Complete text -- "#488.京都へ行ってきました? −洛中・烏丸線沿線巡り−"

18 November

#488.京都へ行ってきました? −洛中・烏丸線沿線巡り−

京都の初日の14日は生憎の雨。それもかなり濡れそうな雨だったので、予定の三尾の山巡りを急遽変更することにした。そこで最終日の予定、さっと新幹線に乗れるように洛中を軽く巡るコースに切り替えることにした。洛中は灯台下暗しさながらで、意外と見るべきものが残ってしまっている。特に気になっていたのは、六角堂と相国寺だ。あと思い浮かぶのは源氏物語ミレミアム関係の廬山寺だ。廬山寺はともかく、六角堂と相国寺は地下鉄烏丸線の沿線なので雨の中でもあり続けて巡るには好都合だ。

まずは六角堂だが、烏丸御池の駅からすぐそばで京都市内のど真ん中だ。六角堂はその名の通り、建物が六角形の形をしているが隣の高いビルにから見るとはっきり六角形がわかるそうだ。
聖徳太子の建立によること、華道の家元・池坊の発祥の地、親鸞が百日間参籠をして95日目の夜明けの夢の中で聖徳太子のお告げを得たということなどなど逸話の多いお寺でもある。境内に入って右へ進むと「へそ石」なるものが現れる。玉石に囲まれた六角形の石だが、旧本堂の礎石と伝えられているが、京都の中心を示すとされているので、「へそ石」と呼ばれるそうだ。
お寺に隣接して池坊会館の瀟洒なビルが建っている。表通りに回ってみると、ビルの壁面には華道の本山らしく見事なオブジェが飾られていた。

烏丸線に乗ってみて、雨なので円通寺はどうかと思った。そう思うと急に円通寺の雨に借景が見たくなった。終点の国際会館まで行けばバスもあるはずだ。国際会館に着くと、バスを待つのももどかしくタクシーで急ぐことにした。
やはり雨の円通寺は半端ではなかった。遠景の比叡山は墨絵のように浮かんだり消えたり、近景の苔は生き返ったように緑鮮やかに映えていた。円通寺は近隣の開発ラッシュで借景の維持が難しくなってきて、従来写真撮影禁止だったのが最近になって解禁になった。という訳で意地汚く撮りまくったが、雨の借景は素人が小さなデジカメで撮れるような代物ではなく、悪戦苦闘の姿を後水尾天皇はさぞかしせせら笑っていることだろう。
来訪者はなく、ご住職から肉声で説明していただけた。ここの石は海の石ですから雨に日は生き生きとしています。という説明を聞いても、まだ来訪の回数を重ねることが必要なようだ。寺の維持の難しさは開発だけではなく、昔の技術の維持がひっ迫しているそうだ。大工は勿論、左官や建具、特に後水尾天皇はお金を掛けずに知恵を使ったところがあるので大変とのことだった。ところで、ご住職の作務衣がオシャレに映ったので目を遣ると、大島紬だった。


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六角堂のへそ石。ここが京都の中心とされている。右は円通寺の借景の庭。薄く見えるの、いや見えない、のが比叡山。後水尾天皇は京中を歩いて比叡山の一番きれいに見えるこの地を定めたそうだ。


11:37:54 | datesui | |
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