Complete text -- "#321.懐かしさが嬉しい"
19 December
#321.懐かしさが嬉しい
今年最初に観た映画がフランス映画『あるいは裏切りという名の犬』で、ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューの2枚看板の主役だった。渋い二人だが、別段懐かしいというほどではなかったが、脇役の娼館のマダムで登場してきたのがミレーヌ・ドモンジョだったのにはチョイト驚いた。なにしろ彼女との出会いは40年以上も前で、どんな映画に出ていたのか思い出せないが、とにかく超一流の女優だった。それがほとんどスッぴんで出てきたので最初は誰だかわからなかったが、彼女とわかったとき、よくこんな役で出てきたものだと感心してしまった。だが、往年のミレーヌ・ドモンジョファンとしては心穏やかではあるまい、全くそこらのオバサンという感じだったのだ。本日、渋谷のユーロスペースでドイツ映画『眠れる美女』を観た。川端康成原作の作品で、官能的な表現に特化したというと聞こえが良いが、俗語で言えば「モロスケベ」ということだが、主人公の友達役で出てきたのがマキシミリアン・シェル。大女優マリア・シェルの弟で4カ国語を使いこなすことで知られていたが、30年近くも見ていないのでどんな顔になっているのか楽しみだった。昔の鋭さはすっかり消えたが、面影は十分の上、良い感じに齢を重ねていた。声も少し丸みを帯びたようだが、その声が実に良かった。なんとも色っぽいのだ。画面では全裸で眠る美女が次々に現れ視覚的には官能美にあふれていたが、この作品で一番色っぽかったのはマキシミリアン・シェルの声のような気がしてならない。
来週はハリウッド映画『ナショナル・トレジャー』の新作が封切りされる。ここでも、あの『真夜中のカーボーイ』のジョン・ヴォイドが出てくるのだ。前作ではいつ好々爺になったのだろうと思うぐらい良い年寄りになっているので、またまた楽しみだ。
最近は年寄りに参考になる映画も現れているのがとてもありがたい。
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