Complete text -- "#482.京都へ行ってきました? −洛南・源氏物語古跡−"

04 November

#482.京都へ行ってきました? −洛南・源氏物語古跡−

宇治を歩くと源氏物語古跡なるものがある。宇治十帖の橋姫、椎本、総角、早蕨、宿木、東屋、浮舟、蜻蛉、手習、夢の浮橋をエピソード化したもので、その通りの10か所あるそうだ。古跡とは歴史的な建築物や事件などがあった場所とのことだが、源氏物語はフィクションなので古跡とやらがどんなものになるのか大きな期待をしないようにして見ることにした。宇治市役所のホームページにその順路を示した地図があり、オリエンテーションかスタンプ・ラリーという雰囲気だった。

まず、宇治橋を渡ったところに夢の浮橋の古跡があり、次の橋姫神社には橋姫の古跡がある。このへんまでは自然な運びだろう。次の宿木を見て首を捻ってしまった。古跡を見ただけでは、宿木のことへ結びつかないのだ。そばに宿木のあらすじを書いた(財)宇治市文化財愛護協会の立札があるが、これだけではイメージを湧かせろと言われても難しいものがあった。次の早蕨に淡い期待をかけてみたが、ここも同じで早蕨に結びつくものがなく、立札で宇治十帖のおさらいをするだけだった。この先も同じかと思い適当なところで切り上げてもよかろうと思い始めた。でも、折角宇治へ来たのだから全部見てみようと思ったが、蜻蛉の次の古跡はかなりの奥の三室戸寺にあり、時間も迫っているので1つぐらいはという気持ちで省略をした。ところがここが浮舟で、宇治十帖の話を面白くする最大のヒロインではないか。不覚にも9か所回ってみて気づいたのだが、むしろ浮舟だけ見ておくべきだったと少々地団駄を踏むことになってしまった。

今、9か所の源氏物語古跡の写真を見ると色褪せたつまらないモノに見えてしまうのだが、古跡自身には何の責任もないので、なんとなく可哀想な気持になる。


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「宿木」の古跡。そばにゆかりのものがないので、イメージの妄想は不発だった。右は「宇治十帖モニュメント」、この方が他愛がなくて良いかもしれない。カップルが記念写真を撮るのには極めて便利だ。


13:58:38 | datesui | |
Comments

わさび wrote:

また京都行かれたんですね。相変わらずの写真の美しさに、心は京都へ行く事が出来ました。ありがとうございます。
11/04/08 14:05:58
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