Complete text -- "#99.遥かゲルマンの地で、?"

04 July

#99.遥かゲルマンの地で、?

2006ワールドカップは4強になった。南米のアルゼンチンとブラジル、広義のヨーロッパだが、EUに加盟がなくヨーロッパの意識の希薄なウクライナ、欧州大陸ではなくユーロが使えないイングランドの4か国が抜けて、フランス、ドイツ、イタリア、ポルトガルとヨーロッパ大陸の国だけが残った。ポルトガルを除けば、チャールズ大帝のフランク王国にまで遡れそうな雰囲気だ。本当のヨーロッパが残ったわけで、ヨーロッパの本家を自認しているこれらの国々は嬉しくてわが世の春を謳歌していることだろう。

かの将軍プラティニが、本家のフランスは優勝しなくてはいけないと言っていた。フランスが場を作り世界に提供したから、今日のワールドカップがあるという。オリンピックも然りで、フランスは常に世界のために場を作り、門戸を開放してきたというのである。たしかに、世界のビッグスポーツイベントである、FIFAワールドカップ、オリンピック、F1などフランスをはじめヨーロッパの国が果した役割は大きい。だが、根底にある本家を自認するヨーロッパの心の狭さも見逃すことはできない。F1で、スキーで、日本の選手や車が活躍すると、ヨーロッパに有利なルール改悪を平気でするのもヨーロッパである。

その中でヨーロッパの本家を自認する国々だけによる、水入らずの準決勝になった。彼らにしてみれば、これからが本当の国別対抗のつもりなので、リーグ戦にでもしたい気持ちだろう。すると、最初に弾き出されるのはポルトガルか。


ジーコが「体格」と言っていたが、FWの大型化が目立つ。チェコのコレルなどは別格だが、好調ドイツの2人のFWに始まり、各国のFWは軒並み長身選手で、ブラジルでさえアドリアーノだ。だが、FWの得点力は上がっていない。FWは守備というFWらしからぬ業務に追われどうしだからである。後半の選手交代もFWの運動量補給という思想でゲームプランが成り立っている。だからFWは、地道な戦法による得点を確実に確保するためにいきおい長身選手が持て囃されるのだろう。
守備とパワープレー、FWとしては一番おもしろくないことだが、それが世界の流れのようだ。本家のサッカーとはこのようなサッカーなのだ。


06:00:00 | datesui | |
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