏は長距離向きではない。そこでJRAでは去年から、5つの短距離戦をつないだサマースプリントシリーズを開催している。7月1日の函館スプリントステークス、芝1200mを皮切りに、新潟のアイビスサマーダッシュ(7月15日、芝1000m)、小倉のテレビ西日本賞北九州記念(8月12日、芝1200m)、札幌のキーンランドカップ(8月26日、芝1200m)、そして5戦目の阪神のセントウルS(9月9日、芝1200m)をポイント制で競い、優勝馬の馬主にはナント4000万円が贈られるとのことだ。プロ野球の交流戦の優勝賞金の5000万円と比べたら、多少の無理をしても「よしチャレンジ」という馬主がいてもおかしくはないだろう。

そのシリーズの第1戦が函館スプリントSで、早速検討対象としてみたが、いやはや大変なメンバーが揃ってしまった。前々走まで不振だったのが前走突然の大駈け、逆に前々走まで調子良かったのに前走失速、3歳から古馬への挑戦、一息入れてここから再出発、さらには1年以上の長期休養明け、とまあ、よくもこれだけ順調でない馬が揃ったものだ。
だが、これだけの訳あり馬が揃ったのに、ただひとつ下のクラスからの赤マル上昇中がいないのだ。それだけに、決まったメンバーでの互助会的に、今月の月番とも考えられないこともない。さて、今回はどの馬の番になるのか。そんなことを知ってか知らずか、データベースは難しさもなく粛々と答えてきた。


              Wsc   RRsc RTsc  DfWL   Asc  Hsc L3Tsc
◎ アグネスラズベリ    67.2  65.3 63.9  −1.6  −0.2  2.5 55.3
○ アドマイヤホクト    60.6  52.8 59.3  −0.5   3.0  0.1 51.8
▲ ワイルドシャウト    60.0  52.8 37.2   1.0   2.9  0.9 61.0
△ サープラスシンガー   59.8  52.5 48.9   0.7   3.3 −2.2 47.6

  ハリーズコメット    54.5  50.8 63.0  −2.3  −0.1 −0.4 44.3
  タマモホットプレイ   51.0  49.9 55.7  −3.1  −0.8  1.8 59.8
  ビーナスライン     49.2  56.1 56.2  −4.6  −0.6  2.7 60.7
  ブラックバースピン   48.8  49.9 60.4  −3.6   0.6  1.0 47.8
  アンバージャック    45.5  44.7 51.7  −3.4   0.5  0.2 57.7
  アズマサンダース    45.3  44.7 55.6  −2.3   0.4 −1.0 40.6

  コスモシンドラー    43.4  39.4 56.7  −3.8  −0.4  3.6 56.5
  エイシンツルギザン   41.1  50.5 43.2  −2.2   0.1  0.1 42.1
  リキアイタイカン    38.4  42.7 57.6  −4.4  −1.0 −0.3 55.9
  ツルガオカハヤテ    37.6  43.2 53.2  −4.8   0.7  0.9 55.1
 
  ブルーショットガン   33.6  39.2 41.6  −4.7  −0.9  2.2 58.5
  タニノマティーニ    32.2  37.7 43.1  −4.7   1.5 −1.7 53.6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc  :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
   ・L3Tsc:末脚?→上り3ハロンタイムのスコア

前々走のG?は惨敗ではあるが、アグネスラズベリの◎は、唯一成績の安定が評価されたものだろう。次いで、○の3歳のアドマイヤホクトは、前回初めての古馬挑戦も済んで再チャレンジが楽しみなところだ。▲ワイルドシャウトは、実績は申し分ないが、なにせ1年以上の長期休養の第1戦で、額面通りの走りができれば問題ないが、果たして走れるか。もう1頭の有力3歳のサープラスシンガーは、生きのいいところ見せて欲しいものだ。
その他、実績RRscなら56.1のビーナスラインも、高松宮記念4着は伊達や酔狂ではない。タイムの優秀なハリーズコメットだが、この1年以上ダートばかりで芝では逆に心配だろう。また、タイムの良いブラックバースピンは、JRAのCMのモデルに抜擢されたそうだが、突然の上昇がまた出現するだろうか。

展開は、サープラスシンガーが飛び出して、アドマイヤホクト、ワイルドシャウト、が追走することになるだろう。その後ろに、タマノマティーニ、ツルガオカハヤテ、ブラックバースピン、アンバージャック、アズマサンダース、エイシンツルギザン、が中段を構成する。
後方は、ハリーズコメット、アグネスラズベリの2頭が陣取り、少し遅れて、コスモシンドラー、ビーナスライン、タマモホットプレイ、最後方にブルーショットガン、リキアイタイカンとなる。
1200mの短距離戦、どこで仕掛けるもないだろう。流れにうまく乗れた馬が勝つことになろう。

訳あり女には妙に気がそそるものがあるが、ほとんどの女が訳なし女だからだろう。馬も1頭、2頭の訳ありなら興味が湧くが、16頭すべてが訳ありでは、かわいくもおもしろくもない。ただただ困惑するだけだ。人の世界でも、目の前に16人全員訳あり女が揃ったら、もう勝手にしろということになるだろう。

06:00:00 | datesui | |
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