Complete text -- "#145.ブッポウソウ"
11 September
#145.ブッポウソウ
ブッポウソウの鳴き声の正体が、コノハズクというふくろうの一種であることはよく知られた話だ。一方、ブッポウソウという名の鳥は青緑の美しい姿をしているが、ギャーギャーとかゲーゲーと鳴くようで、ブッポウソウとはほど遠いようである。ブッポウソウの正体がまだつかめないころ、あるラジオ番組でブッポウソウの鳴き声を録音に成功したので放送したところ、浅草のお店で「ウチのフクロウが同じ声を出す」という投書があったそうだ。早速、出掛けたところ、まさにそうだったので正体がわかったそうだ。美しい姿をしているだけで、美しい声を出すと思われた姿のブッポウソウはバツの悪い思いをしたことだろう。同じようなことが日常もよく起きる。電話であまりに美しい声と語り口を聞いて、声の主を妄想とも思える想像を膨らましてみたりした経験は誰しもあると思える。クイーンというイギリスのロックバンドがあるが、ヴォーカルのフレディ・マーキュリー、これをいつも勘違いしていた。名曲『ボヘミアン・ラプソディ』の声を聞いてからクイーンの写真を見れば、ブライアン・メイあたりの姿をフレディ・マーキュリーだと思っていたのだ。事実、フレディ・マーキュリーが容貌を変える度に何度も勘違いをした。その極みが、あのマンガの「こまわり君」のように見えたのだが、恥ずかしいので黙っていたら、同じようなことを感じている人がいて嬉しくなった。『6×9の扉』と書いて「ロックのとびら」という本の著者小貫信昭が、その本の中でチョビ髭をはやしたフレディ・マーキュリーを「こいつ、こまわり君だ」と言っているのだ。すごく安心したことを思い出す。
実は、もうひとつある。アルフィーだ。3人のキャラクターが時間を経て、素晴らしく醸成したようだ。ビジュアル系の高見沢に、フォーク・フツー系の坂崎、そしてワイルド系の桜井の取り合わせが実に良い。なぜか桜井が好きなのだが、この桜井もブッポウソウだ。アルフィーを聞いてから写真見たら、高見沢に目が行くのは仕方がないと思う。でも、あの声は桜井なのだ。デビューからの永い間、アルフィーを支えたのは桜井だ。桜井がんばれ、俺がついているぞ。ナニ!、迷惑だと。
補遺
『6×9の扉』は皆さまの想像通り、6×9=54のロック・ミュージシャンを紹介している。ソリスト、グループ含め、50年代から90年代の初めまで、手際よく俯瞰できるが、当然のこと音は出てこない。
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