Complete text -- "#55.投手は重要だが"

02 May

#55.投手は重要だが

野球は投手力と言われている。昨年の日本チャンピオンのロッテも、まさしく投手王国というチームだ。そのピッチングスタッフの中心メンバーのひとり、アンダースローの渡辺俊介はWBCの疲れか、開幕後調子が出ていない。やっと良くなりかけた5試合目の登板は4月28日の楽天戦、気持ちの良い投球をして欲しかった。
俊介は期待通りの快調なピッチングを披露し、6回を終わって楽天相手だが6−0の無得点に抑え、しかもノーヒット。そろそろノーヒット・ノーランという7回の先頭バッターへの初球、こともあろうに鉄平のヘルメットを直撃してしまった。俊介の63球目は危険球ということで即刻退場、無得点無安打に抑えていた投手がマウンドを降りるという珍しいことが起きた。当然、ノーヒット・ノーランも霧散してしまった。
同じ4月の15日、ソフトバンク・日本ハム戦では、その逆が起きた。スーパールーキーの八木は強打のソフトバンク打線に立ち向かい、9回を無安打無得点に抑えた。普通ならここでノーヒット・ノーランのお立ち台だが、味方もソフトバンクのエース斉藤の前に点が取れず、0−0の延長戦となった。結局、試合は延長12回、日本ハムが1−0で勝ったが、八木は10回を無安打無得点に抑えたものの勝利投手にもなれずに降板、ノーヒット・ノーランはおろか何の記録も残らなかった。

40年ほど前、−また始まった古い話だ−、千葉ロッテマリーンズの前身の大毎オリオンズは、ミサイル打線という強打を誇っていたが、主力選手の移籍や引退、更には不振もあって深刻な打撃不振に陥っていた。そんなある試合で、投手の坂井が9回までノーヒット・ノーランの好投していたのだが、味方が点を取れず延長戦になってしまった。1点でも味方がとっていれば、史上何人目の快挙として球史に残ることだったのだが、坂井は力尽き敗戦投手になってしまった。延長戦になってしまいノーヒット・ノーランを逃した投手として、最近では渡辺久信や西口文也らがいるが、八木と同じように敗戦投手にはなっていない。その次の日からオリオンズでは、投手が試合前にバッティング練習をするという異常な光景が見られた。
野球は投手が重要だが、投手だけでは勝てないのだ。


06:00:00 | datesui | |
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