Complete text -- "#253.Dash、ダッシュ、奪取"
14 July
#253.Dash、ダッシュ、奪取
夏の競馬にスパイスを効かしたのが、新潟名物アイビスサマーダッシュだ。芝1000mのレースは珍しくもないが、直線コースというのが嬉しい。本場イギリスではクラシックの2000ギニーが1マイルの直線コースで実施されるが、日本での直線コースはこのレースの他に全く例はない。コーナーがないのでペース配分が微妙とか、マークがしづらいとか、ラチを頼って走れないとか、直線コースならではのレース展開が楽しめるが、7回目を迎えるに至ってどうも外枠有利というのが定着してしまったようで、馬券に絡む馬番はハッキリ2桁が多い。これと同じように、このアイビスサマーダッシュには妙なジンクスができつつある。まず、「牝馬の活躍」だ。去年の1〜3着は?牝?牝?牝で、一昨年も?牝?牝?牡だった。次は、前述の「内枠は苦戦」だ。これも3連単の出目を見ればわかる。去年が???、一昨年が???で、大きい数字が並んでいる。3つ目は「人気薄」で高配当なことだ。去年、一昨年とも優勝馬は7番人気で、それぞれの単勝配当は、1690円、2270円と嬉しい馬券になっている。4つ目は、言いにくいことだが、「非有名騎手の活躍」というローカルならではの現象だ。去年は鈴来、一昨年は田嶋翔が勝った。こんなことが繰り返されれば、今年はさしずめモンローブロンドあたりで奪取か。
さて、データベースはどうだろう。いつでも冷静に情報を出してくるが、今回は意外と苦戦をしたようだ。
Wsc RRsc RTsc DfWL Asc Hsc L3Tsc
◎ ナカヤマパラダイス 65.2 61.2 54.6 1.2 3.3 0.2 44.2
○ アイルラヴァゲイン 62.5 57.1 56.8 0.4 1.5 0.2 42.6
▲ モルトグランデ 60.4 51.4 54.9 0.5 −0.2 2.1 52.8
△ サチノスイーティー 59.0 56.2 55.6 −1.4 1.7 −0.2 47.5
△ ジョイフルハート 58.4 47.1 53.3 −0.9 2.8 −1.6 39.2
△ プレミアムボックス 58.2 52.9 53.9 −0.3 0.0 2.4 50.8
△ スピニングノアール 56.2 55.0 57.8 −3.0 −1.0 2.3 54.7
△ シルヴァーゼット 55.7 54.6 45.5 −2.0 2.1 −0.8 38.4
フサイチホクトセイ 52.0 43.9 44.5 −2.3 2.2 −2.0 50.1
クーヴェルチュール 50.5 56.6 43.8 −2.7 1.0 −0.4 39.4
ロイヤルキャンサー 48.2 43.4 55.3 −3.5 0.5 −0.7 36.7
サンアディユ 46.3 36.4 50.2 −4.0 2.7 −2.1 29.7
ゴールデンキャスト 44.3 30.0 50.1 −4.3 −0.3 0.9 50.7
テイエムチュラサン 40.2 29.6 50.8 −5.7 3.2 −5.1 40.1
ダイワメンフィス 39.1 29.1 46.2 −6.1 0.6 −0.8 43.4
モンローブロンド 37.9 30.0 43.0 −6.9 1.0 −2.0 40.5
ギャラントアロー 35.9 27.4 28.4 −6.1 3.4 −4.8 38.8
ショウナンパントル 29.9 29.2 31.9 −7.4 −0.7 −1.9 22.4
・Wsc :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
・Hsc :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
・L3Tsc:末脚?→上り3ハロンタイムのスコア
本命は思い切ってナカヤマパラダイスだ。確かに上昇著しく、この4戦で500万下から一気にCBC賞2着までに出世した。一本調子の逃げも得意で、しかも16番枠。おまけに鞍上も木幡初広とくれば文句はない。
そのあとのアイルラヴァゲイン、サチノスイーティーはもはや既成勢力であるが、絶対視はできない。そこで、もう1頭の上がり馬であるモルトグランデはどうだろうか。いかにも人気薄の伏兵臭さが漂っている。そして、チョイト気になるのがジョイフルハートだ。騎乗の武豊はアイビスサマーダッシュには初見参で、どんなレースを見せるか楽しみだ。
展開は微妙だ。とにかくダッシュなので、スタートよく飛び出した勢いで1000mもてば、これでいいのだが、そうともいかないようだ。まっ、飛び出すのは、ギャラントアロー、ナカヤマパラダイス、テイエムチュラサン、というところだが、普通とは違うのは外枠を利してということだ。そのあとに、ジョイフルハート、サンアディユ、シルヴァーゼット、フサイチホクトセイ、が続くだろう。ここまでが先行集団だ。
中段は、アイルラヴァゲイン、サチノスイーティー、クーヴェルチュール、モンローブロンド、が前の方で、ダイワメンフィス、ロイヤルキャンサー、プレミアムボクッス、が後ろの方になるだろう。
最後方は、モルトグランデ、ゴールデンキャスト、ショウナンパントル、スピニングノワール、となりそうだ。
仕掛けは、4コーナーもないのだから、ジワジワということになり、結局最後の追い比べとならざるをえまい。
気になるのは雨だ。去年もかなりの雨だったが、馬場状態の発表は良だった。その上、勝ったサチノスイーティーも必ずしも道悪上手という訳でもなかったので、あまり気にしなくてもよさそうだ。
Comments
コメントがありません
Add Comments
トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)