Complete text -- "#214.桜の開花予想"
08 March
#214.桜の開花予想
桜の開花予想が気象庁から発表された。東京の開花は3月18日で、例年の3月28日より10日も早いそうだ。例年というのは、1971年から2000年までの30年間の平均で、気象データの平年というのは全て1971年からの30年のデータで、10年毎に更新されるようだ。地球全体がジワジワ暖かくなっているようで、桜の開花も年々早くなっているとは容易に想像着くが、遡るとどうだろうか。NHKテレビの気象予報の時間では80年代の10年間の平均は3月30日、90年代は3月26日、そして2000年代は3月24日と報じていた。やはり早くなっているようだが、最も早い開花は、2002年の3月16日ということらしい。気象庁では、桜だけではなくこの他にも何がいつ起きたかということを調べているそうだ。生物季節観測といって、ウメの開花、タンポポの開花、などの植物に加え、ウグイスの初鳴き日など動物の動きも観察している。ちょっとヒマそうな話に聞こえそうだが、温暖化による危機を訴えかけるには恰好のデータだと思える。冬眠しあぐねたカエルなど、不気味な感じがする。そこで、季節感覚を呼び戻すために、その生物季節観測とやらのデータを覗いてみよう。理科年表には全国76か所の30年間の平均データが載っているが、東京の分を見てみる。
● ウメの開花日 1月29日
● タンポポの開花日 観測データなし
● ソメイヨシノの開花日 3月28日
● ソメイヨシノの満開日 4月5日
● ヤマツツジの開花日 観測データなし
● ニダフジの開花日 4月23日
● サルスベリの開花日 7月16日
● ススキの開花日 9月5日
● イチョウの黄葉日 11月19日
● イロハカエデの紅葉日 11月28日
● ウグイスの初鳴日 3月5日
● ツバメの初見日 4月3日
● モンシロチョウの初見日 観測データなし
● ホタルの初見日 観測データなし
● アブラゼミの初鳴日 7月27日
● モズの初鳴日 9月24日
暖冬では春の風物詩の到来が早くなるが、冬や晩秋の生物季節の動向が遅くなるのは秋が暖かいせいだろう。去年の暮れのブログで、東大のイチョウが黄葉のまっ盛りにあった写真をご覧いただいたが、あれは12月の8日だったと思う。あのイチョウもやはり暖秋の影響で黄葉になるのが遅れたものと考えられる。春のものが早くなり、冬のものが遅くなるのは単なる暖冬、暖秋ではなく、地球規模の温暖化であることは疑いのないところだろう。
一方、生物季節のデータを見ると、東京ではタンポポやモンシロチョウは見られないらしい。子供のころの1950年代は見ることができたので、懐かしさが込み上げてきて残念だが、そんな50年も前の話は平年データからも外されているので、論外なのだろうか。
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