Complete text -- "#483.京都へ行ってきました? −洛南・紫式部と与謝野晶子−"

05 November

#483.京都へ行ってきました? −洛南・紫式部と与謝野晶子−

宇治川に架かる宇治橋のたもとに紫式部の像がある。こんなに可愛いお姿だったのかと少々訝ってみたくなるほどの石像だ。でもこれだけ源氏物語で盛り上がっているのだから、姿はどうあれ作者の紫式部の像があっても不自然なことはない。1000年もの昔にこれだけの文学作品を書き上げたことは世界に誇れることだ。アメリカは勿論、フランスだってイギリスだって、これだけ昔の女流作家の作品が伝わっているだろうか。

宇治上神社から源氏物語ミュージアムに至る道を「さわらびの道」というが、その途中に与謝野晶子の歌碑がある。与謝野晶子は明治から昭和にかけて活躍した歌人として有名だが、源氏物語の現代語訳でも名を馳せている。読まれ方ならご存知だろうが、源氏物語54帖の各帖の最初に自作の歌を添えているのだ。その宇治十帖の10首が刻された歌碑がここにある。橋姫の「しめやかに心の濡れぬ川霧の立ち舞う家はあはれなるかな」という歌などが刻まれている。

源氏物語の現代語訳といえば多くの人が手掛けただろうが、与謝野晶子の他には谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴がよく知られているので、3人まとめて現代語訳の碑でも立てたらいかがと思う。すると、もうひとり加えたい訳者がいる。『あさきゆめみし』の大和和紀(やまとわき)だ。既に読んでいる方も多いかと思われるが、コミックでの源氏物語の現代語訳だ。同じ現代語訳でも谷崎のものは読みにくいとかで、寂聴の訳が読みやすく人気があったようだが、何と言っても大和和紀のはコミックなので垣根が低い。このお蔭で源氏物語の入門を果たした人が最近とみに増えているとのことだが、何と素晴らしいことではないか。

null
紫式部の像とのことだ。想像よりずっと若いイメージで驚いた。右は与謝野晶子の歌碑。この隣に「あさきゆめみし」の記念碑でも欲しいところだ。


18:00:21 | datesui | |
Comments
コメントがありません
Add Comments
:

:

トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)