Complete text -- "#453.三太夫"

17 September

#453.三太夫

プロ野球のパリーグを見てみると、実におもしろいことが起きている。有力視されていた日ハム、ソフトバンク、ロッテが苦戦気味で、台風の目と思われた楽天は最下位に沈んでいる。替ってトップに躍り出たのが西武でもはやリーグ戦制覇は指呼の間である。これを追うのが最下位候補だったオリックスで、シーズン当初は指定席の最下位に収まっていたが監督交代とともに破竹勢いで2位に躍進した。

この2チームの共通点は監督が期待されていなかったことだろう。もうひとつあげれば若い監督だが、そばに年老いた三太夫の存在があげられる。西武の黒江透修(くろえゆきのぶ)とオリックスの住友平(すみともたいら)だ。黒江は70歳、43歳の監督渡辺久信をよく補佐している。一方、住友は65歳、シーズン途中で交代した50歳の監督大石大二郎を助け、ベンチでは先頭に立ってナインを鼓舞している。

WBCの監督問題が舞い上がっていたころ、楽天の野村が星野のヘッドコーチをしたいと言っていたが、まさにこの状態を言ったのだろう。年寄りの知恵や経験が生きるのはトップになるのではなく、チームを引っ張るエネルギーは若い監督に任せて、折りに応じた高所からの助言ができることなのだろう。西武とオリックスの好成績は、良い状態ができたことによる産物だ。

小泉首相が現役のころ、そばに塩ジイこと塩川正十郎がいたことは記憶に新しいことだろう。あのカリスマ的な総理して、そばに三太夫的な爺さんがついていたのは実に良くできた話だった。


12:34:27 | datesui | |
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