Complete text -- "#41.大原の里"
12 April
#41.大原の里
去年の京都探訪は大原を訪ねてみた。実に30年ぶりだ。大原は魅力的なところだが、なんと言っても京都駅からバスで1時間も離れた里なのだ。だから行くのも大変だが、その後どこかへ立ち寄るのも難しいので、覚悟を決めて大原に専念することになる。今回は、東京からの新幹線を降りた脚で、そのまま大原行きのバスに飛び乗った。ひなびた畦道を歩いて15分、寂光院の山門に着く。30年経ったとはいえ、かなり雰囲気が違う。なぜだろう。
理由は簡単だった。この本堂を見て、即座に了解した。焼失してしまったため、再建されたのだ。いわゆる寂光院の雰囲気になるのは何年先だろうか。そのとき、また来れるだろうか。
この端正な道は、確か建礼門院のお墓に通ずる道だったと思う。別の道かと思っていたので、大好きなお墓参りができなかったのは、とても残念。
気を取り直して三千院だ。バス通りを挟んで、寂光院とは線対象の位置にある。違うのはかなりの上り坂がある。
杉木立の中の往生極楽院、紅葉の包まれるのはまだなようだ。
大原は、寂光院と三千院だけではない。勝林院、実光院、そして来迎院などがある。お経を読むときの節のことを声明(しょうみょう)と言って、この来迎院から始まったとされている。
声明の節回しは、呂と律から成り立っている。この節回しができないことを「呂律が回らない」と言ったことから、後に舌が滑らかに回らない時の喩えになった。この呂律からとったのだろう、呂川、律川がある。
橋の欄干に書いてある通り、この下が律川。
こちらは呂川。こちらは観光のメインストリートだ。
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